1,800円以上の注文で送料無料

ほんのちょっと当事者 の商品レビュー

4.2

41件のお客様レビュー

  1. 5つ

    11

  2. 4つ

    23

  3. 3つ

    4

  4. 2つ

    0

  5. 1つ

    0

レビューを投稿

2020/12/29

ほんのちょっと当事者、というタイトルがしっくりくる。 本書に書かれていることが、全て著者の経験したことという事に驚くが、誰しも多かれ少なかれここに書かれた様なこと、あるいは書かれていない困りごとの当事者なんだろうと思う。 当事者であるという自覚を持つには、当事者の経験を知り、自分...

ほんのちょっと当事者、というタイトルがしっくりくる。 本書に書かれていることが、全て著者の経験したことという事に驚くが、誰しも多かれ少なかれここに書かれた様なこと、あるいは書かれていない困りごとの当事者なんだろうと思う。 当事者であるという自覚を持つには、当事者の経験を知り、自分も同じ経験をしているという気付きを得ることが早い。その意味でも本書は役に立つと思う。 当事者であるとなれば、他人事ではなくなり、何かその問題に対し行動するかもしれない。そういう人が多ければ、社会は変わるよね。 もちろん純粋にエッセイとしても面白いので、おすすめ。

Posted byブクログ

2020/12/06

著者さんの独特な視点と経験を通して 障がい者や介護や働き方改革などに対して感じ取った事を書かれています 見出しはどれも暗い物を取り上げていますがそれを著者に思わずツッコミを入れたくなる様な体験が混ぜ合わされていて 上手い具合に中和されています 介護している方やうつ病を発症した...

著者さんの独特な視点と経験を通して 障がい者や介護や働き方改革などに対して感じ取った事を書かれています 見出しはどれも暗い物を取り上げていますがそれを著者に思わずツッコミを入れたくなる様な体験が混ぜ合わされていて 上手い具合に中和されています 介護している方やうつ病を発症した方もしくは関わっている方にはぜひ読んで参考にしながらもクスッと笑顔になってもらえればと思います

Posted byブクログ

2020/11/22

青山さん自身の、 セルフケアになった本のような気がした。 書く(発する)ことで、気づきがあったり できごとを俯瞰できたり。 あとがきに「振り返りのような一冊」とあって、 納得感があった。 一部の話、もう両親が存命じゃないから 書けたこともあるとのことが かなしくて切なかった。 ...

青山さん自身の、 セルフケアになった本のような気がした。 書く(発する)ことで、気づきがあったり できごとを俯瞰できたり。 あとがきに「振り返りのような一冊」とあって、 納得感があった。 一部の話、もう両親が存命じゃないから 書けたこともあるとのことが かなしくて切なかった。 知りたくもなかっただろうし、 知っていても守れなかっただろうけど ほんとうに、かなしい想いをする人が起きるようなできごとが減っていけばいいなあと思った。 7章ででてきた、木村泰子先生の本も読んでみる。

Posted byブクログ

2021/01/05

第1章を読み終えた時、「むむ、この人とは合わんかも」と思ってしまった。自分で言うのも何だが、私は用心深い。最初の章のエピソードは正直、それ、あんたのせいちゃうんか、という読後感だった。この調子のものを読ませられるのはしんどいなとも思った。経験上、第一印象の悪い本は、読み終えること...

第1章を読み終えた時、「むむ、この人とは合わんかも」と思ってしまった。自分で言うのも何だが、私は用心深い。最初の章のエピソードは正直、それ、あんたのせいちゃうんか、という読後感だった。この調子のものを読ませられるのはしんどいなとも思った。経験上、第一印象の悪い本は、読み終えることなく途中で挫折する。 ところが、第2章を読み、3章を読み終えるころには、その印象は「この人、凄っ」というものに180度変わっていた。私にしては珍しい。 どんな人であれ、人に言えない過去の一つや二つはある。もちろん、それを文章にして人目にさらすなんてもっての外だ。ただ、文章はいくらでもごまかしが利く。特に本なんてものは、どこかよそ行きの文章、仮面で書かれるものだ。しかし、本書で青山さんは、自分の嫌な面、恥ずかしい過去を、これでもかとさらけ出す。そして、読者はふと気がつく。これは自分の話だ。私も当事者だ。 本書のタイトルにある「当事者」というのは、広い意味で使われている。それは、障害当事者であり、被害当事者であり、加害当事者でもある。そもそも、生きている限り、世の中のことすべてに対し、私たちは当事者である。その単純な真実に本書は改めて気づかせてくれた。

Posted byブクログ

2022/01/25

消費者金融、難聴、ターミナルケア、性暴力などなど、タイトル通り「ほんのちょっと当事者」だったりもっと当事者だったり傍観者だったり。 なかなか直視できないことにも目を向けるきっかけに。 [図書館·初読·8月31日読了]

Posted byブクログ

2020/08/30

当事者とは新聞記事の見出しになるような大きな困りごとを抱える人だけではない。誰もが小さな困りごとを抱えた当事者であり、それを想像し合える社会はきっともっと生きやすい。 過去の自己中心的な思考をもさらけ出した誠実な文章で、キレイゴトではないのが良い。

Posted byブクログ

2020/08/28

タイトルがいいですね。 これを読むと著者と同年代である自分も、ことの大小はあるもののここに書かれた諸問題の「ほんのちょっと」当事者なのかも、と気づかされます。 考えさせられることが多い話ばかりでしたが、語り口はさらっとしており大変読みやすい。 最後の章はかなり泣かされてしまいまし...

タイトルがいいですね。 これを読むと著者と同年代である自分も、ことの大小はあるもののここに書かれた諸問題の「ほんのちょっと」当事者なのかも、と気づかされます。 考えさせられることが多い話ばかりでしたが、語り口はさらっとしており大変読みやすい。 最後の章はかなり泣かされてしまいましたね。 自分も両親の後仕舞いの時のことを思い出し切なくなりました。 このような話には人の数だけの思いと物語があるでしょう。 そういう話をまとめたものなども読んでみたいです。この著者がルポとしてまとめてくれたら、暗くなりすぎることなくひどく辛くなることも少なく読めるものをまとめてくれそうな気がします。 挿画の細川貂々さんの絵もすごく文章と合っていていいです。 各章末のイラストは、内容に合わせて貂々さんが考えたものとのことですが、この章末のイラストを見ることで、章の内容が一層沁みてきます。 本自体の装丁もこの、章に合わせたイラストになっていて内容に興味を惹きやすいものになっていると思います。たくさんの人に読んでいただきたいですね。 勇気づけられる一冊と思います。

Posted byブクログ

2020/08/07

自分がまだ経験していないこと、見て見ぬ振りしている世界を、当事者となった青山さんの体験を通して痛いほど考えさせられた。本当に読んでよかった。 ネットカフェで子どもを産み殺害してしまった女性の裁判の傍聴の記録。 どんだけの苦悩を超えて公にしたのか、セカンドレイプのひどさ。 ...

自分がまだ経験していないこと、見て見ぬ振りしている世界を、当事者となった青山さんの体験を通して痛いほど考えさせられた。本当に読んでよかった。 ネットカフェで子どもを産み殺害してしまった女性の裁判の傍聴の記録。 どんだけの苦悩を超えて公にしたのか、セカンドレイプのひどさ。 親の終末期鎮静。本人がどう受け入れるか。死んで楽になりたいほど苦しいなか、でも死ぬのがどれだけこわいか。家族の辛すぎる苦悩。 など、読んでて辛くなるけれど、今読んでおいてよかったと心から思う。 また、それらの体験を通して抱いた感情をそのまま書いてくださっていたのがありがたかった。 障害者を線引きしている自分に気づいてしまった事。子どもの頃、耳の不自由な友達を面倒な存在に扱ってしまった事、アウシュビッツ強制収容所の番組を見て自分だったらナチスに入ると言ってしまった事。きれいごとだけでなく、そう思ってしまった、こんな事を言ってしまった、あれでよかったのか、というようなことを、きちんと文章に残してくださっていた。(こういうのってうやむやにしてしまった方が楽で、思い出したり考えたりするだけで辛いだろうに。) また、問題に対する解決方法も参考になればと記していて、希望が持てる。 最後にとてもハッとしたこと。つい、辛いことから目を背けたり、他人事としてしまう自分への戒めとして、「自分が暴力に屈するということは、自分の弱さが誰かに対しての暴力に変わるかもしれないということ。」を肝に命じておきたい。

Posted byブクログ

2020/07/26

誰もが接する可能性のある辛いことについて暗くなく書かれている。「自分がされて嫌なことは人にしない。言わない。」というところに思わず線を引いてしまったが、現代の困りごとが凝縮されていた。家族の話は泣けた。排除しない世界にするために、自分ごととして考えることの大切さを学んだ。

Posted byブクログ

2020/07/25

章ごとにテーマとなる一般的な社会問題と、著者自身の個人的な体験をリンクして語ることで読み手に課題を身近に引きつけて感じさせる、コラム要素を内包したエッセイ集です。装丁のイラストやデザインからかなりユルめの内容を想定していましたが、シリアスなトピックも少なくありませんでした。 参...

章ごとにテーマとなる一般的な社会問題と、著者自身の個人的な体験をリンクして語ることで読み手に課題を身近に引きつけて感じさせる、コラム要素を内包したエッセイ集です。装丁のイラストやデザインからかなりユルめの内容を想定していましたが、シリアスなトピックも少なくありませんでした。 参考までに各章が扱う社会問題と著者の経験の概要を列挙します。 1.カードローンと自己破産  →会社員時代の浪費 2.難聴  →遺伝性の耳鳴り 3.乳児遺棄事件と虐待  →(本章だけ取材のみにもとづく。被告が過去に受けた虐待について) 4.性暴力・セクシャルハラスメント  →中学時代のバスケ部顧問と柔道整復師 5.終末期看護  →母の看取り 6.夜尿症  →「おねしょ」と両親の反応 7.障碍者  →小学5年生の頃のクラスメイト 8.派遣労働者  →一度限りの「派遣登録」 9.遺品整理  →父の死 6章にある「無知というのは哀しい」というつぶやきのとおり、ここで扱われるものを含めて多くの問題は知らないこと自体がもたらしている、またはその不幸を大きくするものと思えます。とくに重い筆致で描かれた3~5章がより印象に残っています。 通読することで筆者の家庭の事情(とくに父母との関係)を知ることとなる本書は、私小説的な作品として読める点もその特色といえそうです。

Posted byブクログ