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どこにでもあるどこかになる前に。 の商品レビュー

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16件のお客様レビュー

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2020/12/06

開発によって画一化が進む地方。必ずしも快適ではなくても、そこにある良さが必ずある。 せきららなエッセイが面白かったです。

Posted byブクログ

2020/11/27

読み出して何か自分の古傷を抉られている様な気分になり。最後まで読み切れるか不安だったが、途中からぐいぐいとスピードが上がり、結局二日で読了。 著者が地元に帰ってから、ZINEを作ってブックイベントに乗り込むあたりに既視感。モラトリアムあるあるなのだろうか。 地域系フリペのステ...

読み出して何か自分の古傷を抉られている様な気分になり。最後まで読み切れるか不安だったが、途中からぐいぐいとスピードが上がり、結局二日で読了。 著者が地元に帰ってから、ZINEを作ってブックイベントに乗り込むあたりに既視感。モラトリアムあるあるなのだろうか。 地域系フリペのステロタイプ(東京の模倣)や、地元視点・他者視点の差異、観察という傲慢(このあたりかなり超訳)はいろいろ思い当たる節あり。 特に観察するという傲慢(超訳)はかなり気をつけているつもりだが、実践できている自信はない。 著者の作ったZINEを読んでみたいな。どんな感じなのだろうか。そしてBOOK DAY 富山もどんな感じのイベントなのか、一度行ってみたいな。

Posted byブクログ

2023/10/25

「全国画一化によって地方の個性を消滅させようとする動きにNo!」という本だと思っていたけど若干違っていた。 この本は、藤井さんが自分の心の琴線に触れる富山のオモシロイものを探求した記録と言うほうが近く、富山人というよりも藤井さん個人のカラーが強い本だと言える。 だから藤井さんが...

「全国画一化によって地方の個性を消滅させようとする動きにNo!」という本だと思っていたけど若干違っていた。 この本は、藤井さんが自分の心の琴線に触れる富山のオモシロイものを探求した記録と言うほうが近く、富山人というよりも藤井さん個人のカラーが強い本だと言える。 だから藤井さんが書く富山のオモシロイものに対して、ケンミンショーみたいに多くの人が面白いと共感するとは限らず、ついていけないと言うような逆の評価もありえると思う。 つまり藤井さんが「どこにでもあるどこかになる前に」富山で見つけたかったモノは、ケンミンショー的(=平均的・多数派)な茶の間の「いいね」を集めるようなものとは必ずしも一致しない。そもそも「いいね」を集めやすいものこそ、全国的資本による「どこにでもある」もののマイナーチェンジされた地方版である可能性が高いのではないか。 藤井さん自身、家族からも職場からも「いいね」がなかなか得られない状態で、東京でもパッとせず、かといって次に何をしたらいいのか全然わかんなくて、富山に戻っても思うようにいかずウツウツして…という迷走状態にあった。 でもあるとき気づく。「東京や大阪では掘りつくされた感のある、思わずツッコミを入れたくなる『なんであるのかワカランけど、なんだかオモシロイもの』が富山では探せばいっぱいあるのと違う?」 はじめこそ、そんな風に目的や目標もないフワフワな状態でとにかく「オモシロイ人やモノ」をディグしていくような展開だったけど、自身の20代終わりからアラフォーまでの人生経験がプラスされるにつれて、藤井さんの視点がいい感じに濃くなっていく。 先に「迷走」なんて書いてしまったけど、迷いながらも藤井さんなりの“ROLLING STONE”に対して「こけ」となる人が次々と現れて藤井さんにくっついていく展開がこの本では読めて、藤井さん同様にウツウツ状態の女子への(ある意味で)エールにもなるのかなとも思っている。 それにしても藤井さんは大阪の大学に通っていたらしいけど、サイキッカーだったのだろうか?裏ネタ好みとか、自分で企画したイベントでの壊れっぷりとかに、どうもABC朝日放送の伝説的ラジオ番組「サイキック青年団」のテイストを感じるのだが…(ピストン藤井というネーミングもジャンプ藤井のパロディのように読める。) もしそうなら、彼女の感性は富山人気質に大阪人気質もミックスされた彼女のオリジナリティと言ってもよく、この本のオリジナル度を高めている要因でもある。 それともう1つ。この本をプロデュースしたのは“ひとり出版社”里山社の清田麻衣子さん。 2020.5.2付け朝日新聞の読書欄で、コロナ禍でも全国の通販で買える個人書店一覧を彼女がウエブにアップしたと記事が載るなど精力的に活動してるみたいで、今後も注目していきたい。

Posted byブクログ

2020/02/17

富山県にUターンで帰ってきた著者が書いた、何というのだろう、富山に戻る前と戻ってきてからを綴った記録というべきだろうか。 何年か前にはピストン藤井という名前で富山県内の珍スポットを紹介する地元の芸人のような感じで、テレビにも出ておられた。 だが、この本を読むとその姿は本当に彼女...

富山県にUターンで帰ってきた著者が書いた、何というのだろう、富山に戻る前と戻ってきてからを綴った記録というべきだろうか。 何年か前にはピストン藤井という名前で富山県内の珍スポットを紹介する地元の芸人のような感じで、テレビにも出ておられた。 だが、この本を読むとその姿は本当に彼女が目指していたものではなかったようである。 テレビで見た時にはきちんと見ていたわけではないが、それはそれで面白い視点だったような気がするが、迷いながらの当時の輝きだったようだ。 この本のタイトルを見た時、富山の街作りに対する批判のようなものが書いてあるのだろうか、という気がしたが、それは半分外れて半分当たっていた。 自分が好きな映画という仕事に関わることで充実した時を過ごしていた東京時代、しかし出版不況の波を感じて、著者は「都落ち」することになり、ライター活動を始める。 初めは富山の珍スポットを紹介するような記事を地元のタウン誌に掲載していた。 その中で交友関係も広がって行く。 テレビで見たことがある日本海食堂や、立山登山に行く時に必ず目にする独自のコンビニ「サンダーバード」、街中で女手一人で切り盛りしている「総曲輪ビリヤード」などなど。 それぞれその店を運営している個性的な店主に著者は惚れ込んでいる。 つまらないと思っていた富山で、根を下ろしてそれぞれの居場所を作ろうとしている人達に大きな影響を受ける。 いろんなエピソードが出て来るが、富山市中心部でいろんなイベントの裏方として顔を出しておられた島倉さん、そして自分も何度か行ったことがあるフォルツァ総曲輪のエピソード。 島倉さんは、残念ながら49歳という年で亡くなられている。(私も現在その年だ) そして、フォルツァ総曲輪。 私がそこで見た映画は「サウダージ」という映画と、佐村河内氏の映画(タイトルは忘れた)。 渋い映画をよくやっていた。 「ヤクザと憲法」も見に行きたかったが、結局タイミングが合わなかった。 富山市の助成金をもらいながら、シネコンでは絶対にやらないような映画をよくやっていた。 富山市も大らかだったと思う。 それが数年前、近くにシネコンができた時に助成金が打ち切られ、存続できなくなった。 しかし、このフォルツァ総曲輪はこの春に復活する。 富山駅路面電車の南北接続が行われるというタイミングでだそうだ。 このタイミングはよくわからないが喜ばしいことだ。 嬉しいニュースである。 そのほか、消えてしまった富山駅前のシネマ食堂街と富劇ビルの話題が出てくる。 まだ昭和の香りが残っていた見た目は薄暗い裏通りである。 今は無味乾燥な新しいビルになり、面影はあまりない。 新幹線が来て確かに駅前の見た目はきれいになった。 だが、いわゆるその土地の味というものはますます消えて行ってしまっている。 まさにどこにでもある地方都市になりつつある富山。 その中で、これから異質な光を放ち続けようとする姿勢に、自分もそうありたいと思う。 言葉で誰かの気持ちを動かしたいという気持ちは、まだ往生際が悪く、あきらめられない。

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2019/12/28

自分と重ねてしまったけど、それが返って救われました。 私は、物心ついた時から新潟を好きにも嫌いにもなれなかった。 今もあまり好きじゃないし、かといって嫌いとも言い切れない。でも、この先新潟にいるのは嫌だと思う自分もいる。 それが、ちょっと違うけど、ちょっとわかる。そのちょっとが...

自分と重ねてしまったけど、それが返って救われました。 私は、物心ついた時から新潟を好きにも嫌いにもなれなかった。 今もあまり好きじゃないし、かといって嫌いとも言い切れない。でも、この先新潟にいるのは嫌だと思う自分もいる。 それが、ちょっと違うけど、ちょっとわかる。そのちょっとがちょうど良かった。 富山と新潟、隣り合ってるからなんとなく似てる。環境とか。 だから、読んでて救われた。 倉島さんのところは、ちと泣いてしまった。 それと、今こじれてる人にごめんって、会いたいわぁって思えた。いい本だぁ。 人と揉めると滅入るけど、人とのつながりは欲しい。 いつから私は外に出なくなってきていたんだろう? この本は、内にこもる自分にハッと気づかせてくれた。 私もやりたいこと、心に燻ってないでやってみようかな。 年が明けたら街に繰り出してみようかな。

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2019/10/30

10/16発売必ず共感できるエッセイ。 地方都市を愛するすべての人々へ捧ぐ、 Uターン者による笑って泣ける?第二の青春?エッセイ。

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