宇宙の地政学(上) の商品レビュー
「地政学」というタイトルはだいぶミスリード。 確かに下巻には「地政学」的な話は出てくる。 しかし本巻の内容は、宇宙に関係する科学や技術の発展は、必然的に軍事にリードされてきたという20世紀前半までの常識的な話をまとめたに過ぎず、地政学の話ではない。 上巻だけであれば、「宇宙...
「地政学」というタイトルはだいぶミスリード。 確かに下巻には「地政学」的な話は出てくる。 しかし本巻の内容は、宇宙に関係する科学や技術の発展は、必然的に軍事にリードされてきたという20世紀前半までの常識的な話をまとめたに過ぎず、地政学の話ではない。 上巻だけであれば、「宇宙に関する科学技術史~軍事との関係を踏まえて」あたりが妥当なタイトルである。
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本書の英語名は「Accessory to War」、「戦争の共謀者」とも訳すのだろう。「共謀者」とは、天体物理学のことを指している。天体物理学の光学技術や電波観測技術は、常に、軍事技術と表裏一体との関係にある。筆者は、天体物理学と軍事技術の進化を、膨大な例を示しながら丁寧に解説している。 「才能をひき寄せるのは宇宙探査かもしれないが、給料を払うは戦争なのだ。」という筆者の言葉が印象に残る。
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科学と軍事がいかに密接に絡み合って発展してきたかの歴史。 上巻では天文物理学と軍事や政治との関わり、天文航法と海、望遠鏡など目の武装化、また光やレーダー技術とそれへの欺瞞について述べられている。
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