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チンギス紀(六) の商品レビュー

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18件のお客様レビュー

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2024/04/01

第六巻。 金軍がタタル族討伐のために動き出し、テムジンも金国の要請に応じて出兵を決意します。 ただ、草原の部族で金国と連合したのは、テムジン率いるキャト軍とケレイト王国のトオリル・カンのみで、他の部族(ex.ジャンダラン氏のジャムカやメルキト族のトクトア、タイチウト氏のタルグダ...

第六巻。 金軍がタタル族討伐のために動き出し、テムジンも金国の要請に応じて出兵を決意します。 ただ、草原の部族で金国と連合したのは、テムジン率いるキャト軍とケレイト王国のトオリル・カンのみで、他の部族(ex.ジャンダラン氏のジャムカやメルキト族のトクトア、タイチウト氏のタルグダイ等々・・)は“反金”の立場を取ったことにより、草原の民の陣営が“親金”と“反金”に大きく二分される流れになっていき・・・。 わーん・・(( ノД`)シクシク…。 恐れていたことが、六巻目にして起こってしまいました・・。 テムジンが金国サイドについた事によって、“反金”のジャムカと袂を分かつことになってしまい、二人の仲良しっぷりを見るのが好きだった私は、実に寂しく思っております。 この巻の後半で、早くもテムジン軍とジャムカ軍が遭遇戦をする場面が出てくるのですが、別にお互いを嫌いになったとかではなく、立場的に敵対せざるを得ない関係になった上での闘い、というのがまた切ないですね。 いつか、二人がまた連合するときが来ますように・・と祈るばかりです。 そして、寂しいといえば前述の対ジャムカ戦で、テムジン軍の古参メンバーの“あの人”がテムジンをかばって散ってしまいましたね。 ただ、その代わりといっては何ですが、新たに“雷光”・ムカリという魅力的なキャラが加わって、戦力としても頼もしいですし、ムードメーカー的な役割もしてくれそうで期待しております。 金国との連合で南に拠点を作ったり、着実に領土を広げているテムジンですが、今回ちょっと別方面で“やらかし”てしまいます。 コンギラト族のブトゥという青年を気に入ったテムジンが、彼と妹のテムルンを勝手に結婚させようとしてしまい、母のホエルンに“テムルンには好きな人おるのに!”と、キレられて、“そっち方面に疎い”一面が明らかにw。 結果、テムルンは想いを寄せる“彼”とめでたく結婚できてよかったのですが、これに懲りたテムジンがすっかり“縁談恐怖症”になってしまったのが、何だか可愛いですね。 まさに群雄割拠といった感じの草原の状況ですが、トクトアが隠棲し、新たにメルキト族の長となったアインガとタイチウトのタルグダイが接近しているのも気になるところ・・・今後の展開に目が離せませんね~。

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2023/09/29
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感想 テムジンの俺は俺であって、金国と一緒に戦おうが自分の決めたことをやる、というセリフが妙に頭から離れない。 金国への態度で旗幟鮮明になった。テムジンとケレイト王国は金国寄り、それ以外は反金国。次巻あたりで大きな戦の予感。 あらすじ テムジンが金国に呼応してタタル族に攻め込んだ。テムジンは電撃の突撃でタタル族に大きな損害を与える。ケレイト王国も遅れて参戦し、タタルは大敗する。ケレイト王国は金国から草原の王を名乗ることを許され、テムジンはタタル領の警備と追討ちにかかる。 メルキト族のトクトアが、若いアインガに族長を譲った。テムジンがキャト氏の嫡流のサチャ・ベキを葬り、キャト氏の長として立った。 ジャムカとテムジンは金国に対する姿勢の違いからぶつかることになり、テムジンはチルギダイを失う。 弟のカチウンが法の整備を始めた。ケレイト王が烏律を殺し、軍事へと舵を切る。

Posted byブクログ

2023/02/11
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

チンギス紀 六 断金 北方謙三 ∞----------------------∞ 金国軍とタタル軍の戦。金国のトオリル・カンへの褒賞は、草原の王カンを名乗れること。テムジンへは百人隊長となって金国国境の警備をすること。 反金国のジャンダランとついに敵対することになる。 メルキトの長はトクトアからアインガへ。メルキトとタイチウトは反金国軍として手を組む。 チルギダイはテムジンを庇って命を落とし、ソルカン・シラは老いて病で亡くなった。 泥胞子の遣いとしてやってきたムカリはジェルメや左箭より強いという。そのムカリを隊長とした戦の中で変幻自在に動く五十騎の騎馬隊を組む。 恋愛に疎いテムジンは、ボオルチュとテムルンの仲に気づいてなかった。娘の婿探しの旅にも臆病なテムジン。 ボルテは恰幅が良くて(想像)度量もある、フフーは線が細く神経質。子供の育て方も全く違うし、夫へどう支えになっているかも違うと思う。 2023/02/11 読了 (図書館)

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2021/10/02

本巻では遂に草原に戦雲が垂れ込める。これまでは、タイチウト対タタル、キャト氏内部、ケレイト対メルキトという限定された部族間抗争だったが、タタルと金国のいざこざから一気に構図が出来上がった。 元々は、タタルのみが金国寄り、それ以外は大なり小なり西遼の影響を受けていた(メルキトは金...

本巻では遂に草原に戦雲が垂れ込める。これまでは、タイチウト対タタル、キャト氏内部、ケレイト対メルキトという限定された部族間抗争だったが、タタルと金国のいざこざから一気に構図が出来上がった。 元々は、タタルのみが金国寄り、それ以外は大なり小なり西遼の影響を受けていた(メルキトは金国との交易関係は有していた)。今回の金とタタルの反目に際して、金から各部族に援軍要請が行ったが基本的には黙殺されている。背景にはジャムカ筆頭に歴史的な中華国家への反感があった(中国への反感について、前巻までに伏線が無くやや唐突感あり。当たり前の話と言われればそれまでだが)。 その中でテムジンは、本件を飛躍のための好機と見て、父の仇討ち名目で金側に付いて参戦。また、金からハーンの称号を得る確証を得た(金のスパイとも言うべき家臣の烏律の策謀の結果とも取れる)トオリルも、草原全体を敵に回すことを心配しつつも参戦。 テムジンの機動戦とトオリルの大兵力の参戦で、金側が大勝利し、テムジンの徹底した掃討戦の結果、タタル族は支柱を失い、まとまりとしての族は崩壊。テムジンは、捕虜を労働力として確保しつつ、上がった税収の一部を金に入れることにより、自らの地歩をさらに固めて金との関係も強化する。 これにより、テムジンとジャムカは完全に進む道を違えたことになった。一緒に駆けて最後の別れをした後、遭遇戦で戦う。テムジンはジャンダラン族の集落を守ろうとして、それを踏み潰して進撃したジャムカに負け、当初からの功臣のチルギタイを失う。しかし、民を守ったことでテムジンの下に集まる遊牧民も増えることになった。 勢力を拡大するテムジンに対し、メルキトのアインガとタイチウトのタルグタイが接近。これにジャムカも取り込む構えを見せる。アインガはまた北のバルグド族とも誼を通じる。トオリルも、金の謀臣の烏律を処断し、軍の態勢強化に力を入れる。 次巻では、草原の覇権を巡るトオリル&テムジンvsメルキト&タイチウト&ジャンダラン&バルグド連合軍の対決が華となるか?

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2021/09/21

金国の要請を受けてタタル族討伐に出陣し、タタル族を根絶やしにし、金国国境の警備を任される。一緒に出陣したケレイトオオ王国のトオリル・カンは王・カンという名誉を得た。チンギスは拠点をアウラガに移し、国家としての体制はますます充実していく。そんな中で親友のジャムカとは金国への思惑の違...

金国の要請を受けてタタル族討伐に出陣し、タタル族を根絶やしにし、金国国境の警備を任される。一緒に出陣したケレイトオオ王国のトオリル・カンは王・カンという名誉を得た。チンギスは拠点をアウラガに移し、国家としての体制はますます充実していく。そんな中で親友のジャムカとは金国への思惑の違いから一線を交えることになった。タルグアイは反金国連合としてメルキト族とタイチウト氏が同盟を組み、ジャムカも加えようと画策する。

Posted byブクログ

2021/05/28

2021.05.28 5ヶ月ぶりの続編。いよいよ始まった!そんな思いにさせる動きだった。またまた次巻が楽しみだ。昼間はあまり読まないのについつい読みたくなるほど面白かった!

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2020/08/06

金国とタタル族の決戦に、テムジンが出撃する! 金国のタタル族討伐に連携したのは、キャト氏のテムジンとケレイト王国のトオリル・カンでその他のモンゴル族は、反金国側となりテムジンの友ジャンダラン氏のジャムカともこの親金国派と反金国派の流れの中で袂を分かつ。 楊令→胡土児(玄翁)→テム...

金国とタタル族の決戦に、テムジンが出撃する! 金国のタタル族討伐に連携したのは、キャト氏のテムジンとケレイト王国のトオリル・カンでその他のモンゴル族は、反金国側となりテムジンの友ジャンダラン氏のジャムカともこの親金国派と反金国派の流れの中で袂を分かつ。 楊令→胡土児(玄翁)→テムジンと血を引く繋がりも時々表現され水滸伝→楊令伝→岳飛伝と中華での宋、梁山伯、金との戦いとの繋がりも感じ取れ大きな時代の流れを感じる。 完顔襄が率いる金国の大軍四万がタタル族討伐のために動き出した。父イェスゲイをタタル族に暗殺されたモンゴル族のテムジンは、金国の要請に応じて三千騎の出兵を決意する。ケレイト王国のトオリル・カンもまた金国の側に立ち、一万五千騎の陣容を整えた。一方、同じモンゴル族のジャムカは、金国とタタル族の双方を草原の民の敵とみなし、要請に応じない。草原の部族で金国と連合したのは、テムジンとトオリル・カンのみでウルジャ河付近でタタル族と戦闘中の金軍に加わったテムジンは、タタル族の大軍に突撃する。 その後、テムジン軍がタタル族の残兵掃討の帰途中ジャムカ軍と遭遇して戦い避けられず交戦しテムジン軍で一隊を率いていたチルギダイが戦死する。 この粗筋から、浅はかにもタイトル「断金」は金国との繋がりを断つ意味との誤解に気がつく。固く結ばれた友情の意味でテムジンとジャムカの間柄だと理解。

Posted byブクログ

2020/07/22

断金とは固い友情のことらしいってことは、テムジンとジャムカだろうなぁ~長年金の手先となってきたタタル族が離反し、これを追悼するために金は草原の民に協力を求めた。父の仇として兵を出す意味のあるテムジンは草原を掻き回すために出兵する。ケレイトのトオリル・カンは親金の同盟を求めてきたが...

断金とは固い友情のことらしいってことは、テムジンとジャムカだろうなぁ~長年金の手先となってきたタタル族が離反し、これを追悼するために金は草原の民に協力を求めた。父の仇として兵を出す意味のあるテムジンは草原を掻き回すために出兵する。ケレイトのトオリル・カンは親金の同盟を求めてきたが、ジャムカは金と組むのを由としないし、草原の民が二分させる。想像を絶するスピードでテムジンはタタルに攻めかかり、遅れてやってきたトオリル・カンもタタルを族滅させ、王・カンの称号を得、テムジンは金の国境警備の百人隊長を仰せつかった。キャト氏嫡流のサチャ・ベキをイエスゲイ暗殺の張本人として捉えて処刑したテムジンはバヤン・オラーン山が北風を遮ってくれるアウラガに本拠地を構え、ヘルレン河南北流が作る大きな中州を牧に作り替えた。トオリル・カンに助力した戦でジャムカと遭遇戦に突入し、互いに手傷を負った。メルキトのトクトアの跡を継いだアインガがタイチウト氏のタルグダイに接近し、草原で親金と反金の勢力がぶつかろうとしていた~ジャムカの傷の具合を教えてくれませんね、この本では

Posted byブクログ

2020/06/19

歴史上の出来事をかなり再構成してるから展開が予測できない面がある。まぁ大水滸伝の頃からそうだったし、面白いから良いのだけど。

Posted byブクログ

2020/02/23

金国がタタル族を討伐する。金国の要請に応えたのはテムジンとケレイト王国のトオリル・カンのみ。ジャムカは金国とタタル族は草原のの敵と考えており、要請に応じない。テムジンとジャムカの分かれ道になる。 時は流れていき、ある族では世代交代が起こり、テムジンの子供も大きくなる。友との別れや...

金国がタタル族を討伐する。金国の要請に応えたのはテムジンとケレイト王国のトオリル・カンのみ。ジャムカは金国とタタル族は草原のの敵と考えており、要請に応じない。テムジンとジャムカの分かれ道になる。 時は流れていき、ある族では世代交代が起こり、テムジンの子供も大きくなる。友との別れや大切な人がテムジンの身代わりになって死んでゆく、登場人物たちの心の成長が見れる。そういったところ、読み応えがあり、これからも領土がどうなるかとともに楽しみである。

Posted byブクログ