しもやけぐま の商品レビュー
くまだって ねぞうのわるいのがいます。 ウルのやつは ふゆのあいだじゅう じぶんのあなからかたあしを だしてました。 おかげで ウルのみぎあしのさきっちょは ぷくっとふくれたしもやけになってしまいました。 そんなウルのことを もりをあるいていたおじいさんがみつけました ...
くまだって ねぞうのわるいのがいます。 ウルのやつは ふゆのあいだじゅう じぶんのあなからかたあしを だしてました。 おかげで ウルのみぎあしのさきっちょは ぷくっとふくれたしもやけになってしまいました。 そんなウルのことを もりをあるいていたおじいさんがみつけました おじいさんはめをさましたウルに「わしゃただのとりよりじゃ おまえさんをてっぽうでうったりしない ただちょっとてつだってほしいことがあるんじゃ」といいます。 教育出版国語教科書1年生で紹介されている童話。 今江祥智の文章が、あべ弘士の大胆な挿絵に乗るように漂うように語られます。 読者としても、最初は夢の中のウルと一緒に居心地良さを味わい、目を覚ましたときにいたおじいさんの不思議さ素朴さには「悪い人じゃないな」とすぐわかるし(そして正体もすぐわかるし/笑)、その後はウルといっしょに不思議な冒険に出て…という流れが、寒い冬に温かい巣でまだ夢を見ているようなそんな心地よさを感じられます。 ゆったりしたなかに自然の力強さもあるファンタジーで、文章と絵が一体となった童話です。 しかしちょっと気にしてしまったのが… 語り口が「ですます調」と「である調」を混じらせてるんですよ。 <いりぐちの あたりまで ころがってきて じたばたするものですから、かたあしが つい そとに でてしまう。(P6)>って感じに。 大人の文章としては全く問題ないし本としてもリズムが生まれるような感じでよいんですよ。(私のレビューもしょっちゅう「ですます・である」を混じらせている)「1年生の国語教科書に紹介されている」となると、普段は先生方は作文で「ですます・である」は統一と教えてると思うのですが、このような本には「小説では自由ですよ」と感じてもらえるのかな。
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主人公は何が起こったかあやふやだけど、読者は知っている…というおはなし。 雪がしんしんと降る中。 冬眠中のくまのウルが、片足だけ巣の外に出して寝ている。 その足をみつけたおじいさんがいて…。 日本昔話的世界だと勝手に思い込んでいたら、そんなこちらの思い込みを裏切り、あっけらか...
主人公は何が起こったかあやふやだけど、読者は知っている…というおはなし。 雪がしんしんと降る中。 冬眠中のくまのウルが、片足だけ巣の外に出して寝ている。 その足をみつけたおじいさんがいて…。 日本昔話的世界だと勝手に思い込んでいたら、そんなこちらの思い込みを裏切り、あっけらかんと、越境してしまう。 その手つきにあっぱれ。 夜寝る前に読んだら、いい夢見られそう。
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たださん、海と青硝子さんの本棚から図書館予約 あの「今江祥智」さんの文、そしてあの「あべ弘士」さんの絵 文句ありませんね 私が学生の頃から次々作品を発表されて目にしてきた作家さん 児童文学に大きな『柱』を残して逝かれました 私の座右の銘(本)「ぼちぼちいこか」の訳もそうです ...
たださん、海と青硝子さんの本棚から図書館予約 あの「今江祥智」さんの文、そしてあの「あべ弘士」さんの絵 文句ありませんね 私が学生の頃から次々作品を発表されて目にしてきた作家さん 児童文学に大きな『柱』を残して逝かれました 私の座右の銘(本)「ぼちぼちいこか」の訳もそうです これはなんともゆるくてつよい作品でしょう じいさまにびっくり! 今江さんが63歳のときの作品とか いいなあ こんなファンタジー これからもずっと読み継がれますように ≪ くまのあし しもやけかゆく 空走る ≫
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今江祥智さんの作品は、先に「ぼんぼん」を読みたかったのだが、いつもの図書館に無かったので、こちらからになりました。 今江さんの作風について、清水真砂子さんの批評にあった『真面目で軽みに抜ける』という、容易に出来そうで、実は中々難しいことをやってのける稀有な方ということを知...
今江祥智さんの作品は、先に「ぼんぼん」を読みたかったのだが、いつもの図書館に無かったので、こちらからになりました。 今江さんの作風について、清水真砂子さんの批評にあった『真面目で軽みに抜ける』という、容易に出来そうで、実は中々難しいことをやってのける稀有な方ということを知り、彼の存在は、猫丸さんに教えていただいたのだが、ますます興味を持ち、しかも、それがもしかしたら、現代に於ける児童文学の多様な流れを確立した、一つの礎になっているのかもしれず、日本に於ける児童文学の歴史の変遷も踏まえて、これは読んでみたいと思わせるものがあった。 そして本書であるが、小学1年生以上を対象にした、教科書に掲載されていてもおかしくないような、熊がしもやけになるという個性的な面白さと、その熊の「ウル」の、冬眠する穴から唯一外に出ていた、片脚に積もった雪が「ほとん」、「ほ・と・り」、「すわん」と、そっと落ちてゆく音の、冬の静けさを想像させながらも、情緒豊かな感性に溢れた表現に加えて、ウルの寝相の悪さに思わず笑ってしまいそうになった、その裏には、彼が片脚を外に出していなければ、あるおじいさんが困り果てて、途方に暮れるところであったことを知ることによって、たとえ、その個性が熊たちの中では稀であったのだとしても、それはとても大切なものであることを、今江さんは、まさに軽やかに教えてくれながらも、その芯にあったのは、決して誰にも妥協することのない、一途な真面目さだったのである。 また、本書のもう一つの読み所は、ウルとおじいさんの楽しくも温かな交流であり、お互いに困ったときの気持ちがよく分かる、似たもの同士であることや、おじいさんのウルに対する真摯な態度が、冬眠中のウルの心を開かせたことに加えて、その彼ならではの、まるで魔法使いのようなお礼には、ウルにとって素敵な思い出となるようなものばかりで、しかも、このお話、あのテーマだったとは知らず、数日前に読んでいたら、ドンピシャなタイミングだったのになあと思いながらも、読む時期関係なく、心に訴えるものが確かにあった、熊と人との交流が多くの人達に幸せを引き寄せた、冬ながら、ほのかな温かさの漂う心地よい作品であった。 本書(2019年)は、1995年に草土文化より発行された作品を、表紙画を新たにして復刻したものと知り、それは、当時旭山動物園の飼育係として勤務されていた、あべ弘士さんのウルの絵の、獣の荘厳さと愛嬌の同居した様が印象的だが、実は本編のある場面の絵であり、読み終えた後で、新たにこの絵を眺めていると、また違った感慨を与えてくれて、その寝顔に込められた、あべさんと今江さんの思いとが見事に調和された素晴らしいそれを、今回新たな表紙画に選ばれたのも、私には、なんだか分かるような気がしてならないのである。 本書が、今年最後のレビューになりました。 というのも、これから図書館に本を返しにいかなければならないのと、大晦日から来年三日までが仕事になるためです。 私のレビューを読んで下さった方々、いいねを下さった方々、フォローして下さってる方々、本棚を覗いて下さった方々、ありがとうございます。 そして、私の本の世界を更に広げて下さった方々、温かいコメントを下さった方々に、感謝を! いつも、ありがとうございます。 それでは皆さん、ちょっと早いですが、良いお年をお迎え下さい(^^)/
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このタイトルからその展開は想像できなかったな。 その力があっても重いものは重いのか…。 食べ損ねた代わりのエサは…夢の中で進呈したということかな。
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