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壁の男 の商品レビュー

4.1

42件のお客様レビュー

  1. 5つ

    15

  2. 4つ

    16

  3. 3つ

    6

  4. 2つ

    1

  5. 1つ

    1

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2022/11/26
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

才能の有無で人の価値は決まらない。 絵の才能がある母が言うことはきっと正しい。 たどそれを真実として自分の中に持って生きられるほどまだ自分はこの考えに納得はできない。誰よりも才能が欲しいから。 ただ父の劣等感もよくわかる。 だからこの嫌悪感はきっと同族嫌悪なんだと思う。 笑里ちゃんのとこはただひたすらに辛かった。 生々しく、でも淡々と残酷に進んでいく時間。 伊刈を抱きしめてあげたい。 と思ってたら親父は弱さを一応認められる人だったし、謝れる人だった。でも本質はなかなか変わらない。 澤谷の子どもの名前は笑里。 なんかここらでわかった気がする。 だからえりなはえみちゃん、っていう若干距離のある呼び方してたし、家出てくなんてことをすぐに決められたのか。 絵を描いたのは、女の子の絵を描いたのはそう言うことだったのか。色んな人と関わってきた伊刈の人生だけど、その中でも重要な母、笑里、りえなのどれかかと思っていたけど、結局美里だったのか。 でも街に描いたのは違うのかな? いずれにせよノンフィクションライターと同じで、 伊刈への興味がなくなることなく、かつ、これだけ人生を見せてもらってもわからないことは多いんだなと。人一人の人生を見せてもらった感覚。

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2022/10/06

初めてと、2度目からでは物語の印象がガラッと変わる。大どんでん返しってわけではないのかもしれないけど、少しずつ真相が明らかになっていくうちに、伊狩の懐の深さと人間味がわかってきて、一緒に人生を歩んでいる気分になった。 あとは、子を持つ親として、読んでてとっても辛かった。読み終わっ...

初めてと、2度目からでは物語の印象がガラッと変わる。大どんでん返しってわけではないのかもしれないけど、少しずつ真相が明らかになっていくうちに、伊狩の懐の深さと人間味がわかってきて、一緒に人生を歩んでいる気分になった。 あとは、子を持つ親として、読んでてとっても辛かった。読み終わって思うのは、一人の人間の歴史の深いこと。。「感動」の一言だけでは表せない。

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2022/04/20

小さな田舎町で自分の家の壁に絵を描く伊苅。 しかも、その絵は幼い子供が描くような下手な絵。 どうしてそんな絵を描き続けるのか… その理由が深い。 2022.4.20

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2022/03/12

集落の壁に奇抜な絵を描き続ける男の話。 章を読み進めるたびに主人公が壁に絵を描く謎が解明されていくので夢中で読んでしまった。 特に「人と人との間にわだかまりを作るのは才能の有無ではなく、劣等感」という箇所があるのだが、伊刈が人生において抱えている罪悪感のかたまりを表していると...

集落の壁に奇抜な絵を描き続ける男の話。 章を読み進めるたびに主人公が壁に絵を描く謎が解明されていくので夢中で読んでしまった。 特に「人と人との間にわだかまりを作るのは才能の有無ではなく、劣等感」という箇所があるのだが、伊刈が人生において抱えている罪悪感のかたまりを表していると思う。 病気や離婚など暗い話ではあるが、読み終わりはなぜか心に温かみを感じる話。

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2022/02/28

凄く良かった。 章が進む度に伏線が回収され、最後に全てが腑に落ちる。人間の感情のあらゆる部分が繊細かつ丁寧に描かれていて、主人公の人柄がとても愛おしく感じた。 ⭐︎を5つ付けたかったが、あまりにも悲しく辛い主人公の半生だったので4つにした。

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2021/12/08

切ない。読んでいて辛かった。 人って色々抱えてるのかな。 人間の価値について久々に感がさせられた。 才能の有無ではなく何をしたのか。 とても深い悲しみを抱えて、ひたすらヘタクソな絵を描く伊刈が胸に刺さる。  家族のことを改めて大切にしようと思った。 ありがとう。

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2021/10/31
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

伊苅がどうして、小さな集落の家屋に稚拙で奇妙な絵を描き続けたのか、どうして金銭の見返りも求めないのか、どうしてその稚拙な絵が多くの人の胸を打つのか、言葉に表すとなんだか嘘っぽくなるけれど、その根っこにある大きな愛情と悲しみが胸を打った。 各章に渡ってこれまでの伊苅の歩みや選択、彼を取り巻く人々が時系列バラバラに描かれるのだけど、そのちょっとした違和感がどんどん後の章で明らかになり、深いヒューマンドラマとミステリが組み合わさったような読みごごちだった。

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2021/04/18

2021.04.18.読了 時間の無駄。 妻、梨絵子の人格形成やその母親についての設定があまりに安易でバカバカしい。 友人夫婦の生い立ち、死因、も取ってつけた様でいただけない。 まず、読み始めてすぐこれは面白い展開にはならないでしょ。。。と感じ、そこから読むのが軽い苦痛になった。...

2021.04.18.読了 時間の無駄。 妻、梨絵子の人格形成やその母親についての設定があまりに安易でバカバカしい。 友人夫婦の生い立ち、死因、も取ってつけた様でいただけない。 まず、読み始めてすぐこれは面白い展開にはならないでしょ。。。と感じ、そこから読むのが軽い苦痛になった。ほんの少しの期待で最後まで読了することができたが、ここまでつまらないとはまさに時間の無駄。 そもそも、結末まで読んでみて、イカリが村の壁に下手くそな絵を描き続けた理由がよくわからない。 村の人々がイカリに絵を描くことを要求した意味も曖昧で決定力にかける。 貫井徳郎氏の作品は良いものも勿論たくさんあるが、時にガッカリする作品も多々ある 要注意

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2021/04/01

貫井徳郎の作品を初めて読んでからもう20年は経つだろうか。毎回斬新なミステリ、仕掛け的な文章構成に驚かされる。 一人の人物をここまで深く描き、なおかつ語られない部分を想像力で膨らませてくれる、素晴らしい作品だった。 読後、放心状態になること間違いなし。 逆に下手な映像化だけはやめ...

貫井徳郎の作品を初めて読んでからもう20年は経つだろうか。毎回斬新なミステリ、仕掛け的な文章構成に驚かされる。 一人の人物をここまで深く描き、なおかつ語られない部分を想像力で膨らませてくれる、素晴らしい作品だった。 読後、放心状態になること間違いなし。 逆に下手な映像化だけはやめてほしい。

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2021/03/28

孤独な男の半生と隠された真実が、ひとりのノンフィクションライターの好奇心から少しづつ明らかにされていく… こんな風に、扉が次々と開けられていくような物語をこれまで読んだことがない。 そして最後に、どうして彼が上手ではない絵を描き続けたのか、その絵に魅力される人が増えていったのかと...

孤独な男の半生と隠された真実が、ひとりのノンフィクションライターの好奇心から少しづつ明らかにされていく… こんな風に、扉が次々と開けられていくような物語をこれまで読んだことがない。 そして最後に、どうして彼が上手ではない絵を描き続けたのか、その絵に魅力される人が増えていったのかという秘密が明かされた。

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