特捜部Q 自撮りする女たち(下) の商品レビュー
シリーズ7作目。 この物語の舞台であるデンマークといえば、 世界幸福度ランキングで何度も1位になっている国。 幸福大国、成熟社会ともいわれ、 社会福祉サービスがとても充実しています。 ところが今回は、 その制度のゆがみが引き金となって起こる事件を中心に、 複数の出来事が絡み合って...
シリーズ7作目。 この物語の舞台であるデンマークといえば、 世界幸福度ランキングで何度も1位になっている国。 幸福大国、成熟社会ともいわれ、 社会福祉サービスがとても充実しています。 ところが今回は、 その制度のゆがみが引き金となって起こる事件を中心に、 複数の出来事が絡み合って物語が進行していきます。 並行して特捜部のメンバーの女性が、 過去のトラウマから心を病み、 死の淵まで追い込まれながら、 たまたま事件の渦中に巻き込まれてしまいます。 このシリーズも、 回を重ねるごとに登場人物の個性や 人間関係がはっきりしてきて、 ますます面白くなってきました。 彼らの抱えている秘密の、 明かされていない部分もまだまだあって、 そのことも、このシリーズの魅力になっています。 べそかきアルルカンの詩的日常 http://blog.goo.ne.jp/b-arlequin/ べそかきアルルカンの“スケッチブックを小脇に抱え” http://blog.goo.ne.jp/besokaki-a べそかきアルルカンの“銀幕の向こうがわ” http://booklog.jp/users/besokaki-arlequin2
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精神的不調により休暇を取るローセ。カールたち特捜部にかかってきた元上司ヤコプスンからの電話。 社会制度の甘い汁を吸う若い女性たち。 主要メンバーの過去が語られる特捜部Qシリーズ7作目 今作もカール側と犯人側(?)とが交互に描写される。 デンマークならではの社会保障制度の裏をつく...
精神的不調により休暇を取るローセ。カールたち特捜部にかかってきた元上司ヤコプスンからの電話。 社会制度の甘い汁を吸う若い女性たち。 主要メンバーの過去が語られる特捜部Qシリーズ7作目 今作もカール側と犯人側(?)とが交互に描写される。 デンマークならではの社会保障制度の裏をつくやり方に舌を巻く。強かだし、それがこの事件を引き起こし……とか思いながら読んでたら、うっわー!ってなった。歴史絡むやん。なるほどなぁ。 そしてローセ。ローセぇぇぇ!! 7作目にしてかなり良作。 表の犯人の犯罪を起こすきっかけにゾクリとした。人はこうして一歩を違う方向に向けるのかもしれない。 次はアサド回!しっかり積んでいるので近々読みたい!
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特捜部Qあるあるで犯人死亡でした。 個人的にはガンが小さくなってほぼ完治までいくのかと思っていたけど、残念ながら爆裂四散でした。 途中、手榴弾が出てきた時に「これは揉み合ってるうちに全員死ぬパターンかな?」と思ったら犯人だけでしたね。 ローセの容態が気になるが、きっと復活してQ課の男どもを尻に敷くのが見えてる。そうあってほしい。
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全ての事件がひもづいた時には、ビャアンじゃないけど、鳥肌が立ちました。 読んでるんだから、経過追ってるんだから、少しづつ解明されていってるんだから。 とにかく今回、事件が多すぎてw 登場人物が多いのはいつもだけど。 過去の事件と最近の事件。 関連性があるんじゃないかってマークスも登場して、捜査協力。 あっちでは、制裁とか言って殺人企ててるやついるし、 こっちでは、お金ふんだくる計画立てて、絡まれて殺人起こすし。 とにかく、戦争は、だめです。 デニスのじーさん、最悪だ。醜悪だ。 いい加減、人間は、学習するべきなのに・・・ ローセが過去のせいで自分でいられなくなって、その事も解決したいし。 事件関係者とローセ知り合いだったし。 病院から抜け出したローセ見つからないし。 なんだかもう、色々な事が起こって、おこりすぎて。 そりゃあアサドのお腹も空きますよね・・・ 今回は、特捜部Qの絆の物語です。 本当に、このチームは! 最後の数ページは涙なしには読めませんでした・・・ 良いチームだ!特捜部Q そして、特捜部Qを取り巻いている人々も。 マークスもビャアンも、最初一作目は、特捜部Qの予算を癪福する嫌なやつなのかと思わされたけど、いやいや、作品が進むにつれ、どんどん良さが溢れてくる。 次では元気なローセに会えるんですよね??? 今回はQチームでは、ローセの物語だったせいか、 アマー島やらいとこのロニーにおっかぶされた件やらは全く進展なし。 そうだ、ハーヴィとマークスが再会するシーンも泣いた! ハーヴィは、また少し感じられる所が増えたようで、どうなっていくのかな。 モーエンとミカは復縁せんのか? マークスはこのままアドバイザー的にずっと協力したりしないのかしら? モーナの娘は・・・?そしてカールとモーナは? なんだかもう、本当に盛りだくさんで、お腹いっぱいなのに、続きが読みたい! しかし、次読んだら、現状では一旦お休みになっちゃうんだよなー。 2022年7月に8作目が日本で出版されている・・・ 9作目も刊行は決定してるけど・・・ いつだ!? はーやーくーーー!!!
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毎度ながら詳細に描かれる「社会福祉先進国の闇」このシリーズの良さは 叙述に背景にあるとてつもない暗さを登場人物の心の軌跡をオーバーラップさせることによって 単なるお涙頂戴に仕上げていない事。 個の作品テーマは「社会福祉に群がる頭の黒いアリども」とでも言えるかな。 どの国にもどの...
毎度ながら詳細に描かれる「社会福祉先進国の闇」このシリーズの良さは 叙述に背景にあるとてつもない暗さを登場人物の心の軌跡をオーバーラップさせることによって 単なるお涙頂戴に仕上げていない事。 個の作品テーマは「社会福祉に群がる頭の黒いアリども」とでも言えるかな。 どの国にもどの時代でもいそうな問題ではあるが。 根底にずっと流れている黒い伏線はローセの人生 彼女なりに外見では「明るく仕事にまい進する」姿を演技していたのだなと思うが、これまた涙物語にせず、良い着地に仕上げてくれた。
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シリーズ7作目。安定的に読める。今回の主役は、特捜部Qのローセ。警察学校を最優等で卒業するが、心に深い傷と漆黒の闇を抱える女性。本作ではローセの心の闇が明らかになる。ストーリーとして、殆どのシリーズの作品を読んだが、パターン化されておらず、そういう意味で飽きない。北欧ミステリーの特長なのか、作品の登場人物の心理描写が深い。当たり前だが、人には過去があり、人を取り巻く人々がいる。心理描写に重点を置くとミステリーとしてワクワク度が下がるが、作者はこのバランスがよいのだろう。シリーズ化すると飽きがくるが、そこをうまくバランスを取ること上手い作家だと思う。又、心理描写が、ローセもそうだが小説にするには重くせざるを得ないと思うが、読後に一抹の明るさを残すところが余韻の残すための上手さか。
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なんだかんだと言いながら、特捜部Qの面々は、強い絆で結ばれているんですね。最初の頃は、反発しあってばかりだったんですけどね。 さて、今回の事件は過去と現在が複雑に絡み合っています。いやぁ、上手くプロットしましたね。そして、善良な人間がどう変わっていってしまうのかと言うことも描か...
なんだかんだと言いながら、特捜部Qの面々は、強い絆で結ばれているんですね。最初の頃は、反発しあってばかりだったんですけどね。 さて、今回の事件は過去と現在が複雑に絡み合っています。いやぁ、上手くプロットしましたね。そして、善良な人間がどう変わっていってしまうのかと言うことも描かれていました。 シリーズ始めの頃は、意外にグロテスクな事件が多く取っ付きにくい印象でしたが、濃いキャラクターが集まっているせいか、段々と面白いシリーズになってきました
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カール・マーク警部補、事件関係者と次々と視点人物が入れ替わりながら物語が積み重ねられ、やがて出来事の相関が明らかになり、種々の事件が解決に向かって行く。こういう辺りが「らしい!」という感の“特捜部Q”のシリーズだ。 今作は、“心の闇”に起因する心身の問題で苦しむローセが「危険な状...
カール・マーク警部補、事件関係者と次々と視点人物が入れ替わりながら物語が積み重ねられ、やがて出来事の相関が明らかになり、種々の事件が解決に向かって行く。こういう辺りが「らしい!」という感の“特捜部Q”のシリーズだ。 今作は、“心の闇”に起因する心身の問題で苦しむローセが「危険な状況」に巻き込まれ、カール・マーク警部補、アサド、ゴードンがそれを救おうという想いを胸に、必死な活動を展開する様子が非常に好い。そして「そういう風になって行ってしまう?!」という按配に展開してしまう、進行中の種々の事件の顛末が面白い。 本作は或る程度長く続くシリーズであるが、別段に続けて読んでいなくても、各作品を「独立の1作」という具合に十分に愉しむことが叶うと思う。このシリーズでは、作品の舞台となっているデンマークで「そう言えばあのような件…“問題”だ…」と少し意識されていると見受けられるような事柄が、作中で発生する事態の背景のように採り入れられている例も在り、そういうのも興味深い。
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