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壁の男 の商品レビュー

4.1

42件のお客様レビュー

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2020/07/25

田舎の住宅街で話題となった、壁や塀に描かれた原色の絵。住民たちの壁や塀に、彼はなぜこのような絵を描いたのか。 貫井さんの本だからミステリー的な動機を探る物語として読み進めたのだが、途中からそこはあまり重要でなくなってくる。彼が絵を描こうとする背景、彼の人生が愛に満ちていたことに感...

田舎の住宅街で話題となった、壁や塀に描かれた原色の絵。住民たちの壁や塀に、彼はなぜこのような絵を描いたのか。 貫井さんの本だからミステリー的な動機を探る物語として読み進めたのだが、途中からそこはあまり重要でなくなってくる。彼が絵を描こうとする背景、彼の人生が愛に満ちていたことに感動してしまった。最終的に彼の動機は語られるのだが、真相がわかってスッキリするよりも、あぁあの行動はこんな事実が背景にあったのかと感動を味わっていた。温かくそして悲しい物語だ。ミステリーよりも家族愛の物語だ。

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2020/05/24

感動。 子供が癌になるシーンは泣いた。 構成の仕方も面白いし、いい話って感じだった。 うん、最後もジーンと来るし、いい本だ。

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2020/04/25
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初めて読書中に泣いた。どうしても抗えない事実・現実と、その事実・現実から立ち上がる しなやかな人が描かれていた。想像し辛いだけで、一人ひとり 言動には理由・背景がある。それを改めて教えてくれた作品だった。

Posted byブクログ

2020/03/23
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

3/22読了。 中々面白い構成だった。壁に絵を描くだけでこんないろんな物語が背景にできあがるのすごい 稚拙な絵って想像しながら読んだけどやっぱりそんな伝染的にみんな魅力されていくのはちょっと納得できんというか、雑貨屋の友達の壁に大きく目立つように描いたのが1番意味があった気がする。 美術の先生のお母さんと絵の上手い友達の嫉妬を経て今は下手といわれようが描くこと自体を楽しめるようになった、いろんな経験もし環境も変化した。 最後なぜ急に下請け工場の人とのやり取りのシーン、すごく突然に感じたけど病気で亡くした笑里ちゃんは引き取ってあげたってことか

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2020/02/14

フーン。時系列バラバラで、話の回し手がコロコロ変わるし、すんなりと頭に入ってこん本やったなぁ。もっと素直に書いたらええんちゃうのん。でもそうするとミステリーでなくなるし、読者を驚かすどんでん返しも出来ないか? 最近の貫井君、暗い重たい話が多いなあ。

Posted byブクログ

2021/01/13

ヒューマンドラマも構成次第でミステリーになり得るのは目から鱗だった。実に感動的なエンディングではあるが、悲劇的なエピソードを積み上げ過ぎた所為で物語の奥行きは狭く、男が絵を描き始めた動機と要因の密接度も低いので、所謂【感動モノ】に仕立て上げるにはこのミステリー仕立ての構成が些か裏...

ヒューマンドラマも構成次第でミステリーになり得るのは目から鱗だった。実に感動的なエンディングではあるが、悲劇的なエピソードを積み上げ過ぎた所為で物語の奥行きは狭く、男が絵を描き始めた動機と要因の密接度も低いので、所謂【感動モノ】に仕立て上げるにはこのミステリー仕立ての構成が些か裏目に出てしまった印象。著者従来の陰鬱な作風から『男の内面には一体どの様な狂気が潜んでいるのか?』と身構えてしまったが故の拍子抜け感も若干ある。先入観と色眼鏡を一度外して読むべき作品かと。伊苅氏の近年が比較的平穏なことが今作の救い。

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2020/02/02

一言で言ってしまうと、一人の男性の人生を時系列とは逆に書いているのだけど、この物語の展開の仕方が新鮮でおもしろい。

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2020/01/07

貫井徳郎の作風は重くて暗く後味も良いとは言えない。設定は極めて現実的で、犯行動機を生んだ背景をつまびらかにされる下りでは身につまされ、そのあたりがイヤミス作家のひとりに数えられている。本書も然りで、ぐいぐい引き込まれ没入してしまった。 ある北関東の寂れた小さな町の家々の壁に描か...

貫井徳郎の作風は重くて暗く後味も良いとは言えない。設定は極めて現実的で、犯行動機を生んだ背景をつまびらかにされる下りでは身につまされ、そのあたりがイヤミス作家のひとりに数えられている。本書も然りで、ぐいぐい引き込まれ没入してしまった。 ある北関東の寂れた小さな町の家々の壁に描かれた幼い子どもの落書きのように力強く、原色で彩られた平面的な奇妙な絵が描かれている一角がある。それはSNSで拡散され、一目見たさに見物客が押し寄せ、町は活気づく。 それを知ったノンフィクションライターの〈私〉は導かれるように現地に向かう。町中に描かれた絵を目の当たりにして息を飲む。一体誰が描いたのか?地域住民はこんな絵を描くことをなぜ許したのか?様々な疑問が渦巻く中、描いたのはその町に住む寡黙なひとりの男だと知る。昂る関心を押し殺し、執拗に取材を試みるも男は頑として語らず、途方に暮れつつも周辺取材を重ねていく。 当初、彼が町の人に稚拙な絵と嘲笑されながらもなぜ描き続けたのか、青春期の懊悩と両親との関係、町を出て上京、ひとりの女性と出会いと結婚と裏切り、友情の突然の破綻等が、伏せたカードを1枚ずつめくっていくように孤独な男の半生と隠された真実が徐々に明らかにされていく。 ラストにはミステリーにしばしば使われる「最後の一撃」が用意され、あゝあれは伏線だったのかと気づかされたと同時に回収され、またそれは読み手の「思い込み」だったことにも気づき、男が奇妙な絵を描くことになった動機が提示されて終わる。その読後感は、あまりに切なく、生き抜くことの大事さ尊さを考えさせられる。 貫井作品だけに、今回はどんな凶行が企てられているのかという期待と固定概念を見事に裏切られた異色の一冊。人は殺されることなく、トリックもなく、謎解きの探偵役の活躍もなく、ひとりの男の数奇な半生を描き切る。 緻密な構成と周到に配置されている伏線の張り方に圧倒され、小説家の頭の中を覗き込めるものなら覗きたいと思わされた一冊。

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2019/12/31

淡々と物語が進み、徐々に壁に絵を描く男の人生が明らかにされていく。 しかしそれは困難ではあるが、聞いたことのあるような困難。 そこでわ最期の真相。 それがこれまで読んできた物語に全く異なるスパイスが加わる。 味わい深い作品。

Posted byブクログ

2019/12/18

読みはじめの頃は「壁に絵を描くおかしな男の話」かと思っていました。理解しがたい芸術の話かな~と。 読み進めていく内に、ただ悲しく、わたしには辛かったです。

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