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抵抗都市 の商品レビュー

3.5

25件のお客様レビュー

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2020/08/31

歴史改編小説はあまり好きではないものの、試しに読もうとしたが、やはり何とも言えない不快感が生じ断念。

Posted byブクログ

2020/08/17

日本はロシアの実質的な占領下にあった。大正五年、ユリウス暦では1916年。警視庁刑事課の特務巡査・新堂は西神田警察署管内で他殺死体が発見されたという報で応援を命じられたのだ。死体は日本橋川堀留橋のたもとで運河に浮かんでいたという。制服の巡査が新堂を巡査と認めて敬礼してくる。名前を...

日本はロシアの実質的な占領下にあった。大正五年、ユリウス暦では1916年。警視庁刑事課の特務巡査・新堂は西神田警察署管内で他殺死体が発見されたという報で応援を命じられたのだ。死体は日本橋川堀留橋のたもとで運河に浮かんでいたという。制服の巡査が新堂を巡査と認めて敬礼してくる。名前を名乗ると私服の巡査も振り向いて敬礼してくる。西神田署の多和田巡査部長だという。これから二人して捜査を行うのだ…。歴史改変警察小説。面白かった。現在は、ロシアの代わりに米国か?

Posted byブクログ

2020/06/27
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

佐々木譲さんは警察小説の第一人者だと思うが、これは少し変わった警察小説。 名付けるなら歴史改変警察小説。 大正の東京が舞台だが、そこには同盟国ロシアの匂いがプンプンしている。 警察組織も駐在しているし、町のいたるところにロシアの名称がつけられている。 そんな中で起こった一つの殺人事件が物語の発端。

Posted byブクログ

2020/06/15

日露戦争終結から十一年たった、大正五年。ロシア統治下の東京で、身元不明の変死体が発見された。警察小説の旗手として不動の人気を誇る著者が「今の日本への問題意識を示すために、この舞台を選んだ」と語る、圧巻の歴史改変警察小説。(e-honより)

Posted byブクログ

2020/05/03

「日本海海戦で負けたためにポーツマス講和条約で外交権と軍事権をロシアに委譲した1916年(大正5年)の東京」が舞台の警察小説。 ロシア統治下の東京の地名、道路計画、統治機構などに対する設定は緻密にセットされており、舞台となる都心部、神保町、神田エリアの街並みの情景描写や、市電を...

「日本海海戦で負けたためにポーツマス講和条約で外交権と軍事権をロシアに委譲した1916年(大正5年)の東京」が舞台の警察小説。 ロシア統治下の東京の地名、道路計画、統治機構などに対する設定は緻密にセットされており、舞台となる都心部、神保町、神田エリアの街並みの情景描写や、市電を使った移動や交換手を介した電話コミュニケーションの展開はリアリティ(?)あり。 一方で、1914年に始まった第一次大戦に日本はロシア軍の一翼を担うかたちでドイツ戦線に2個師団を派兵しているという設定なのだが、この状況や、数年後のロシア革命の方向性についての言及はあまりない。また、米国が全く登場しないのも違和感。 「ロシア化された東京で犯罪捜査を行う刑事物」という目線で読めばよいけど、少し長かったかな。 コロナ篭りで終日在宅の昭和の日に、朝から深夜までかけて1日で読了。

Posted byブクログ

2020/05/01

 佐々木譲は基本的にミステリーの書き手ではなく、冒険小説作家だと思っている。スケールの大きい国際冒険小説、第二次大戦もの、幕末もの、どこをとっても骨のある男気の感じられる小説ばかりだ。とりわけ男性読者が多いのではないかと思われる。  最近は警察小説作家という印象が前面に出ている...

 佐々木譲は基本的にミステリーの書き手ではなく、冒険小説作家だと思っている。スケールの大きい国際冒険小説、第二次大戦もの、幕末もの、どこをとっても骨のある男気の感じられる小説ばかりだ。とりわけ男性読者が多いのではないかと思われる。  最近は警察小説作家という印象が前面に出ているように思うが、それにしたって謎解きミステリーからは距離を置いて、現代、そして現実というところの素材を多く持ち出して、警官に血と体温を与えたような捜査の面を浮き彫りにしてゆくタイプの、いわば人間の生き様重視、それでいてスーパーではない庶民の、たった一つの生き様の重さを測っているようなところがある。  だから小説に血が通う。男女のロマンややわな描写をあまり得意とせず、どちらかと言えば無骨で真っ正直な庶民性のある主人公を持ってくるか、とことん英雄となるべき魂を持ってくるかのどちらかだろう。  本書は、その前者、無骨で真っ正直な帝都東京の巡査を主人公にして描いた、歴史改変捜査小説である。この作品世界では、なんと日本は日露戦争に負け、ロシアに統治権を委ねている。東京の通りの名前はロシアの有名人の名を冠され、天皇制は保たれているものの、警察権力にまで統治者であるロシアの監視を免れられない、これに逆らえば日本そのものが失われてしまうという極めて危うい亡国の状況の下に、たった一つの殺人事件が、国家を揺るがす陰謀の導火線に火を点けることになる。  新堂と多和田という二人の警察官が、大きなスケールの国際的謀略を、世界大戦の暗雲が押し寄せる時代の下で、日露戦争敗北後の帝都という舞台の上で活躍する物語なのである。こんな難路をなぜこの作家は歩むのだろう。著者自身が答えている。「今の日本への問題意識を示すために、この舞台を選んだ」と。  そう捉えると現代の日本が日露戦争ならぬ太平洋戦争という名の日米戦争に負けてアメリカの軍隊を受け入れ、準じているその姿をこの小説の背景に感じさせないわけではない。より過激なより古い時代に材を置きつつ、こうしたシミュレーション・ノヴェルのような状況下で血の通う刑事たちを生かす離れ業を、まずは考えてくれる作家、というだけで少し嬉しい。そして、その試みの意思を作品として結実させてくれることで、なお心強い。  前半は地道な捜査と時代状況の複雑さに圧倒されるが、刑事たちの有能さが国家的危機を救う鍵となり、彼ら自身も危険に身を曝す緊張状態の後半に入るにつれ、スリルとアクションとの連続、その中で読み解いてゆく真実への迷路、等々、古き時代の冒険小説を思い起こさせてくれそうだ。  現在のオートメーション感覚での面白さのサイドではなく、冒険小説の伝統を重んじた重厚かつリーズナブルな背景設定と、その暗さや重さにもめげぬ直球勝負の男たち、といった無骨で古臭いエンターテインメント。セピア色の懐かしさ。そして現代の冒険小説健在を感じさせてくれる作家の、この方向性こそがぼくには何より嬉しい一冊なのであった。

Posted byブクログ

2020/04/27

フィクションなのに実際の場所がふんだんに出てきてリアルだった。が、長かった。ステイホームの時期でなければ、完読出来なかった。話は面白いし、破綻がない。

Posted byブクログ

2020/04/26

読み応えはあったが、いかんせん長い。思想や歴史背景の解説、地名の説明も本筋に関わる最低限で良かった気がする。そっちに集中力を持っていかれて犯人推測にエネルギーを使えなかった。

Posted byブクログ

2020/03/31

日露戦争で日本が事実上の敗戦となり、日本は露西亜帝国と同盟を締結。実質的には露の支配下に置かれている。海軍は廃止、陸軍は半減させられたうえ、現在は欧州の露西亜戦線(所謂第一次世界大戦)に、全陸軍の半数近くを派遣し、更に増派しようとしている。町には露軍が多数駐留し、行政・司法に深く...

日露戦争で日本が事実上の敗戦となり、日本は露西亜帝国と同盟を締結。実質的には露の支配下に置かれている。海軍は廃止、陸軍は半減させられたうえ、現在は欧州の露西亜戦線(所謂第一次世界大戦)に、全陸軍の半数近くを派遣し、更に増派しようとしている。町には露軍が多数駐留し、行政・司法に深く介入。日本国民は親露と反露に分裂し、反露側への弾圧は強まっている。 そんな世の中で文具の外商(露側の内通者)が殺害され、警視庁と神田西署の刑事が捜査に乗り出す。そして警視庁官房室は露の統監府、日本陸軍の反露派らが暗躍する中での争いに引き込まれていき、非常に大きなヤマに発展する。 しかし、結末は余り納得できるものではなかった。事件の帰趨が、ではなく、ラストの中途半端さ加減と、「抵抗都市」というタイトルから、もっと壮大な話と想像していたからだ。 本筋とは余り関係はないのだが、日本の皇太子をロマノフ王朝の皇女と結婚させることにより、皇室を維持させるとか、コサック騎兵による反露運動への弾圧とか少し書かれていたのだが、この様な露西亜実行支配下における日本の様子をもう少し膨らませてあれば、この世界観をよりリアルに感じられて良かったのではないだろうか。

Posted byブクログ

2020/03/16

日露戦争に負けた東京で繰り広げられる陰謀をめぐるミステリー。ウクライナやポーランド、バルト三国で起きたことの焼き直しでは?と思う部分もあるが、歴史改変モノに珍しい「後ろ向き」な世界観のリアリティは秀逸。 東京特に千代田区周辺の土地勘があるとより楽しめます。 単に100年前のお話し...

日露戦争に負けた東京で繰り広げられる陰謀をめぐるミステリー。ウクライナやポーランド、バルト三国で起きたことの焼き直しでは?と思う部分もあるが、歴史改変モノに珍しい「後ろ向き」な世界観のリアリティは秀逸。 東京特に千代田区周辺の土地勘があるとより楽しめます。 単に100年前のお話しと片付けられないのが深いところ。在日米軍を守るために日本の警察が日本人を傷つけたら、日本人は何を思う??

Posted byブクログ