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ゲームの王国(上) の商品レビュー

4.2

65件のお客様レビュー

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2025/02/01

「日本SF大賞受賞作品」という帯のタイトルに惹かれて買った。久しぶりにSF、日本のSF物を読みたくなったのも手に取った理由の一つ。 読み始めるとカンボジアの革命の話から始まった。「え?歴史物なの?」と戸惑いながら読み進めるとこれが面白い。登場人物も多くそれぞれの物語が交差しながら...

「日本SF大賞受賞作品」という帯のタイトルに惹かれて買った。久しぶりにSF、日本のSF物を読みたくなったのも手に取った理由の一つ。 読み始めるとカンボジアの革命の話から始まった。「え?歴史物なの?」と戸惑いながら読み進めるとこれが面白い。登場人物も多くそれぞれの物語が交差しながら話が展開していく。SF?なのかな?と思いつつ下巻の展開がとても楽しみ。

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2025/01/29

長くて話しがくどくて途中で読む気がなくなった。登場人物の名前と関係が覚えられない。めちゃくちゃヒマでコレしか読むものがなければ最後まで読んだかも。

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2025/01/02

緊張と緩和のバランスが絶妙。史実を基としたかなり重苦しいテーマを描いているのに、所々で笑わされてしまう。難しいことを分かりやすく説明できるのが本当に頭のいい人だと言うが、作者の小川哲さんは正しくそういう人だと感じた。

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2024/10/31

小川哲さん「ゲームの王国」上巻 自分にとって初読みの作家さん。 直木賞受賞作「地図と拳」と山本周五郎賞受賞作「ゲームの王国」。どっちを読もうか迷ってまず此方の作品から読んでみることに。 作品の感想は下巻を読み終えてからにしたいので下巻の方に書きたいと思う。 自分がカンボジアの歴...

小川哲さん「ゲームの王国」上巻 自分にとって初読みの作家さん。 直木賞受賞作「地図と拳」と山本周五郎賞受賞作「ゲームの王国」。どっちを読もうか迷ってまず此方の作品から読んでみることに。 作品の感想は下巻を読み終えてからにしたいので下巻の方に書きたいと思う。 自分がカンボジアの歴史に疎かったため、スマホで検索し史学の知識を入れながらの読書になっている。そのため読むスピードがなかなか上がらないまま上巻読了に至ってしまった。 史実をベースに描かれている作品なので下巻でもしっかりと調べながら読み進めたいと思っている。 ただ作品は登場人物達がかなりフランクに描かれているため重苦しさはそこまで感じない。登場人物が凄く多い作品で、更に死んでしまう人物も多いのでしっかりと読んでいかないと把握しにくい。 上巻読了時ではタイトルの「ゲームの王国」とは何なのか?全体的に物語が漠然としすぎているが下巻で筋が見え明らかになっていく事なのだろう。 そして主人公の2人、ソリアとムイタックの関係も見所だ。どういう展開が用意されているのか楽しんで読んでいきたいと思う。

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2024/09/30

「地図と拳」で直木賞を受賞した小川哲さんのデビュー2作目の長編小説の上巻。地図と拳がしばらく図書館からまわってくる気配がないため、代わりにと読み始めた本書。無我夢中で読むとはこのこと。久しぶりに没頭してしまうくらい面白かった。 本書上巻は、1956年〜1978年のカンボジアが舞...

「地図と拳」で直木賞を受賞した小川哲さんのデビュー2作目の長編小説の上巻。地図と拳がしばらく図書館からまわってくる気配がないため、代わりにと読み始めた本書。無我夢中で読むとはこのこと。久しぶりに没頭してしまうくらい面白かった。 本書上巻は、1956年〜1978年のカンボジアが舞台。SFという触れ込みだったはずだが、歴史小説さながら。共産主義の革命軍クメール・ルージュやポル・ポトが、カンボジアに地獄をもたらしていた時代。その時代に生まれた、論理とゲーム攻略の天才少年ムイタックと、ポル・ポトの血を引きながらも彼が作った現政権を倒しゲームのルールごと作り変えようと政治家を目指す少女ソリヤ。この二人が主人公。 この上巻では、主人公たちが生まれ育ち、大変な政治的混乱のなか、それぞれがサバイブし、そのなかでそれぞれの大切な人たちを政府に奪われてゆく様子が描かれている。酷い。カンボジアの歴史はなんとなくしか知らなかったから、調べながら読んだ。こんな酷かったなんで。知識人は殺され、革命軍に反抗する人は殺され、やがては疑心暗鬼になった政府に、なんでもなくても殺される。まさに大量虐殺。殺されなかったとしても、ひどい待遇での強制労働のせいで、飢えや病気で死ぬ人が続出した。史実では、170万人もの人が亡くなったらしい。 カンボジアではある世代以上の人があまりいないと聞いたことがある。物語の中でも、重要そうな登場人物たちでさえ、あっけなく死んでいく。のどかな農村の村人たちがかつて送っていた生活との対比がエグい。農村ののどかさや人の死や村人の不思議なチカラは、少しだけ、最近読んだ「百年の孤独」を彷彿とする(そちらはジェノサイドはないのだが)。 でもこちらはリアルな歴史で、たったの50〜70年前のことなのだ。現役の世代の人達が、今も生きている。今の50代以上のカンボジア人は、家族や友人などのごく親しい人達を、理不尽に亡くすという経験をしているということだ。この小説を読んでいなかったらそれを実感できなかったな。たまにこんな感じで小説は、自分の無知や想像力の不足を補ってくれる。読んでよかった。 まあとはいえ、この本の最大の魅力は歴史的知識を得られるところではない。隅から隅までずっとストーリーテリングが最高に面白い。この物語はどう終焉していくのだ? 大切な人を目の前で次々と殺され、自分にも危機が及んでいる瞬間。主人公の脳裏に平和な時代の何気ない日々の記憶がよぎるシーンが印象的だった: (引用、p.443) 「(省略)頭に浮かぶのはそんなガラクタばかりだ。なんの意味もない。だが、自分が忘れてしまえば、世界にそういった瞬間が存在していたという事実は、永久に消え去ってしまうのだ。 (中略)前進するということは、遠くの光を見つけることではない。どれだけ前進しても、暗闇の向こうに光が見えることはない。前進するということは、暗闇の向こうに何かがあることを知ることだ。何か自分の知らない空間がある。それを知る。 そしてそれがすべてだ。」 ここで生まれた強い気持ちが、下巻でどのような展開を生むのか。下巻が楽しみ。

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2024/09/01

文庫化されたことでとあるし『百年の孤独』に再チャレンジしようか、と思わされました。「泥」のあたりは、かなりそれに近いように思いましたが、記憶はあやふやです。先に下巻を読みますが

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2024/05/09

全編にわたって著者の初期衝動が爆ぜまくっていて、一気に読みました。 昔、仕事でポルポトやクメールルージュのことをかなり調べました。 資料的な理解が進めば進むほど、理解の本質からは遠のく違和感がずっとあった。こういう時代だったとは頭でわかる。けれど、人々の息遣いや、緊張感や、死...

全編にわたって著者の初期衝動が爆ぜまくっていて、一気に読みました。 昔、仕事でポルポトやクメールルージュのことをかなり調べました。 資料的な理解が進めば進むほど、理解の本質からは遠のく違和感がずっとあった。こういう時代だったとは頭でわかる。けれど、人々の息遣いや、緊張感や、死は、どうしても質量を伴って身体に落ちてこなかった。 あのとき、この本が世の中にあったら良かった。 いつだって、胸を刺すのは誰かの人生の物語。 多くの生きる喜び、死への痛みに刺され続けた上巻でした。 下巻も楽しみです。

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2024/05/05

2024年25冊目 山本周五郎賞を受賞された本作の上巻。それぞれのキャラを覚えるのに苦戦したが、共産主義の世界を理解するのに非常に良い一冊。まだ話の途中なので、トータルの評価は下巻で。

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2024/05/01

カンボジアで起きた、社会主義による革命の群像劇。タイトルにある通り、まるでゲームのように各人の物語が結びついていく。そして命が奪われていく。 上巻は壮大な序章という感じ。最重要人物と思われるムイタックの目的が、初めて上巻の最後で示された。下巻での活躍に期待している。 随所に登場...

カンボジアで起きた、社会主義による革命の群像劇。タイトルにある通り、まるでゲームのように各人の物語が結びついていく。そして命が奪われていく。 上巻は壮大な序章という感じ。最重要人物と思われるムイタックの目的が、初めて上巻の最後で示された。下巻での活躍に期待している。 随所に登場する特殊能力にはじめは戸惑ったが、上巻を読み終える頃には世界観を支えるスパイスとして受け入れられた。時代小説と思って読み始めたのに徐々にその様態が変わっていったのは、面白い体験だった。

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2024/04/19

舞台は1956年〜1978年のカンボジア。ポル・ポト率いるクメール・ルージュの誕生から支配までを背景に、一市民や秘密警察官、クメール・ルージュ幹部など視点を変えながら、その時代を描く。 クメール・ルージュのことは概要しか知らなかったものの、著者がまるでこの土地、この時代を生き自...

舞台は1956年〜1978年のカンボジア。ポル・ポト率いるクメール・ルージュの誕生から支配までを背景に、一市民や秘密警察官、クメール・ルージュ幹部など視点を変えながら、その時代を描く。 クメール・ルージュのことは概要しか知らなかったものの、著者がまるでこの土地、この時代を生き自身の目で見たのではないかと思うほど情景が精緻に描かれており、殺戮や拷問などのおぞましいシーンがありつつも(とはいえそれほど長くもない)、引き込まれるように読んだ。 中には、輪ゴムで未来を予知する村人や、泥を操れる村人など特殊能力を持った人物も出てくるが、さほど物語に重大な影響を及ぼすのでもなく、個人的には余計に感じてしまった。本の紹介にSFとはあるものの、SFと呼べそうな要素は上巻を読んだ限りではこれくらいで、歴史小説という方が近い。 一方で、下巻は少し開いて見た限りではだいぶ雰囲気が変わりそうな感じもする。引き続き期待。

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