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パリのアパルトマン の商品レビュー

3.8

33件のお客様レビュー

  1. 5つ

    6

  2. 4つ

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  3. 3つ

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2024/04/14
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

かたや傷心の元刑事マデリンは自分の心を癒すため、かたや人間嫌いの劇作家ガスパールは作品執筆を目的とした缶詰になるために、レンタル物件のパリのアパルトマンを手配した。 契約サイトの不具合によりダブルブッキングされてしまった2人。 予想以上に心地よさそうな住まいに、両者自らの権利を譲らずのっけからぶつかり合う。 そこは1年前に他界した天才画家ショーン・ローレンツの元アトリエだった。 マデリンは苦情を言いに行った物件オーナーから、ガスパールはアパルトマンに配されたローレンツの伝記から、その天才画家の来歴と見舞われた悲劇、凋落を知る。 晩年は全く筆を取らなくなったというローレンツだが、亡くなる直前の本人談では遺作があるとの話。 仮住まいに魅せられた2人は、本来の目的そっちのけ、いくつもの衝突を起こしながら元住人の遺作探しに奔走する。 絵画とミステリ。 時折取り上げられる組合せで非常に相性の良い組合せだと思う。 他に類を見ない天性だったり、悲運な生涯の末残された名作達とその謎というのは読者を惹きつける。 また、その謎の料理の仕方は著者により様々で色が出て面白い。 『ブルックリンの少女』もそうだったが、あっちいったりこっちいったり忙しい展開。 主人公達の負う過去の心の傷だったり、ときに感情を押さえきれない立ち振る舞いだったりも起伏が多くエンタメ性高い作風。 自分的には、事件に巻き込まれた訳でもなく、司法関係者な訳でもない2人がなぜそれほどまで遺作探し、そしてその先で見えてきたもうひとつの謎にのめり込み、無謀とも思える行動をとるのか共感できず、途中からややしらけぎみだったのだが、最終盤に盛り返す。 これまた『ブルックリンの少女』でもそうだったのだが、物語の畳み方が美しい。 著者の真骨頂なのだろうか。 フランスの作家だが、本国ではピエール・ルメートルの人気を凌ぐともいう。 日本での知名度はまだそこまでではないような。

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2024/04/14

ミュッソ二冊目 いつもニューヨーク出てくるなと思ったら 19歳のころにアメリカにあこがれてNYCに滞在したらしい(フランス人でアメリカ好きって珍しいわね?) 最後はお決まりのどんでん返し 結構だらだらと読んでしまったけど(長くて密度が高い気がする)、なかなか辛い話だったな。 ミ...

ミュッソ二冊目 いつもニューヨーク出てくるなと思ったら 19歳のころにアメリカにあこがれてNYCに滞在したらしい(フランス人でアメリカ好きって珍しいわね?) 最後はお決まりのどんでん返し 結構だらだらと読んでしまったけど(長くて密度が高い気がする)、なかなか辛い話だったな。 ミュッソの作品はTVシリーズとかに向いていると思う "ニューヨーク州のセネカ湖"と本文に出てきてちょっと感動した。 なんでまたSenecaなんだろう

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2023/09/06

フランスの作家ギヨーム・ミュッソの長篇ミステリ作品『パリのアパルトマン(原題:Un appartement a Paris)』を読みました。 『ブルックリンの少女』に続き、ギヨーム・ミュッソの作品です。 -----story------------- 【フランスで160万部突破...

フランスの作家ギヨーム・ミュッソの長篇ミステリ作品『パリのアパルトマン(原題:Un appartement a Paris)』を読みました。 『ブルックリンの少女』に続き、ギヨーム・ミュッソの作品です。 -----story------------- 【フランスで160万部突破の大ベストセラー日本上陸!】 【急死した天才画家が遺作に託した驚愕の真実とは!?『ブルックリンの少女』の著者ギヨーム・ミュッソが放つ待望の新作ミステリー!】 それぞれ別の目的でパリにやってきた元刑事のマデリンと人気劇作家のガスパール。 マデリンは傷心を癒すため、人間嫌いのガスパールは執筆で缶詰になるため。 この他人同士の男女は偶然、同じ不動産レンタルサイトで一件家を予約するが、当日にダブルブッキングが判明。反りの合わない2人は互いに一歩も譲らない。 だが、当の家が1年前にニューヨークで急死した天才画家ショーン・ローレンツの元アトリエと知ると、彼らは次第に画家とその作品に惹かれていき、未発見の遺作3点が存在するという情報を得て行方を探し始めるが……。 絵に隠された秘密に導かれて突き進む2人を待ち受けていた、誰にも予想できない衝撃の真実とは!? ----------------------- 2017年(平成29年)に刊行された作品です。 クリスマス間近のパリ、急死した天才画家の家で偶然出会った一組の男女… イギリス人で元刑事のマデリン・グリーンとアメリカ人で人気劇作家のガスパール・クタンスは、天才画家ショーン・ローレンツが死の直前に描いたとされる未発見の遺作3点を一緒に探しはじめる、、、 その捜索はやがて、画家を襲った悲劇の謎を探る旅へと変わり… 絵に隠された秘密に導かれて突き進む二人を待ち受けていた、予想外の真相とは!? フランスNo.1作家が放つ話題の傑作ミステリー。 複雑な過去を抱える男女がアパルトマンの予約をダブルブッキングされてしまう… パリで独り静かに過ごしたかった2人は当初反目し合うが、お互いの事情を知るにつれて というロマンス小説のようなオープニングから、、、 そのアパルトマンをアトリエとして利用していた天才画家の「謎」もまたクローズアップされ、意外な展開が次から次へと繰り出され、2人はアメリカで発生した子どもをターゲットとした連続誘拐殺人事件の真相を究明することに… そして、遂に2人は真実に辿り着く。 いやぁ、面白かったですねー 家族の物語としてハッピーエンドを迎える感動的な展開も良かった… 映画化することを意識して描かれたような印象のエンターテイメント作品でしたね、、、 ちょっーと気になったのは元刑事マデリンの性格かなー キレ過ぎですよね… 悪いキャラじゃないんですけどね。 『ブルックリンの少女』に登場した人物や場所が出てくるので、続けて読んで良かったです… 機会があれば、ギヨーム・ミュッソの他の作品も読んでみたいな。

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2023/05/06

ニューヨークの有名な劇作家ガスパールは新しい脚本の執筆のためにパリの一軒家を借りた。 ロンドンの元刑事マデリンは仕事に疲れ果て、 休養のためにパリの一軒家を借りた。そこは亡き新鋭画家ローレンツの家で、ゆったりと洒落ていた。 エージェントのミスによって2人は同時期に同じ家をダブル...

ニューヨークの有名な劇作家ガスパールは新しい脚本の執筆のためにパリの一軒家を借りた。 ロンドンの元刑事マデリンは仕事に疲れ果て、 休養のためにパリの一軒家を借りた。そこは亡き新鋭画家ローレンツの家で、ゆったりと洒落ていた。 エージェントのミスによって2人は同時期に同じ家をダブルブッキングされてしまった。マデリンが元警察官と知った家主で美術商のベネディクトは、行方不明になったローレンツの3枚の絵を探してほしいと依頼してきた。 マデリンとガスパールは喧嘩しながらも捜査に乗り出すが…画家とその一家の凄惨な事実が暴き出される。 ーーーーーーーーーーーーーーーー マデリンは鼻っ柱が強い肝の座った女、対してガスパールは厭世的でその上少々厚かましい男。厚かましいのだけど、何故か人に受け入れられる不思議な魅力も兼ね供えている。 作中、悪魔の心を持って生まれて来る人間が出てくる。悪魔の心であっても表向きは誰もが真面目で良い人だと言われている。悪魔の顔が最も現れやすい場所は、おそらく家庭なんじゃないかな? それと作中のある男性が、自分に暴力を奮っていた父親よりも、自分を見捨てた母親を強く恨んでいる…という件は気持ちが重くなってしまった。多くの子どもも世間も、母親という存在に多くを求めすぎているんじゃないか?! 一母親としてやりきれない気分になった。

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2023/02/06

私がこの本を読もうとしたのは、以前読んだ「ブルックリンの少女」が面白かったからです。それで他の作品も読んでみたくて手に取りました。 前半は原田マハさんの「楽園のカンヴァス」が頭に浮かびました。二人の主人公マデリン、ガスパールが画家ローレンツの遺作の3枚の絵を求めて謎を解いていき...

私がこの本を読もうとしたのは、以前読んだ「ブルックリンの少女」が面白かったからです。それで他の作品も読んでみたくて手に取りました。 前半は原田マハさんの「楽園のカンヴァス」が頭に浮かびました。二人の主人公マデリン、ガスパールが画家ローレンツの遺作の3枚の絵を求めて謎を解いていきます。それがルソーの謎に迫っていくというのに似てると思いました。マデリンとガスパールは3枚の絵の為に犯罪をいくつか犯してます。これに関してはどうなるのか?本当だったら捕まってしまうと思うんだけど、ちょうどクリスマスの時期だったからうやむやになってしまったのか?そこが気になってしょうがなかったです。 後半になると今度は映画の「奇跡のシンフォニー」が頭に浮かびました。設定は全く違うけど、亡くなっていると思ってた子供を探すというのは一緒です。私は、2つの作品「楽園のカンヴァス」と「奇跡のシンフォニー」が合体したような話で感動で終わるのかと思ってました。そして、いまいちだなとも。ところが、残り1/3になったところで話の方向が変わってきて、あれ?今までと違うってなり続きが気になってしょうがなかったです。 読み終えて、そうきましたかー、が正直な感想です。いまいちは撤回で、久しぶりにどんでん返しの物語を読んだ感じです。あと、真保裕一さんの「ボーダーライン」や貴志祐介さんの「悪の教典」が頭に浮かびました。人間の生まれ持った性質というのはどうにもできないんだなーって思い、そこが怖かったです。 マデリン、ガスパールは心に傷を抱えていて、荒んでいたけど、ローレンツの絵、アトリエを見て心の傷が癒えました。ガスパールに関して言えば、完璧な世捨て人だったのに、それが今ではスマホ(当初はスマホを持ってなかった)を駆使するまでになりました。そんな2人に影響を与えたローレンツの絵ってどんなにすごいか興味を持ちました。観てみたいと思ってもこれは物語の中の出来事だから、実際に観れないのが残念です。  最初にこの本を読もうと思ってから3〜4年経ってしまったけど、やっと読めてよかったです。「ブルックリンの少女」を読んだ時も思った事なんだけど、ギョーム・ミュッソさんの作品は物語を読むという感じではなく、映画を観るって感じになります。翻訳者の技量もあるのかな?なんて思いました。

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2022/08/01

パリのアパルトマンにダブルブッキングしてしまった、厭世的なアメリカ人脚本家と野心的な元刑事イギリス人。亡くなった画家の遺作を探すという環境設定が原田マハっぽい。 翻訳が合わないのか、主人公2人のキャラクターが合わないのか、全体的に斜め読みになってしまった。途中から少し集中出来た...

パリのアパルトマンにダブルブッキングしてしまった、厭世的なアメリカ人脚本家と野心的な元刑事イギリス人。亡くなった画家の遺作を探すという環境設定が原田マハっぽい。 翻訳が合わないのか、主人公2人のキャラクターが合わないのか、全体的に斜め読みになってしまった。途中から少し集中出来たし、終盤の展開はワクワクした時もあったけど、最後でガッカリ。 まさかのマハ展開(都合が良い)だった。海外だとラストの助け方は現実的に可能なのかな。日本だと無理だから、余計にマハ展開に思ったのかもしれない。 表紙が良かったからプラス1点

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2022/06/28
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

「ブルックリンの少女」でも感じたことだが、あまりにご都合主義が過ぎるというか、ちょっとリアルとかけ離れた部分がさらにエスカレートして目に付く印象…。 具体的に1つずつ言及していくのもアレではあるが、登場人物の言動や捜査当局の能力等に関する描写に関して、腑に落ちぬところが多過ぎる。 当時の状況下で、どうしてジュリアンが”死亡”と断定されるのか理解できないし、また、主人公2人の数々の悪行が司直の目と手を逃れ切ることはあり得ないだろう…。 ストーリーテラーとして手練れであることは間違いないので、ページをめくること自体が退屈になることはないし、大味なエンタメとして、映像化等には適した作品かとは思う。

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2022/01/27

これもまたフォローしているレビュアーさん達のレビューを見て気になって読んでみた作品。 クリスマス間近のパリにやって来た劇作家ガスパールと元刑事のマデリン。 出会うはずのない二人がダブルブッキングにより同じ家を借りることになってしまうことから物語がスタート。 まるでラブコメのよう...

これもまたフォローしているレビュアーさん達のレビューを見て気になって読んでみた作品。 クリスマス間近のパリにやって来た劇作家ガスパールと元刑事のマデリン。 出会うはずのない二人がダブルブッキングにより同じ家を借りることになってしまうことから物語がスタート。 まるでラブコメのような設定だが、レビュアーさん達が恋愛ものではないと書いてあったので安心して読み進める。 確かに恋愛ものではない。というより、こういう激しすぎる性格の二人じゃ無理。とにかく最初から最後まで喧嘩、それも殴り合い(いや一方的にマデリンが殴っているのだが)を繰り返す。 『フランスNo.1作家が放つ話題の傑作ミステリー』と銘打つだけに、ミステリーとしてサスペンスとしては面白かった。 問題のレンタルハウスは一年前に急死した天才画家ショーンが遺した家なのだが、マデリンが元刑事だと知ったショーン担当の美術商から、ショーンが死の直前に描いた(はず)という三枚の絵を見つけてくれと頼まれることがミステリーとしての発端。 てっきりショーンの人生を掘り返していくことで最終的に三枚の絵が見つかる宝探し的な話なのかと思っていたら、割と早い段階で絵は見つかる。 だがこの絵にショーンのダイイングメッセージとも受け取れる奇妙な言葉が書かれていることが分かり、さらなる謎が深まっていく。 実はショーンの死(ネタバレにはならないので明かすがこちらは病死で事件性はない)のさらに一年前に、ショーンの一人息子の誘拐殺人事件が起きていたことが分かり、その事件はさらなる謎と事件に絡んでいて…と底なし沼状態。 物語の舞台はタイトルのような狭い場所ではなく、パリ、マドリード、ニューヨークへと移る。 この事件をマデリン、ガスパールそれぞれが分担して調査していくのだが、何しろ二人とも心身ともに傷と闇を抱えている上に先に書いたように衝突してばかりなのでスムーズにはいかない。 だがこの事件調査も悪いことばかりではない。 人間嫌いで普段は山中に引きこもって暮らしていてネットもやらないスマホも持たないガスパールの方が終盤近くまで前のめりで、見た目も考え方も変貌していく。 マデリンの方は刑事時代のトラウマもあって三枚の絵を見つけた事件で区切りを付けたかったのだが、ガスパールに引きずられるように調査するうちに、だんだんと調子が出てくる。 事件の謎はどんどん深まるばかりで、特に子供が犠牲になる話はつらいばかりなのだが、先が気になって仕方ない。 ページが残り少なくなるにつれ嫌な想像しか出来なかったので、二人が最終的に何を見つけるのかドキドキしながら読み進めたが、この結末には驚いた。 作品を通して様々な親子関係を見せてもらった。一筋縄ではいかない、他人には想像出来ない複雑な感情もある。 ただ、ショーンは天才画家らしく周囲を振り回し翻弄することも多かったが、親としては懸命で必死だったのだなと思った。 ミステリーやサスペンスとしては面白かったが、主人公二人のキャラクターが私にはなかなかきつかった。特に簡単に手を出すマデリンは怖い。 読みながらマデリンの刑事時代の話があるのかなと思ったら、やはり出ているらしい。残念ながら翻訳版はないらしいのでそのうち出してくれるだろうか。だがその話も相当精神的に辛そうだ。何しろマデリンをこんなキャラクターにしてしまった発端なのだから。

Posted byブクログ

2022/01/14

心身共に疲れ切った元刑事の女性と、人間嫌いの劇作家が、手違いで同じ一軒家に暮らすことに… ラブコメにもなりそうな設定ですが家に住んでいた「天才芸術家の死と謎」が絡み、謎を通して二人それぞれが抱える問題へと対峙していく… パズルというより何層も違う絵が重なっているような印象でした...

心身共に疲れ切った元刑事の女性と、人間嫌いの劇作家が、手違いで同じ一軒家に暮らすことに… ラブコメにもなりそうな設定ですが家に住んでいた「天才芸術家の死と謎」が絡み、謎を通して二人それぞれが抱える問題へと対峙していく… パズルというより何層も違う絵が重なっているような印象でした。 「お試しミュッソ」感覚で気軽に読み始めたら最後に見えた画に心揺さぶられてしまった。

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2021/11/19
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

心身ともにボロボロの元女刑事と、アルコール中毒で人間嫌いの中年劇作家が、不動産屋のミスで一つ屋根の下、パリのアパルトマンで鉢合わせ。オシャレな恋愛ミステリかと思っていたら全然違った(笑)。そのアパルトマンにかつて住んでいた天才画家ショーン・ローレンツが残した幻の作品にまつわるミステリかと思っていたら、これも微妙に違っていて中盤あたりであっさり見つかる。そこから一気に、実は画家の一人息子ジュリアンが生きているのでは?と話の展開が変わっていく。話が二転三転と変わっていく中で、とにかく劇作家のガスパールの言動と行動が酷い。よく最後、ハッピーエンドになったものだ。でもハッピーエンドは心地よい。まるでアクションのないダイハードみたいなクリスマスストーリーだった。

Posted byブクログ