あたしたち、海へ の商品レビュー
井上荒野さんの最高傑作。「あたしたち、海へ」という題名や「少女たちの孤独な魂にそっと寄り添う物語」という帯の文句から想像するような、甘やかな少女小説ではありません。読んだあと「私も黙ってないで闘おう!」と力が湧きました。感動しました。
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陰湿なイジメ。それに抗えない憂鬱。友を裏切った後ろめたさと失った哀しさ。青春のひとシーンといってしまえばそれまでだけれど、誰しも多かれ少なかれの悩みを抱えて生きている。母にも父にも友達にも、その母にも、誰しもにある苦悩が巧く描き出されていた。ラスト、希望にむかう終わり方で救われた...
陰湿なイジメ。それに抗えない憂鬱。友を裏切った後ろめたさと失った哀しさ。青春のひとシーンといってしまえばそれまでだけれど、誰しも多かれ少なかれの悩みを抱えて生きている。母にも父にも友達にも、その母にも、誰しもにある苦悩が巧く描き出されていた。ラスト、希望にむかう終わり方で救われた。
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大人だって色々と悩んだり苦しんだりする。女子中学生達だって学校のイジメで悩んでいる。近所に住む仲良しだった3人の女の子のうち、1人が転校してしまった。クラスでのイジメで1人だけ半旗を翻した結果だった。3人が好きだった音楽が唯一の繋がりであり、女の子達に希望を与えた。ラストは卒業を...
大人だって色々と悩んだり苦しんだりする。女子中学生達だって学校のイジメで悩んでいる。近所に住む仲良しだった3人の女の子のうち、1人が転校してしまった。クラスでのイジメで1人だけ半旗を翻した結果だった。3人が好きだった音楽が唯一の繋がりであり、女の子達に希望を与えた。ラストは卒業をキッカケに3人の女の子達が気持ちを強く持ちその先にある未来の自分たちの生活が少しでも楽しくなるんだ、って思ってくれた事に救いがあった。
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仲良し女子中学生3人が海へ向かうロード・ノベル……のようなものかと、軽い気持ちで読み始めたが、登場人物の1人の名前が“海”であることに違和感を感じた。その違和感は正しく、最初に思っていたような話ではまったくないことに気付かされた。ここで描かれるのは、私立の中高一貫校で起きるスクー...
仲良し女子中学生3人が海へ向かうロード・ノベル……のようなものかと、軽い気持ちで読み始めたが、登場人物の1人の名前が“海”であることに違和感を感じた。その違和感は正しく、最初に思っていたような話ではまったくないことに気付かされた。ここで描かれるのは、私立の中高一貫校で起きるスクール・カーストである。そしてそれは大人の世界でも起こることだと……。3人が大好きなミュージシャンの遺作である『ペルー』。「いつかペルーへ行こう」と約束する2人の真意とは……。つらい小説だが、最後に救いがあってよかった。
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女子中学生のいじめの話、と一言で表してしまったらよく聞く話なような気がしちゃうんだけど、すごくギリギリのラインで厭な描写が多い。どこからがいじめって当事者たちはもうわからなくなってくるけど、この作品に起きていることはいじめでしかない。ペルーに行こうってそれだけを目標に踏ん張ってる...
女子中学生のいじめの話、と一言で表してしまったらよく聞く話なような気がしちゃうんだけど、すごくギリギリのラインで厭な描写が多い。どこからがいじめって当事者たちはもうわからなくなってくるけど、この作品に起きていることはいじめでしかない。ペルーに行こうってそれだけを目標に踏ん張ってる彼女たちが切なかった。言葉で表せない感情が詰まっている一冊。思春期、で片付けちゃいけないよね。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
あらー、高校生女子のイジメの話しかぁ、ちょっとやだなぁ…という先入観を持って読み始めたのですが、そこはさすがに井上荒野さん、でした。 連載中は「ペルー」というタイトルだったらしいのですが、内容がわかると新しいタイトルが含みを持ち、日本語として素晴らしいと思えた。 「ペルー」という言葉が包括する、此処でない何処か、不安に対する希望、10代の頃のアーチストへの熱愛と同じものを好きな仲間に対する神がかり的な体験(実は大したことない)、など。共感がじわじわ効いてくる。
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