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さあ、熱いうちに食べましょう の商品レビュー

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9件のお客様レビュー

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2024/06/16

料理エッセイという感じではないしレシピも古めかしいが、ちょっと浮世離れしたお姫さまが年をとってからつづったロシア上流家庭の丁寧で豊かな暮らし、義母や仲の良いおうちのステキなマダムたちの思い出。 ワレーニク(ゆでだんご)の紹介に「ロシアのウクライナ地方」と書いてあったりとか、「女...

料理エッセイという感じではないしレシピも古めかしいが、ちょっと浮世離れしたお姫さまが年をとってからつづったロシア上流家庭の丁寧で豊かな暮らし、義母や仲の良いおうちのステキなマダムたちの思い出。 ワレーニク(ゆでだんご)の紹介に「ロシアのウクライナ地方」と書いてあったりとか、「女の子は見えても聞こえてはいけない」とか ビズィーカ(春雨)は中国からの取り寄せで貴重品だったためピロシキにビズィーカが入っているかいないかで貧富の差がついたとか、時代を感じさせる。著者は小澤征爾の義母にあたる。 P011 玄関を入ってくる人は、神様が送ってくれた人だから、いつも温かい気持ちでもてなさなければならない。 P106 パスクワーレ家に招かれていくと、まず台所のママのところにあいさつに行きます。ママは粉だらけの手で抱きしめて「まあ、よくきてくださった」と喜んでくれたかと思うとすぐミートソースやトマトソースのお味見をさせるのです。そんな時うっかり「お腹がすいた」なんて言おうものならそれこそ大変、大きな手で肩をつかまれ椅子に座らされお皿にその晩のごちそうを山盛りにされて「お腹がすいているならさあ食べなさい、お客様が揃うまで待つ必要なんかありゃしない。食べたいときがおいしい時よ」と、台所で大歓迎を受けてしまいます。 P108 「今日は何のパーティですか?」とたずねると、ミセスセルヴァックは笑いながら「名無しのパーティってどう?このところ、ちょっと寂しくて・・・御迷惑だったかしら?」 P147 「ソワール・ド・パリ」は大連の夕方の匂いがする P149 魅力的になるということは、今日努力したから明日なるわけではありません。毎日毎日の、紙一重一重の積み重ねの結果が魅力になるのです。【中略】”きれいといわれるより魅力的といわれるように”と言う一方で、美しいものはそれだけで存在価値がある、というのも義母の考え方でもありました。美しいというのは神様から与えられた特権 きっとそれは貴族時代の名残なのでしょう

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2024/01/17

料理エッセイとあるが、料理にまつわらない内容が多かった。文体や内容に昭和の少女趣味的な表現が多く、筆者の年齢も思うと馴染めなかった、、、が、作中の娘の手紙も後書の孫の文章も似た感じだった

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2023/11/25

絵画のような食エッセイ集。 一般市民とは異なる、一昔前の豪華絢爛な時代を思わせる華やかな暮らし、流れるような優しい文体、贅沢な食事……。 装丁も綺麗で、持ち歩くだけで気分のあがるハンカチみたい。 義母にプレゼントしていただきました。

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2023/05/10

もう別世界でなにがなんだか。 お伽話とはよくいったもの。 聞いたこともない世界が広がっています。 実話とは思えないような、多くの人が一生縁のない世界。 ロシア料理を知りたくて迷い込んだおとぎの国です。

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2022/10/25

愛と思いやりに満ちた言葉で紡がれた世界。温かい気持ちが溢れて、本から顔をあげたら世界が変わって見えました。この気持ちを大切にしていきたい

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2021/05/09

入江麻木という名前はテレビの料理番組とか、高級婦人雑誌とかで見かけたことはある。図書館の返却棚にあったのを何気に借りて帰った。 小澤征爾の義母になるんだ

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2020/12/02

料理エッセイとあるから、料理の話しばかりかと思ったらそうでもなかった。なんか住む世界が違い過ぎて、そういう違いが興味深かったり面白かったりすることもあるけど、この本に関してはそういう気持ちもなぜか湧かなくて、なんだか想像していたものといろいろ違った。

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2020/09/01

新聞の書評で拾った1冊だったと思う。 図書館の順番が回ってきたころには、どうしてこの本を読もうと思っていたのか忘れてしまっていた。 読み始めて驚く。 「玄関を入ってくる人は、神さまが送ってくれた人だから、いつも暖かい気持ちでもてなさなければならない」 ロシア人の義父にこう言われ...

新聞の書評で拾った1冊だったと思う。 図書館の順番が回ってきたころには、どうしてこの本を読もうと思っていたのか忘れてしまっていた。 読み始めて驚く。 「玄関を入ってくる人は、神さまが送ってくれた人だから、いつも暖かい気持ちでもてなさなければならない」 ロシア人の義父にこう言われた言葉を大切にしている著者。 異国の家に嫁ぎ、ロシアの料理を次々覚え、多くの友と楽しい時間を過ごし。 短いエッセイの合間に差し挟まれる、素敵な料理やデザートのレシピ。食欲をそそる匂い、甘やかな香りがふわりと漂う。 華やかなパーティーや華麗な交友関係。 アルゲリッチと親しく交わり、小澤征爾を「征爾」と呼び、音楽家たちと楽しく談笑し。 え、え、え? どういう方なんですか、この著者さんは? 何だか夢の中のお話のようだ。 著者・入江麻木は、巻末の略歴によると料理研究家。1942年白系ロシア貴族の末裔と結婚。義母から礼儀作法を、義父からロシア料理を教わったとのこと。娘の入江美樹は元ファッションモデルで指揮者の小澤征爾と結婚したという。ああ、そうなんだ、なるほど。 離婚後、50代で料理家としてスタート、多くの女性たちのあこがれの的だったという。 そうだったのか、とようやく得心が行く。 何だかおとぎ話のようなのだけれども、根底には温かさがある。 姫は氷のようにツンととりすましてはいないのだ(いや、お姫様が料理をするかといえばしないと思うのだけれど(^^;))。 どんなに豊かで、どんなに贅沢でも、根っこのところに「温もり」がなければ、おもてなしにはならない。 相手を思いやり、どうしたら喜ぶかと考え、笑顔を思い浮かべ、工夫を凝らし。 こうであればこそ、異国の家に嫁ぎ、夢のような世界に入っていけたのだろうか。 何冊の本からエッセイを編集したもので、時系列的には行ったり来たりである。 終戦間際だろうか、ものが不足していた時代のエピソードもある。 著者一家は野尻湖の別荘へと逃れる。 周囲の目は外国人に厳しい。もともとの別荘は誰とも知らぬ人に乗っ取られ、仕方なく、交渉の末、別の空き別荘に住むことになる。 とにかくものがない。お金があっても買うこともできない。加えて、著者の家は著者以外、すべて外国人である。自由に動き回ることもできない。そんな中で著者は孤軍奮闘、あれこれと必要なものを手に入れようとする。しかしそれでも、家の中に野山の花を飾ることを忘れない。義母はそんな嫁に感心する。 困窮していても花を飾る心のゆとり。 それこそが著者を形作っていったものなのだろう。 同じエッセイの中に、夫との話もある。 本当にものがない時代。幼いわが子に芋を食べさせてやりたいと、一瞬、著者の心に魔が差す。 盗もうか。 しかし、あのロシア人の奥さんが盗みを働いたと陰口を叩かれたら大変と彼女は思いとどまる。その話を夫にすると、「盗まなくていい、盗んだらいけない、今日はお米が手に入ったから」と抱きしめる。温かいエピソードである。 本文には記載がないのだが、経歴には離婚とあるので、この夫と別れてしまったのだろうか。それとも死別の後の再婚があったのだろうか。 人生のほろ苦さも感じる。 小澤征爾の娘、作家・エッセイストの征良(せいら)が一文を寄せる。 著者の文才や感性は、こうして次の世代、さらに次の世代へと受け継がれていくのだろう。 征爾の妻となった娘はモデルであったというから、その母の著者も美しい人だったのだろう。けれど、おそらく容姿ばかりではなく、心根の美しい人だったのだろう、と思う。

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2020/06/07

指揮者小澤征爾の義理の母親入江麻木さんの料理エッセイ集雑誌にのせたエッセイをまとめたものであるので重複も多い。ただし戦争中の昭和17年に東京でロシア人に嫁ぎ、ロシア風の生活を日本でおくり、特にロシア料理を嫁ぎ先のお父さん(結婚相手の父親)から仕込まれ、また小沢征爾と親戚関係になっ...

指揮者小澤征爾の義理の母親入江麻木さんの料理エッセイ集雑誌にのせたエッセイをまとめたものであるので重複も多い。ただし戦争中の昭和17年に東京でロシア人に嫁ぎ、ロシア風の生活を日本でおくり、特にロシア料理を嫁ぎ先のお父さん(結婚相手の父親)から仕込まれ、また小沢征爾と親戚関係になっていからはアメリカやフランスなどでにも長期滞在し、多くの芸術家や富裕層と交流があったよう。そのようなことからエッセイはいろいろ興味深い記述がある。没後31年にしてこうやって新刊としてでるのも頷ける内容だ。 他のレシピも見てみたいものだ。

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