2050年のメディア の商品レビュー
読売、朝日、日経、Yahooのこれまでと現状を丹念に取材したノンフィクション。紙媒体の未来は。メディア業界全体のこれからは。それは分からないが示唆に富んでいた。各社の群像劇としても読めた。
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読売、日経、ヤフーのメディア企業としての20年の歴史。ヤフーのメンバーはみんな戦友なので懐かしいなということだけかな。その時に読売、日経がどう動いていたかも、想定の範囲内ではありました。 俯瞰して、インターネットができてメディア企業が取り組んだのはデバイスシフトだったということ...
読売、日経、ヤフーのメディア企業としての20年の歴史。ヤフーのメンバーはみんな戦友なので懐かしいなということだけかな。その時に読売、日経がどう動いていたかも、想定の範囲内ではありました。 俯瞰して、インターネットができてメディア企業が取り組んだのはデバイスシフトだったということなんですかね。スマフォファーストになった時の既視感は凄かったし、その次に関しても「それ」はもう来ているかもで、YouTubeの勃興をみると次は動画なのかな。 最近感じてるのは、圧倒的なコンテンツ不足。どんどんパーソナライズが進むことで、興味が細分化して、ここに満足するコンテンツを放り込める仕組みがまだ全然ないですよね。すごく難しいけど、技術で解決していかねばいけない分野。誰か頑張ってw(2020.02.04読了)
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メディア関連の直近15年くらいの動きを丹念な取材で描いています。 ただし、2050年のメディアの話はあまり出てこない印象。 地方の新聞社や毎日産経は経営が苦しそうで、2050年というのは読売、日経、ヤフーは残ってるんじゃないか?という意味でのタイトルなのかもしれません。 ただ、...
メディア関連の直近15年くらいの動きを丹念な取材で描いています。 ただし、2050年のメディアの話はあまり出てこない印象。 地方の新聞社や毎日産経は経営が苦しそうで、2050年というのは読売、日経、ヤフーは残ってるんじゃないか?という意味でのタイトルなのかもしれません。 ただ、その中で一番安泰そうなヤフーも安泰ではないような印象を持ちました。
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図書館の新着コーナーにあり即借。 読売新聞の紙とデジタルの両立、ヤフーの黎明期からのニュースフィードやヤフトピの動向、日経新聞のデジタルへの移行(との両立)について、関係者からの丹念な取材をしっかりまとめた力作である。 著者や登場する関係者の”仕事”にかける情熱には脱帽する。 ちなみにタイトルで即借したが、「2050年」については一切語られていない。やられた!再度脱帽。
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料金が現状程度で宅配が無くならない限り、紙の新聞の購読は続けるつもりだが、2050年には宅配はできなくなっていて、紙が欲しいときはオンデマンドで都度発注することになっているのではないだろうか。
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★2015年のメディア★書名は釣り。書きたいのは未来なのだろうが、見通しはほとんどなくこの10年の変遷を記している。それぞれに現場感のあるやり取りはあるが、落日のメディアが正しい書名だろう。 読売、日経、ヤフーというどうしてこの3社なのか分からない選択がある意味で興味深い。読売...
★2015年のメディア★書名は釣り。書きたいのは未来なのだろうが、見通しはほとんどなくこの10年の変遷を記している。それぞれに現場感のあるやり取りはあるが、落日のメディアが正しい書名だろう。 読売、日経、ヤフーというどうしてこの3社なのか分からない選択がある意味で興味深い。読売の山口寿一社長を絶賛し、確かにオールドメディアの中ではビジネス力があるにせよ、企業の先は見えない。日経は電子版が成功して売り上げが下げ止まっていると持ち上げるが、利益が落ち込んでいることには言及がない。ヤフーはネット界での負け組。みなデータにかけると言っても具体的に稼ぐすべは見えず、イノベーションのジレンマに陥り苦労しながらみな沈んでいくという過去を記す。
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メディアの歴史。未来のメディアの本ではない。インターネットの黎明期が詳しく書かれている。メディアのドキュメンタリー番組を観ている感じです。メディアの今後についても知りたかった。
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メディア関係者は必読。セットでNYT(ニューヨークタイムズ)のイノベーションレポートも。 歴史を知っているのと知っていないのでは、今後のメディアを考えるときや自分のキャリアを考えるとき、判断が大きく変わると思う。 過去から現在のメディアの裏話が主な内容だが、タイトルは『2050年のメディア』。未来の話だと思って手に取るとがっかりすることになる。読者に優しくないタイトルの付け方だ。 ただ、著者が最後に記しているように「未来を知るためには、まず歴史を知ること。そして歴史は誰かが粘り強く掘り起こし調査しなければ、歴史にはならない」という信念で書かれていて、全くその通りだと思う。 ニューヨークタイムズが日経に遅れること1年。すぐに紙からデジタルに舵を切ったのとは対照的に、紙に縛られ続ける読売。最終章ではその違いが生まれた理由のひとつとして、著者なりの仮説を提示している。 この本を読みながら、ちょうどニューヨークタイムズの香港についての素晴らしいインタラクション記事を読んでいて 「デジタルメディアの記事はこうでなくては」と感動した。 ジャーナリスト個人も会社もニューヨークタイムズのイノベーションレポートに書かれた提言を実践するしかない。
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33歳新人女性弁護士柴田眞理にデジタルアライアンスは対読売の弁護を依頼 ダビテとゴリアテの戦い APは共同通信のようにアメリカの全国各地に散らばる地方紙が運営費を拠出しなりたっている APのリンクハブサイトが47newsの原型となる 販売店には専売店と合売店がある 戦後...
33歳新人女性弁護士柴田眞理にデジタルアライアンスは対読売の弁護を依頼 ダビテとゴリアテの戦い APは共同通信のようにアメリカの全国各地に散らばる地方紙が運営費を拠出しなりたっている APのリンクハブサイトが47newsの原型となる 販売店には専売店と合売店がある 戦後国策通信社だった同盟通信社が解散して、マスメディ向けの共同通信と金融情報の時事通信社に分かれた 長田公平は産業部で、電機や自動車を担当した経験から、メーカは流通を握らないとだめだということが骨身に沁みてわかっていた。家電メーカはかつて家電ストアを系列化して、価格をある程度コントロールして流通を握っていた。それが、量販店になって、メーカと小売の立場が逆転して日本の白物家電は崩壊した。自動車メーカがあくまでも、小売の系列化を崩さずに国内の市場を維持したのとは対照的だ。 クレイトン・クリステンセン イノベーターのジレンマ イノベーションによって市場を制覇した大企業が、そのイノベーション故に新しい市場に出ていけないこと 専売店の全国ネットワークというイノベーションゆえ、デジタルの市場に出ていけなかった 紙の部数は有料デジタル版をはじめような、はじめなかろうが、減っていく。それならば、他社のデジタル版に食われるよりも自社のデジタル版に食われたほうがいいのではないか。未来に紙はない。デジタルは今後もっと利益を生むようになる デジタル版には紙にない独自のコンテンツをいれて、デジタル版でなければならない価値をもたせるおこと。それが最も重要 ウォールストリートジャーナル有料電子版 責任者 クロヴィッツ 日経はクロヴィッツを読んで熱心に話を聞いた information wants to be free つぎにこうともある Information also wants to be expensive アンドリーセン Free 清武の乱 読売法務部 清武の婚約者が母と住むシンガポールまでいって証拠を集めた クリステンセンのイノベーションのジレンマを破るというイミでこの技法を両腕の経営という ambidextrous 両利きの経営 新聞の場合は、フィルム市場よりも紙の市場の衰退がゆっくりとしている。だからこそ難しい 当時のヤフーの上層部は、創業時のメンバーで固められ、ほぼ全員がパソコンで育ってきた スマホへの対応がおくれた 読売新聞グループのパワハラ 本社社長の山口が一人で調査した 2018 日経社長岡田直敏 少なくとも日経の場合は、紙の新聞の部数だけで読者の増減を測る時代はもう終わった 日経新聞は未来をデジタルにかけている 日経は電子版のみにするとクレジットカード決済しかうけつけない。そうすると販売店の名簿からなくなり、販売店からは、紙の日経新聞をやめた読者が、ほんとうに電子版にいったかわからない ジリアン・テット サイロエフェクト FT ウォールストリートへの日本のレッスン テットの書いた大野木の物語 2008 リーマンショック ウォールストリートの上級幹部で、逮捕された人はだれもいなかった。それどころか、彼らの大半は自分たちの銀行を手玉にとって膨大な個人資産を守らせ、手つかずのままにさせて逃げ切った。やがて彼らの多くはが、新しい仕事を手に入れた 日本に銀行家である私の友人たちは、誰もこのような展開を信じられなかった 彼ら自身、長銀が破綻した時に、自分が犯罪的な行為をしたと思っていたわけではない。だか、それもで彼らは、日本の金融危機について自分は責任をとるべきだと考えていたのだ。 だれもが慎み深い人たちで、あれほど無残に破綻した組織の一部であったことをしっていた。だから彼らは私にこう聞いてきた 「なぜ、米国に銀行家たちは私と同じようなきまり悪さを感じないのか?」 「なぜ、ウォールストリートの大物たちは、財産の一部でも変換すべきだと思わなかったのか?」 私は、なんと応じればいいかわからなかった 2019プリンストン大の調査 日本の通信環境が、情報の増大においついていない 紙の新聞だけだった時代、編集局に人がいるピークは午後11時台だった。その時代はすでにすぎさってしまった ヤフー退任時の奥村倫弘 「答えはネットの中にない、本の中にある」 グノシーやスマートニュースなど他のニュースサイトが、AIによてもっとクリック数を稼ぐニュースを自動的に上げていくに対してヤフトピはいまでも愚直に人力によって、報せるべきニュースを頭3本に必ず上げるようにしている まず歴史を知ること。そして歴史は誰かが粘り強く掘り起こし調査しなければ、歴史にはならないということ
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杉山隆男の「メディアの興亡」が書かれたのが1986年、それから33年、新聞の部数の凋落はものすごいスピードで進行しています。その激変の歴史を俯瞰ではなく、細かなエピソードを当事者のインタビューを積み重なることで描いている「続・メディアの興亡」として夢中になって読みました。「205...
杉山隆男の「メディアの興亡」が書かれたのが1986年、それから33年、新聞の部数の凋落はものすごいスピードで進行しています。その激変の歴史を俯瞰ではなく、細かなエピソードを当事者のインタビューを積み重なることで描いている「続・メディアの興亡」として夢中になって読みました。「2050 年のメディア」という書名とは裏腹に1996年ヤフー・ジャパンが設立してから今日までの過去ですが、そこには人口が1億人を割り、AIが仕事の意味を変え、地方消滅が起こっている2050 年問題に対しての新聞ビジネスの危機のプロローグという意味では適切なタイトルかも。「メディアの興亡」の主役は日経新聞と毎日新聞でしたが「2050 年のメディア」の主役は讀賣新聞とヤフーでした。渡辺主筆の元、メディアとして紙にこだわり、販売店を死守しようとする讀賣を横糸に、メディアではなくプラットホームであることをテーゼとする創業者 井上雅博率いるヤフーを縦糸にニュースという商品の取り扱いの流れが、よくよくわかりました。そして、この縦糸と横糸は一回だけではなく何回も絡み合うのです。渡辺-井上という総帥同士の考え方の違いだけではなく、次世代の社長の宮路、川邊-山口という有能な人材の判断の歴史でもあります。余りに面白く一気読みだったので、もう一度、反芻読みします。 それでも「2050 年のメディア」についてのビジョンを持つのは難しいだろうなぁ。それだけ新聞社のこれからは難問題だと思うます。
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