終りなき夜に生れつく の商品レビュー
読みやすい。 短編だけど、夜の底は…の出て来た人たちの学生時代なので楽しく読めた。 葛城の冷めた、人間らしくない人格だと思っていたが違っていた。もっともっと知りたい途鎖国の生活。 何故独立した国となったのか物語として続いていってほしいけど、恩田陸ってそういう事しないよなぁ。。。
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特殊能力者が多数住んでいる国『途鎖国』の隣国の産まれであることもあり、興味深く読んだ。本作はダーク・ファンタジー長編『夜の底は柔らかな幻』へと続く短編集(スピンオフ作品)だということを読み終わってから知った。恩田陸は様々なタイプの作品を書く小説家だが、本作のような作風も持っていた...
特殊能力者が多数住んでいる国『途鎖国』の隣国の産まれであることもあり、興味深く読んだ。本作はダーク・ファンタジー長編『夜の底は柔らかな幻』へと続く短編集(スピンオフ作品)だということを読み終わってから知った。恩田陸は様々なタイプの作品を書く小説家だが、本作のような作風も持っていたことに正直なところ驚いた。
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本作「夜の底〜」が気に入ったならぜひ読むべきスピンオフ。とくにユウジや葛城が好きな方にはオススメ。とくに葛城は本編では殆ど見えなかった人間らしい一面の残る学生時代の彼の姿が読めます。 読み終えたあとには、もっと途鎖国シリーズが読みたくなるのでした…先生ーーーー!どうか続編か、もし...
本作「夜の底〜」が気に入ったならぜひ読むべきスピンオフ。とくにユウジや葛城が好きな方にはオススメ。とくに葛城は本編では殆ど見えなかった人間らしい一面の残る学生時代の彼の姿が読めます。 読み終えたあとには、もっと途鎖国シリーズが読みたくなるのでした…先生ーーーー!どうか続編か、もしくはまたスピンオフでもいいのてどうか…また彼らに会いたいです…
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『夜の底は柔らかな幻』のスピンオフ 軍勇司と葛城晃の友情、そして神山倖秀の覚醒 「終わりなき夜に生まれつく。永遠の夜に生きる。」 ウィリアム・ブレイクの詩からとられたタイトルが好き 恩田先生、〈途鎖国〉シリーズは、まだまだ続けてくださーい!
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『夜の底は柔らかな幻』の前日譚というべき短編集。 特殊な能力をもって生まれたゆえに、普通には生きられない。 それぞれが、それぞれのベストを模索していくのだけど…。 結局、人間は環境と運によって形成されるのか? (性格もそうではあるけれど、性格の形成も環境に左右されるので...
『夜の底は柔らかな幻』の前日譚というべき短編集。 特殊な能力をもって生まれたゆえに、普通には生きられない。 それぞれが、それぞれのベストを模索していくのだけど…。 結局、人間は環境と運によって形成されるのか? (性格もそうではあるけれど、性格の形成も環境に左右されるのでここは環境として) 物語の中で、もしここがこうなら、と思わないでもないけれど、でも多分それは無理で、やっぱり最後は「夜の底」の世界にいってしまうのだろう。 って、それは絶望だね。 結局、何も変えられない世界を創ったのは、悲しいことなのだと思う。 うん。 これは、ただ、悲しい淋しい物語なのだろう。
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夜の底は柔らかな幻の登場人物の過去の話。 これを読んでからまた前の本を読むのもいいかなと、思ったのですが、確か、あの本は訳が分からないまま終わったような……。 この本はこの本で充分楽しめました。
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読み終わって解説を読んで、初めて知った。これスピンオフだったんかい。どうりで世界観できあがってる〜あえて交わらない話〜って思ったわ。「夜のそこは柔らかな幻」という作品があったんですね。 でも、楽しめました。まぁ正直、今まで読んだ恩田陸作品のサスペンスとは少し違うテイストだったので...
読み終わって解説を読んで、初めて知った。これスピンオフだったんかい。どうりで世界観できあがってる〜あえて交わらない話〜って思ったわ。「夜のそこは柔らかな幻」という作品があったんですね。 でも、楽しめました。まぁ正直、今まで読んだ恩田陸作品のサスペンスとは少し違うテイストだったので、乗り損ねた感は若干ありますが。
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「夜の底は柔らかな幻」の前に読んでしまったけど大丈夫かな…全くあらすじを知らない状態で読んだのにぐいぐいと引き込まれた。 物語の人物が次の登場人物へと続く道標のようになり、先へ進む途中でたまに後ろを振り返りたくなるような感覚。わずかにしか出でこない神山の得体の知れない不気味さに惹...
「夜の底は柔らかな幻」の前に読んでしまったけど大丈夫かな…全くあらすじを知らない状態で読んだのにぐいぐいと引き込まれた。 物語の人物が次の登場人物へと続く道標のようになり、先へ進む途中でたまに後ろを振り返りたくなるような感覚。わずかにしか出でこない神山の得体の知れない不気味さに惹きつけられる。(でも一番好きなのは軍勇司) これを読んだ次の日に早速「夜の底は〜」を読み始めた…面白いよ…
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「夜の底は柔らかな幻」のスピンオフ作品。真紅の表紙がとても美しい。この本を手にしたい。まずそこに魅かれた作品でした。 「夜の底」で最後に恩田さんに振り落とされてしまった人間としては何とかすがる先を探してしまいます。そんな疲れた心を癒す作品がこれでした。800ページを超えても判...
「夜の底は柔らかな幻」のスピンオフ作品。真紅の表紙がとても美しい。この本を手にしたい。まずそこに魅かれた作品でした。 「夜の底」で最後に恩田さんに振り落とされてしまった人間としては何とかすがる先を探してしまいます。そんな疲れた心を癒す作品がこれでした。800ページを超えても判然としなかった謎の数々があっけなく解決します。明かされなかった名詞の意味が明らかになります。『ソク』と『フチ』、こんなにもわかりやすい説明、本編でしてよ!とちょっとクレーマーな気分を抱くことになる、読むほどに納得感のある「夜の底」の解説本的なストーリー。 4つの短編から構成されていますが、それぞれ、 〈砂の夜〉『少女が宙に浮かんでいる。』一気に「夜の底」の世界に引き戻してくれる秀逸な一文。軍勇司と須藤みつきのアフリカでの医療ボランティアでの活躍。『あたしが先生を守ってあげる。』という言葉がとても印象的。 〈夜のふたつの貌〉葛城晃と軍勇司の出会い。『意識下にある願望や真実は、人の口を使って顕れるのだ。』ゾクゾクするような驚愕の視点。「夜の底」で抱いた葛城晃の印象がくずおれる瞬間。 〈夜間飛行〉葛城晃が入国管理官になるまでの心と身体の道程。そして、あの「彼』との再会と別離。『噂ってのはさ、どんなガセネタでも、どこかに一粒くらいは真実が含まれてるものなんだ。』そう、火のないところに煙は立たない。そして、葛城晃が別人格に感じるエンディングのある意味の爽やかさ。 〈終りなき夜に生れつく〉途鎖を離れた首都で起きている連続殺人事件。あの大物の彼が登場します。『古くて新しい対立。どちらが新人類であるのか。どちらが人類の覇者であるのか、という対立軸。』古くて新しいこのテーマに、『新人類』の脆さを前面に押し出した描き方が新しい。でも、ニュータイプとオールドタイプはいつの夜もいがみ合い、自らの存在意義をかけて闘うしか道はない。誰が描いてもこの結論。『悲しいけどこれが人間なのよね。』 永遠に終わることのない、終りなき夜を生きて行くしかない者たちの苦悩。特殊な能力を持って生れてしまったが故の苦悩。そして、能力を持たない者との間に生まれる相剋。 本編+スピンオフという物量を投入しても描きたかったもの、恩田さんの強い熱意・想い、そしてこの世界観への深い愛情に触れた気がします。トータルで見て素晴らしい作品群でした。
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どこか別の世界という意味ではファンタジーなのだけど、恐くて暗くて恐ろしい。人対人の軋轢や喧嘩も嫌だけど、未知の力を持った納得できないものは恐ろしい
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