米中新冷戦の幕開け AFTER SHARP POWER の商品レビュー
米中貿易戦争が過熱化する中、米国は、中国が展開する外交戦略「シャープパワー」に対する警戒を強めている。この新たな“パワー”、そして、対立する米中両国の動きを解説した書籍。 文化交流などで相手国の世論を味方につけ、自国に有利な環境づくりを行う外交手法を「パブリック・ディプロマシー...
米中貿易戦争が過熱化する中、米国は、中国が展開する外交戦略「シャープパワー」に対する警戒を強めている。この新たな“パワー”、そして、対立する米中両国の動きを解説した書籍。 文化交流などで相手国の世論を味方につけ、自国に有利な環境づくりを行う外交手法を「パブリック・ディプロマシー(公共外交)」という。中国は、ワシントンなどの都市で英語ラジオ番組を放送するなど、米国で活発にこの手法を展開してきた。 最近、米国は、こうした中国の働きかけは、「シャープパワー」の行使だとして警戒し始めた。シャープパワーとは、権威主義国家が強制や情報の歪曲、世論操作などの強引な手段を用い、自国の方針を飲ませようとするもの。 中国の活動に対抗して、米国は「孔子学院」(中国政府主導・支援による中国語教育機関)を、相次いで閉鎖している。また、航空工学やロボット工学などの最先端分野を専攻する中国人留学生のビザの有効期限を、5年から1年に短縮することを決定した。 米国に対して世論工作を行う一方で、米国の軍事力行使を恐れる中国は軍備増強を続けてきた。この軍備増強が、中国の意図について米国に疑念を抱かせることにもなっている。 中国が、米国の軍事力行使を恐れるようになったきっかけは、1999年のNATOによるコソボ空爆だ。この空爆は人権保護を理由としており、国連安保理決議を経ていない。これと同じように、欧米諸国が中国を攻撃する可能性があると考えている。 近年、米国では、中国や韓国の反日的なパブリック・ディプロマシーが活発に行われている。特に、従軍慰安婦問題など歴史認識をめぐる問題については、韓国側の活動に中国系米国人が協力するなど、「中韓共闘」の様相を呈している。
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