抵抗都市 の商品レビュー
舞台設定がおもしろい。 現実はアメリカに支配されているが国民の思いはいろいろだろう。主権者としてよく考えたい。
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日露戦争で敗北し、ロシア統監府が日本を統治。〝御大変〟と呼ばれる敗戦による大きな体制転換から約10年後、水道橋付近で死体が発見される。それは、国を揺るがすような陰謀へと繋がってゆく。捜査にあたるのは警視庁刑事課の特務巡査・新堂と西神田署の刑事・多和田。警視総監直属の高等警察とロシ...
日露戦争で敗北し、ロシア統監府が日本を統治。〝御大変〟と呼ばれる敗戦による大きな体制転換から約10年後、水道橋付近で死体が発見される。それは、国を揺るがすような陰謀へと繋がってゆく。捜査にあたるのは警視庁刑事課の特務巡査・新堂と西神田署の刑事・多和田。警視総監直属の高等警察とロシア統監府保安課の介入を受けつつも真相を追う。 改変歴史もの。 地名、反ロシア派、ロシア軍、親ロシア派の動き、ロシア統治の世界がしっかり描かれる。そういった土台だけでなく、新堂の過去のお話や、ロシア人大尉の人柄等、それがより一層物語を深いものにさせ、堅苦しくなく、暗くならず、一大エンターテインメント作品になっていると思います。 ただ、歴史やSFがどちらかというと好きでない私としては、長いなーと感じてしまった、正直なとこ。いや、予備知識なしに読んだら、そういう内容だったのかと。頑張って読みました。
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最初、歴史小説と思い込んでいたので、しばし混乱。日露戦争で敗北し、ロシア統治下となった東京での反露運動めぐる殺人事件。今の日本への問題意識示すため執筆したと佐々木さん。ロシアを米と読み換えるとシュール!
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歴史改変警察小説とある。SFよりミステリー色が強い作品。日露戦争に敗れた日本は、「二帝同盟」の名の下にロシアに従属させられていた。折りしも、第二次世界大戦下の欧州に派兵中で、さらなる増派を求められていた。そんな中、ある殺人事件を追う二人の刑事を中心に話が進む。 この二帝同盟下...
歴史改変警察小説とある。SFよりミステリー色が強い作品。日露戦争に敗れた日本は、「二帝同盟」の名の下にロシアに従属させられていた。折りしも、第二次世界大戦下の欧州に派兵中で、さらなる増派を求められていた。そんな中、ある殺人事件を追う二人の刑事を中心に話が進む。 この二帝同盟下の日露関係は、太平洋戦争後の安保体制下の日米関係を模していることに気づく。謎解きよりも、そちらに目が行ってしまった。作者が「今の日本への問題意識を示すために、この舞台を選んだ」と語っているとおり、今の日本を問うているのだ。
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虚実ごちゃ混ぜで境界線がよくわからないところが小説の面白さ。本作はその典型だ。中身からすると冗長すぎて3割ぐらいは削れそうな印象だが、大正の世界大戦勃発からシベリア出兵あたりの時代の空気や東京の雰囲気がよく描かれている。日露戦争講和後にロシアの半植民地化した日本でのレジスタンス、...
虚実ごちゃ混ぜで境界線がよくわからないところが小説の面白さ。本作はその典型だ。中身からすると冗長すぎて3割ぐらいは削れそうな印象だが、大正の世界大戦勃発からシベリア出兵あたりの時代の空気や東京の雰囲気がよく描かれている。日露戦争講和後にロシアの半植民地化した日本でのレジスタンス、という設定がなかなか面白い。刑事二人が殺人事件から暗殺計画を暴いていくまでの筋は少し無理があると思う。
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