あたしたち、海へ の商品レビュー
多感な思春期に入って、大人特有の自我が芽生えてきて、スクールカーストが出来上がる。中学時代に『世の中すべて権力だ』といったことを常に頭に浮かべながら過ごしていたことを思い出した。教室は権力社会の縮図のようだった。 あらゆることが間違っていた。 教師は見てみぬふりをした。いや、恐れ...
多感な思春期に入って、大人特有の自我が芽生えてきて、スクールカーストが出来上がる。中学時代に『世の中すべて権力だ』といったことを常に頭に浮かべながら過ごしていたことを思い出した。教室は権力社会の縮図のようだった。 あらゆることが間違っていた。 教師は見てみぬふりをした。いや、恐れていた。 狭い教室の外に出て、生きる世界を広げたことは本当に勇気のいることでなかなかできないことだと思う。 それができずに消えていった子どもの方が多いかもしれない。 だからこそ、3人の勇気が本当に奇跡のように素晴らしく感じた。
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描写がリアルだけに学校での生活の息苦しさが手に取る様だった。親も無神経なだけでなくそれぞれの目先に捉われているのがわかる。本当に逃げる以外どうしよも出来ないのかと、重くなった一冊。
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いじめの話。どーんと重くなる。 「ペルーに行く」っていうのだだんだん変化して、最終的に有夢と瑤子のペルーってそういうことなのかと思うと胸が締め付けられた。つらいつらいつらいって思っていたら、海ちゃんのペルー。 実際まだまだ困難ばかりだけど、最後に少し光が見えたな~
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数年前まで、イノウエコウヤだと思っていた者です。 仲良し3人組の女子中学生。そのうちの1人が、ある出来事をきっかけにスクールカーストトップの逆鱗に触れてしまう。容赦ないいじめが始まり、仲の良かった2人も自己防衛からいじめに加担してしまい……という話。 これって、というかこの手の...
数年前まで、イノウエコウヤだと思っていた者です。 仲良し3人組の女子中学生。そのうちの1人が、ある出来事をきっかけにスクールカーストトップの逆鱗に触れてしまう。容赦ないいじめが始まり、仲の良かった2人も自己防衛からいじめに加担してしまい……という話。 これって、というかこの手の話っていうのは、やっぱり読み手のバックグラウンドによって、世界観も評価も180度変わるんでしょうね。 どんな話もそうだよってなりますが、刺さり方の差が大きいんだろうなと思う。 世の中のルエカは一生ルエカなのかっていうのが気になるところではあるけれど、取り巻きたちのほとんどは死ぬまでそのポジションなのではないかと思う。どんなものであれ、人と人のあいだで「可視化できないけど感じる流れ」みたいなものには敏感に反応してその流れを大きくする。 もちろん子ども時代みたいなわかりやすいいじめに加担したりはしない程度に成長できる人も一定数いる。でも本質は変わらない。 子どもができたりすれば、子どもを余計な面倒ごとから遠ざけるため、より良いポジションに置くため、流れに乗る。感じる流れに上手く乗る。 そして、こういう話を読む人の割合として、そのポジションだったりそこに近かったりする人は実は多いはず。ルエカや海だった人よりは遥かに多いはず。 そして、そして、そんなポジションの人にはあまりこの手の話は刺さらない。多分。なぜなら共感力が低いから。 そう。私の評価は星3つ。
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この本を読みながら、どこかで女子中学生が友達と2人で飛び降りて亡くなったことや、転校したのに嫌がらせをされて亡くなったどこかの女の子のことを思い出した。 もはや、「逃げる」だけじゃ足りないのか。 私が気になったのは、いじめる子も、標的にされる子も、親の姿を見て、強く影響を受け...
この本を読みながら、どこかで女子中学生が友達と2人で飛び降りて亡くなったことや、転校したのに嫌がらせをされて亡くなったどこかの女の子のことを思い出した。 もはや、「逃げる」だけじゃ足りないのか。 私が気になったのは、いじめる子も、標的にされる子も、親の姿を見て、強く影響を受けてる。 親の態度や姿勢に、子どもはすごく敏感だ。 それは、当然、良い方にも悪い方にも強く働く。 ある女の子は、美しいだけで弱く不幸な母を見て、弱い者への苛立ちや、強くなければ幸せになれないと考えるようになった。 ある女の子は、面倒なことからは目を背ける父親を見て、自分がいなくなっても厄介事が減ったと思うだろうと、自分の存在を肯定できない。 ある女の子は、母親と同じく正義感の強く、理不尽なことをするクラスのボスと戦って、学校を去った。 何が正解とかないけど、親と子の関係について、考えさせられた。 波多野さんというおばあさんカッコよすぎて、わたしも励まされた。 波多野さんを見て、戦うと覚悟を決めた和子さんもカッコよすぎる。 メニューCがなくなったなら、自分メニューCでもメニューDでも作ればいい。 一緒にペルー行こう!って、言える大人になりたい。
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ペルーに行くことだけを心の救いにしているのが切ないですね。 小さなSOSを見ようとしない担任や両親に少し腹が立ったりもしましたが、世界が変わらないと…というのは共感できました。
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中学生の壮絶ないじめ。 読んでいてやりきれなくなってくる。 周りの大人が気づかないこと、あるいは気づいていて関わろうとしないこと、そこに一番やりきれなさを感じる。 ここで描かれていることはそう特異なことではないだろう。 無くはない現実だろう。 しかしやりきれない。 やらなければ...
中学生の壮絶ないじめ。 読んでいてやりきれなくなってくる。 周りの大人が気づかないこと、あるいは気づいていて関わろうとしないこと、そこに一番やりきれなさを感じる。 ここで描かれていることはそう特異なことではないだろう。 無くはない現実だろう。 しかしやりきれない。 やらなければやられる、のかもしれない。 そして首謀者も何らかの心の闇をかかえていて、そのはけ口を求めていじめをくりかえしているのかも。 一番醜いのは知っていて見てみぬふりを決め込む大人、あるいは現実をみようとしない大人。 こんな大人がいなくならない限りいじめはなくならにだろう。 自分がいじめられる側になりたくないばかりにいじめる側につく人間。 子どもの社会だけでなく、大人でも同じことが言えることをこの作品の中では示唆している。 最後に少し、明るい兆しが見えてホッとして本を閉じた。
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中学生の執拗ないじめを描いていた。 仲良しをいじめることを強いるという残酷な方法だった。 今日、きっとどこかで似たようなことが起きている。 自分の中学生時代に同じようなことを目撃していたことを思い出し(男子だったけど)助けになることができなかった自分も加害者だったなと過去を振り...
中学生の執拗ないじめを描いていた。 仲良しをいじめることを強いるという残酷な方法だった。 今日、きっとどこかで似たようなことが起きている。 自分の中学生時代に同じようなことを目撃していたことを思い出し(男子だったけど)助けになることができなかった自分も加害者だったなと過去を振り返ってなお辛い。 いじめられる側に何の落ち度もない。 逃げる方法=自殺を「ペルー」に例えていずれそこに行くからと、今を我慢する姿は悲しい。 仲良し二人組が自殺してしまう事例を聞くが、どこにも救いがなくて大人に頼れなくてこのようにふたりで絶望していったのかなと想像して読み進めた。 引っ越しことで逃げた海の母親が気付き3人を救う方法を提案するところでおわる。 本当に逃げられるのかはわからないラストだけど(とても荒野氏らしいラスト)一人の大人の理解と分かり合える友達がいればきっと救われるだろうなあ。 社会人になってもいじめはなくならないけど、いじめる人ってDNAに刻まれてんの?ってくらい自己中で意地悪なのってなんなの?(怒)
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
女子中学生のいじめの話、といっても書いたのは井上荒野だから、普通のYAとは違うだろうと期待して読んだ。 アマゾンの感想じゃ、「あまりにも救いがない」という声がわりとあったので、そういうこともあり得ると覚悟して読んだが、本を読んでいる人たちと言ってもいろいろだからなあ。読解力がなくても読める本がたくさんあるからなあ。というか、ちゃんと読めない人って案外多いんだね。だから、これでもかとしつこく書き込んだり、いちいち解説がつくような本が売れるのかも。 (後でブクログの感想を読んだら、ちゃんと読めてる人が多くて、やっぱりアマゾンに書く人って‥‥と思ってしまった。書く人が多いと、まあ、石が増えるのでしょう。) 救いは、あるじゃない。 もちろん、いじめがなくなって、みんな仲良くなる、なんて安易な展開ではないけど、実際に有り得る形での救いがあった。 日頃YA読んで、まあ今どきの子どもに読ませるならこんなところかな、と思う事が多いけど、これは、構成といい、描写といい、そんじょそこらのYA作家にはない実力のある作家の仕事だなあと、本当に舌を巻いた。 いじめられている少女達はリンド・リンディというアメリカ人のミュージシャンの大ファンなのだが、彼は脳腫瘍で急逝している。彼の最後のアルバムに入っている「ペルー」という曲を少女達は特に愛している。 この設定が、(実在のミュージシャンでないだけに)下手な作家だと嘘くさくてこそばゆくて、とても物語に入っていけないのだが、井上荒野は上手いので、初めは「大丈夫か、この設定で」と思ったが、大丈夫どころか、とても重大なモチーフになっていても違和感がなく、流石だと思った。 ラストの「ペルー」が表すものの劇的転換が、素晴らしい。彼女たちの心にあるペルーと実際のペルーが重なるとき、生きていける場所がこの世にあることに気づく。 井上荒野という人が、あからさまな応援をするわけではないけど、幼い、大人の世界の入口で希望を見い出せずに苦悶する若者に、負担にならない形で寄り添って、勇気づけてくれているのが、よく分かった。 いじめの首謀者である少女がなぜいじめるのかもきちんと描かれているので、この少女にも何らかの救いがあったら、と思わなくはないが、そこまでやると嘘っぽくなってしまうのかも。 大人にもそれぞれ事情があり、完璧に幸せな家族なんかない、と気づかせてくれるのも、作者の優しさだと思う。 担任教師の事情などは上手くまとまらなかった感もあるが、全体としては良かった。 凄い作家だと思った。
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荒野の世界に、す〜と入っていく。 『なぜ』と『どうなるのかな?』が交差しながら〜 早く読み進めたくなる❣️ 荒野の策略だ〜❣️❣️
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