かか の商品レビュー
最初の一文、「そいはするんとうーちゃんの白いゆびのあいだを抜けてゆきました。」からして頭に入るのに少し時間がかかりました。 独特の雰囲気のある言葉づかいで、作者の世界を築いています。 この感性にはついていけませんでした。 でも、次作がどうなるかは楽しみです。
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母親と皮膚がつながってるように感じていた娘が胸のうちを絞り出すような内容だった。こういう、ぐちゃぐちゃになった家族の話を読むと、改めて自分の足元を見つめられるようになれて良い。表紙をめくっても赤、しおりも赤で、本作に繰り返し出てくる経血や生まれてくる時に誰しもが浴びる血潮、かかの...
母親と皮膚がつながってるように感じていた娘が胸のうちを絞り出すような内容だった。こういう、ぐちゃぐちゃになった家族の話を読むと、改めて自分の足元を見つめられるようになれて良い。表紙をめくっても赤、しおりも赤で、本作に繰り返し出てくる経血や生まれてくる時に誰しもが浴びる血潮、かかの自傷による血などなどのイメージと一致する。みっくんという弟に独特の口調で独白する形で物語が進んだが、女流文学(古い言葉かもしれないが)感があった。この作者が今後はどんな話を書き続けるのか分からない。
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言葉そのものが伝える力はすごい、と思った。自分の言葉をもつ、ということは、いろんなことやものから身を守れるかもしれない、とも。誰かに聴いてほしい、と訴えるような、歌をうたっているような。そんなふうに読んだ。
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いろいろあってやっと読了。 圧倒的。文体もテンポも浮かぶ色彩も沸き立つ感情も、そのすべてが心のずっとずっと奥底から引っ張り出されるような感覚。 よくも悪しくも引きずります。
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