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靴ひも の商品レビュー

3.8

29件のお客様レビュー

  1. 5つ

    5

  2. 4つ

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  3. 3つ

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  4. 2つ

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2024/07/01

【琉大OPACリンク】 https://opac.lib.u-ryukyu.ac.jp/opc/recordID/catalog.bib/BB29327954

Posted byブクログ

2023/12/29

嫌味な妻、最低な理屈をこねながら浮気をする夫 あ~嫌だ! 最後まで読めるかなぁ………。 読めました この作家の手腕に脱帽。 読後、映画も観てしまいました。

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2023/10/29

海外の作品は普段あまり読まないのですが、表紙のイラストと「靴ひも」というタイトルに惹かれて読んでみました。 裏表紙の解説文からは、どんなジャンルの本なのかが全く掴めず、冒頭の辺りではミステリなのかな?と思いながら読んでいたのですが、それも違いました。純文学と言ってもいいのでしょ...

海外の作品は普段あまり読まないのですが、表紙のイラストと「靴ひも」というタイトルに惹かれて読んでみました。 裏表紙の解説文からは、どんなジャンルの本なのかが全く掴めず、冒頭の辺りではミステリなのかな?と思いながら読んでいたのですが、それも違いました。純文学と言ってもいいのでしょうか。展開にハラハラドキドキさせられるという作品ではなく、人物の言葉から、イメージを膨らませたり、その人物の心の動きを楽しむ(楽しいものではありませんでしたが)ような作品だったかなと思います。 あまり普段読まないタイプの小説で、なかなか読み進めるモチベーションが上がらず、かなり時間をかけての読了となりました。

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2023/07/26

あらすじは核家族における父親の浮気&出奔を含めたイタリアでの話ですが、ちょい味噌?なのはちょっと時代が古い所ですかね。厳格なカトリックが国教で1970年位まで離婚ができなかったそうなんですよ。ちょうど子供らが小学生位の頃に家に父親がいなかったんですが、時は流れ、よりを戻し...

あらすじは核家族における父親の浮気&出奔を含めたイタリアでの話ですが、ちょい味噌?なのはちょっと時代が古い所ですかね。厳格なカトリックが国教で1970年位まで離婚ができなかったそうなんですよ。ちょうど子供らが小学生位の頃に家に父親がいなかったんですが、時は流れ、よりを戻した夫婦の晩年の家族の様子が描かれます。「家族もの」って多分自分は苦手なんですよ。自分の家族が苦手なので。だから読んでるとぞわぞわしてくるんですけど、この作品は結局誰一人も心が通ってないせいで?結構ラク?に読めました。

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2023/05/28

穿たれた傷は癒えたが、瘢痕となり肉に留められている。もはや疼くこともないその醜い跡は、“損なわれている”という事実が、すっかりと忘れ去られないように、身体に残されているだけだ。 血は違う。脈打つ血が伝えてくるのは、“お前も人を傷つけ、損なうことができる側の人間だ。忘れるな。”と...

穿たれた傷は癒えたが、瘢痕となり肉に留められている。もはや疼くこともないその醜い跡は、“損なわれている”という事実が、すっかりと忘れ去られないように、身体に残されているだけだ。 血は違う。脈打つ血が伝えてくるのは、“お前も人を傷つけ、損なうことができる側の人間だ。忘れるな。”という、間断ない囁きだ。 それは不吉な呪いかもしれないし、言い古された警句かもしれない。だが、笑い飛ばす訳にはいかない。それが事実であることを僕は知って生きている。 家族のあり方を一括りで語ることはできない。 だが、本書に描かれた靴ひもの美しいエピソードは、結局は誰も救うことはなかった。 すでにひび割れて砕けかけた器を、父の手が母の手が息子の手が娘の手が、それぞれの役割で包んでいることで形を保ったに過ぎない。 うまくやったともいえる。 9歳だった娘はなんだかんだで34歳まで同居し、和解から40数年経った老夫婦はバカンスに共に行く。息子は親への感謝を口にし、思いやりに満ちたメールを返す。 だが、もはや家族という器は粉々になり、支えた手の指の間をこぼれ落ちてしまっている。そこにあるのは“あることになっている幻影”だ。 では幻影すら白日の元に暴かれたラストの先に、家族は支える手を離してそれぞれが抱える矛盾と欺瞞に向き合っていくのだろうか?それが個人の再生のきっかけとなる希望なのか? いや、そんなこと起きないだろう。もはや誰も手を伸ばさずとも、ダラダラと家族は続いていくのだろう。 それが善いことか悪いことかの判断なんて僕にはできない。結局、家族は幻想だと知っていても、血肉に染み込んでしまっているのだから。

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2023/04/11

ジュンパ・ラヒリが惚れ込んで英訳した本、ということで読んでみた。”もしも忘れているのなら、思い出させてあげましょう。私はあなたの妻です。”と書かれた手紙で始まる出だしで、まず相当に不穏。そして主人公のアルドというこの事件の元凶となった男がかなりひどいやつなのだ。愛人に入れ込んで家...

ジュンパ・ラヒリが惚れ込んで英訳した本、ということで読んでみた。”もしも忘れているのなら、思い出させてあげましょう。私はあなたの妻です。”と書かれた手紙で始まる出だしで、まず相当に不穏。そして主人公のアルドというこの事件の元凶となった男がかなりひどいやつなのだ。愛人に入れ込んで家を出ていくし、愛猫には不吉な名前をつけるし。それに伴い妻はヒステリックになり子供達も闇を抱えて育つことになる。タイトルにもなってる靴ひもが出てくる場面は印象的。そして最後は問題は解決しないにしろスッキリとした気持ちになった。

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2023/07/23
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

 当初、本書の粗筋を私は全く理解できなかった。映画化されると聞き(邦題『靴ひものロンド』)、ホームページを検索して粗筋を読んでみたが、それでも意味不明だった。読了して言えることは、要約しにくいほどおもしろい作品だったということだ。寧ろ読者にならない限りこのおもしろさが充分に伝わらない可能性すらある。関口英子さんの翻訳も素晴らしい。 「家族」――私たちにとって最も身近で説明しきれない、ある生き物の集団/集合体を、本書ほどコミカル且つシニカル且つグロテスクに描いた小説があったであろうか! 久し振りの満足のいく読書に興奮を抑えられない。

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2022/06/10

3つの中編から構成されているが、イタリア人の気質が感じられる本だ.兄サンドロと妹アンナと父アルド、母ヴァンダに父の愛人リディアが絡んで物語が展開する.第一の書では、妻のヴァンダがリディアの元に行ってしまった夫アルドのことを述べているが、意外に冷静なヴァンダに対し、第二の書では、ア...

3つの中編から構成されているが、イタリア人の気質が感じられる本だ.兄サンドロと妹アンナと父アルド、母ヴァンダに父の愛人リディアが絡んで物語が展開する.第一の書では、妻のヴァンダがリディアの元に行ってしまった夫アルドのことを述べているが、意外に冷静なヴァンダに対し、第二の書では、アルドが自分の生活を語る.面白かったのは第三の署で、サンドロとアンナが父母の思い出をやや皮肉を込めて語る場面だ.イタリアではこのような家族が一般的なのかどうか分からないが、冷静な心持を保持してしっかりと生きていく姿勢が感じられた.

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2022/02/28

3つの書き分けが面白く、章立ても読みやすかった。 とある時代の一家族の、愛・金・生活などに対するそれぞれの欲求の一部が、細かく書き起こされている。 「思わぬ余波」「次第に浮き彫り」というには想像に難くないというか、この事件いる?というか…紹介文にあるようなじわじわした恐怖や強烈...

3つの書き分けが面白く、章立ても読みやすかった。 とある時代の一家族の、愛・金・生活などに対するそれぞれの欲求の一部が、細かく書き起こされている。 「思わぬ余波」「次第に浮き彫り」というには想像に難くないというか、この事件いる?というか…紹介文にあるようなじわじわした恐怖や強烈な何かは感じ取れなかった。

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2021/12/17
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

家族一人一人が相手に感じていることを、特定の個人からではなく、妻・夫・子供という構成員それぞれの目線から語るゆえに、中々一人に感情移入出来ないところが良かった。 それにしても、血の繋がった他人感の強い家族だったな。時代背景が違ったらきっと展開も違ったんだろうなと思う。 終始張り詰めた空気が漂っていたけれど、それを文面から感じられるというのもすごいと思った。

Posted byブクログ