1,800円以上の注文で送料無料

平成怪奇小説傑作集(3) の商品レビュー

4.2

14件のお客様レビュー

  1. 5つ

    6

  2. 4つ

    2

  3. 3つ

    4

  4. 2つ

    0

  5. 1つ

    0

レビューを投稿

2024/06/10

この素晴らしいアンソロジーもとうとう三巻目を読了。さすがに東雅夫氏のセレクション。いずれの書き手も手練れ。帯に「天変地異の時代に幻想と怪奇の精鋭たちが放つ 夢幻慟哭のレクイエム」とあったが、まさしくその通り! 文体の妙に、語り口のすばらしさに、物語の哀切さに何度慟哭(は言い過ぎだ...

この素晴らしいアンソロジーもとうとう三巻目を読了。さすがに東雅夫氏のセレクション。いずれの書き手も手練れ。帯に「天変地異の時代に幻想と怪奇の精鋭たちが放つ 夢幻慟哭のレクイエム」とあったが、まさしくその通り! 文体の妙に、語り口のすばらしさに、物語の哀切さに何度慟哭(は言い過ぎだけれど泣いた)ことか! 時を置いてからまた、第一巻から再読しよう。

Posted byブクログ

2022/07/17

素晴らしいホラーアンソロジー。ホラージャンルの入門にうってつけ。3巻だけ長いこと積んでしまっていたのがもったいなかった。読むべし読むべし。

Posted byブクログ

2021/05/01

このシリーズはひとまず全部読了。既読のはなしもあったが、何れもなかなか読みごたえがある。実話でも有りそうな気がしてくる。幽霊よりも怖いのはそれを作り出してしまう人の心と脳ミソか。

Posted byブクログ

2021/04/27

平成三十年の間に発表されたホラー小説を、東雅夫氏が精選収録したアンソロジーの全三巻。第三巻の今巻は平成二十年の京極夏彦「成人」から平成三十年の澤村伊智「鬼のうみたりければ」までの十五作。 京極夏彦「成人」小野不由美「雨の鈴」は、読んだことがある作品。それでも、背筋に走るゾクゾク...

平成三十年の間に発表されたホラー小説を、東雅夫氏が精選収録したアンソロジーの全三巻。第三巻の今巻は平成二十年の京極夏彦「成人」から平成三十年の澤村伊智「鬼のうみたりければ」までの十五作。 京極夏彦「成人」小野不由美「雨の鈴」は、読んだことがある作品。それでも、背筋に走るゾクゾクは変わらず。いいものは、何時でも何度でも物語へと入り込ませてくれる。恐怖がじわじわと侵食してくるのが、ジャパニーズホラーだと思っているのだが、かつて読んだ記憶があっても、初読のように感じることができたのは、深みにはまってゆくことが認知できているからだろう。 高原英里「グレー・グレー」。なぜか死人がゾンビ化してしまうようになってしまった世界を過ごす恋人たち。終末を迎えつつある世界と、恋人二人の関係。 非日常へと変化してしまった日常の中で、異常であると理解しながら、かつての日常を、それに少しでも近づけるように過ごそうとする恋人が、脆さの中の綺麗さを感じさせるか。破滅へと進むことを拒絶するでなく、少しでもその瞬間を遠ざけようとする。逃避とも感じるのだけども、それが綺麗だった。 大濱普美子「盂蘭盆会」。人が抱える精神の多面性が恐ろしく思う。 最後の場面は拍子抜けしたのだが、それはホラーということで復讐や慚愧の場面で終わるのか、と予想していたから。心の中に何を抱えていても、どんな形のものを抱えていても、一日一日を繰り返してゆくだけ。見てはいけないものを見た、という恐怖はあるが、それ以上にこれは誰にでもあり得る心象風景なのだ、という感覚が恐ろしい。 澤村伊智「鬼のうみたりければ」。怪異に侵食されて崩壊してゆく日常。この状況、現象は異常な事態だと感じていながらも、そこに対応し順応して、縋ってしまいなくてはならないものになってしまっていったのが、恐怖を感じる。 物語の語り手が平常を保とうとしているが、既に崩壊していたと気づいた時が、一番の山場。聞き手の人物と、読み手の自分との感情が共振するあの場面はいかん。 心に残った作品の感想を思いつくままに。

Posted byブクログ

2021/03/02

【収録作品】「成人」 京極 夏彦/「グレー・グレー」 高原 英理/「盂蘭盆会」 大濱 普美子/「 【コオロギ】橋」 木内 昇/「天神坂」 有栖川 有栖/「さるの湯」 高橋 克彦/「風天孔参り」 恒川 光太郎/「雨の鈴」 小野 不由美/「アイデンティティ」 藤野 可織/「江の島心中...

【収録作品】「成人」 京極 夏彦/「グレー・グレー」 高原 英理/「盂蘭盆会」 大濱 普美子/「 【コオロギ】橋」 木内 昇/「天神坂」 有栖川 有栖/「さるの湯」 高橋 克彦/「風天孔参り」 恒川 光太郎/「雨の鈴」 小野 不由美/「アイデンティティ」 藤野 可織/「江の島心中」 小島 水青/「深夜百太郎-十四太郎、十六太郎、三十六太郎-」 舞城 王太郎/「修那羅」  諏訪 哲史/「みどりの吐息」 宇佐美 まこと/「海にまつわるもの」 黒 史郎/「鬼のうみたりければ」 澤村 伊智

Posted byブクログ

2020/09/22

ホラーアンソロジー。再読の作品も多いけれど、どれをとってもたしかに傑作。怖いばかりではなく、切なかったり、少し温かな雰囲気を感じさせられるものもあります。 小野不由美「雨の鈴」が一番好きな話。何度読んでも恐ろしくて仕方がないのだけれど、この物語の主人公と同じく、どうしようもない悲...

ホラーアンソロジー。再読の作品も多いけれど、どれをとってもたしかに傑作。怖いばかりではなく、切なかったり、少し温かな雰囲気を感じさせられるものもあります。 小野不由美「雨の鈴」が一番好きな話。何度読んでも恐ろしくて仕方がないのだけれど、この物語の主人公と同じく、どうしようもない悲しさ切なさもおぼえてしまいます。どういう由来のあるものだったのか、いろいろ考えたくなってしまいますし。 藤野可織「アイデンティティ」はなんだか愉快な一作。「猿です」「鮭です」でもう笑いがこみ上げました。実際にあるあれがどれだけアイデンティティに揺らいで悩んでいたのかだなんて、思いもよりません(笑)。シュールでコミカルな読み心地がたまらない一作です。 舞城王太郎「深夜百太郎」がこれぞホラー、という感じなのだけれど。これ、本の存在もチェックから漏れていたので。買って読まなければ、という気になりました。

Posted byブクログ

2020/08/18

平成怪奇小説傑作選第3巻。平成20~30年の作品を収録。最終巻です。 既読は有栖川有栖「天神坂」小野不由美「雨の鈴」だけでした。2の方が既読作品が多かったな。「天神坂」がシリーズものの一環だとは知らなかった。濱地健三郎の短編集も読んでみたい。(こうして読みたいリストが増えてゆく…...

平成怪奇小説傑作選第3巻。平成20~30年の作品を収録。最終巻です。 既読は有栖川有栖「天神坂」小野不由美「雨の鈴」だけでした。2の方が既読作品が多かったな。「天神坂」がシリーズものの一環だとは知らなかった。濱地健三郎の短編集も読んでみたい。(こうして読みたいリストが増えてゆく……) 今回は、怪奇よりも幻想的な作品が多かった印象です。雨とか海とか、水にまつわる話が多かったような? 初読のものでは、木内昇「こおろぎ橋」小島水青「江ノ島心中」がお気に入りです。 宇佐美まこと「みどりの吐息」も好き。Coccoの「幸わせの小道」という曲を思い出しました。 舞城王太郎「深夜百太郎」作者の名前は知ってたけど、初めて読みました。うわああああとかバアアアッとかギイイイイイとか、ラノベっぽい?ので、収録作品の中で異色な感じがしました。ラノベも平成小説史には欠かせない要素ですね。Twitterに投稿されたものというのもまた異色。「横内さん」が怖かった。 怪奇小説と共に平成30年を振り返ることができる、良いアンソロでした。

Posted byブクログ

2020/05/10

面白かった。 震災にまつわるものや人情系が多かったようにおもう。 すでに読んだことがあるのもあったけど特に好きだったのは、 『成人』 『蛼橋』 『さるの湯』 『深夜百太郎』 『海にまつわるもの』 『鬼のうみたりければ』

Posted byブクログ

2020/01/26

自分の好みに合うと感じているアンソロジスト選、平成後半となると読んだ記憶がまだ新しくて、面白みが欠けちゃうな

Posted byブクログ

2020/01/22

本来、生者であるべき語り手や登場人物が実は…という類型が前半までにいくつか続き、編者の遊び心かな、などと思いを馳せはしたが、正直そこまで盛り上がらず。 が、中盤以降で勢いが俄然増していき、傑作集の名にふさわしい名短編の連続に嘆息し、残りページが減っていく様に寂しさを覚えていった。...

本来、生者であるべき語り手や登場人物が実は…という類型が前半までにいくつか続き、編者の遊び心かな、などと思いを馳せはしたが、正直そこまで盛り上がらず。 が、中盤以降で勢いが俄然増していき、傑作集の名にふさわしい名短編の連続に嘆息し、残りページが減っていく様に寂しさを覚えていった。 「風の古道」をほんのり彷彿とさせる恒川光太郎氏の「風天孔参り」、一見ふざけ過ぎのようでありつつ文学性をも備えた藤野可織氏の「アイデンティティ」、こっちの才能も凄いのかと脱帽させられた舞城王太郎氏の「深夜百太郎」、山奥を舞台とし民俗ホラーの雰囲気たっぷりの諏訪哲史氏の「修那羅」に宇佐美まこと氏の「みどりの吐息」(こちらは展開が相当強引ではあるけれども笑)、そしてまさしく平成30年間の掉尾を飾るにふさわしい澤村伊智氏の「鬼のうみたりければ」…、東雅夫氏、渾身の選と言っていいだろう。

Posted byブクログ