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われわれはなぜ嘘つきで自信過剰でお人好しなのか の商品レビュー

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12件のお客様レビュー

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2024/05/01

【医学部図書館リクエスト購入図書】 ☆信州大学附属図書館の所蔵はこちらです☆ https://www-lib.shinshu-u.ac.jp/opc/recordID/catalog.bib/BB29070767

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2024/02/03

ー コロモジラミのDNAの突然変異の数からは、我々の先祖が少なくとも7万年前には裸で走り回るのをやめていたと結論できる。 ー ストロンチウムはカルシウムと同じように体内に取り込まれる金属で、主に骨や歯の中に蓄積する。古代人の歯のストロンチウム比が、その地域の岩盤の比率と一致すれ...

ー コロモジラミのDNAの突然変異の数からは、我々の先祖が少なくとも7万年前には裸で走り回るのをやめていたと結論できる。 ー ストロンチウムはカルシウムと同じように体内に取り込まれる金属で、主に骨や歯の中に蓄積する。古代人の歯のストロンチウム比が、その地域の岩盤の比率と一致すれば、歯の持ち主は、歯が見つかった地域で育ったことが断定できる。すると、大きめの歯はその場所の地質と一致したが、小さめの歯は一致しないことがわかった。一般的に男性の方が女性よりも大きな歯を持つため、近親交配を避けるため、集団が離れたのは女性である可能性が高いことがわかる。 …という風に色んな証拠を辿りながら人類を解き明かしていく。サピエンス全史を含む、他の著書と重なる部分も多いが、こうした話は繰り返し読んでも楽しい。人類の「今」ある特性を分析し、その由来を探るのだから。その特性こそ、タイトルにあるような、自信過剰、嘘つき、お人好しという内容。勿論、お人好しじゃない人もいるが、平均的に、という話だ。 一つ、本の中から引く。自信過剰の人々が成功しやすい理由は、競争の中でより威圧的であり、周りの人が直接対決を避けようとする傾向があるからだと。競争戦略上、自信過剰の方が得をするらしい。何だか実感に合わず、日本人には、でしゃばるような自信家は少ないように思う。感覚的には、自分より比較的劣る人と長期間共にした人は自信家になりやすい。そして、日本の偏差値教育システムにおいて、時々その典型例に遭遇する。イキり特性と共に。 本書で語られる、人類の幸せについて。 「共同体の一員になり、新しいことを学ぶこと」 斯様に、共同体に寄りけりではありはするが。

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2023/07/24

ちょっと分厚くて引くけど冒頭のシラミ3種から始まる実験・データ・解釈は人に話したくなるようなものばかり。文中紹介される本も読みたくなるものばかり。本筋自体はこの手の本(進化心理学)が好きな人にとって目新しくは無いかもだけど他の本との親和性もあって楽しくスラスラ読める本。10の提言...

ちょっと分厚くて引くけど冒頭のシラミ3種から始まる実験・データ・解釈は人に話したくなるようなものばかり。文中紹介される本も読みたくなるものばかり。本筋自体はこの手の本(進化心理学)が好きな人にとって目新しくは無いかもだけど他の本との親和性もあって楽しくスラスラ読める本。10の提言も素直で終わり方もすっきり。テーマの難解さに関わらず読む側の敷居が低いのは本文のみならず翻訳の質も高いと感じた。

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2022/12/25

進化心理学の見地から、人類の進化を通して獲得としたヒトの知性、心理を検証していく。 チンパンジーとの枝分かれ、森からサバンナへの移動から詳細に説明されていて、興味深く読める。すべての考察が様々な検証や心理実験から導かれているので、納得しながら読み進められる。 やはり社会心理学より...

進化心理学の見地から、人類の進化を通して獲得としたヒトの知性、心理を検証していく。 チンパンジーとの枝分かれ、森からサバンナへの移動から詳細に説明されていて、興味深く読める。すべての考察が様々な検証や心理実験から導かれているので、納得しながら読み進められる。 やはり社会心理学より、進化心理学の方がどうしても納得できるかな。

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2022/11/15

ヒトの進化と生存戦略を社会心理学・進化心理学観点から述べている。 暴論でまとめると、ヒトに永遠の幸せは訪れないらしい。 本が厚揚げくらい分厚い。 男女の違いにも触れており、特に好きなものが 男性はひどいセックスをしたことよりも機会を逃したことを後悔するが女性は逆である という一文...

ヒトの進化と生存戦略を社会心理学・進化心理学観点から述べている。 暴論でまとめると、ヒトに永遠の幸せは訪れないらしい。 本が厚揚げくらい分厚い。 男女の違いにも触れており、特に好きなものが 男性はひどいセックスをしたことよりも機会を逃したことを後悔するが女性は逆である という一文です。 男性は繁殖に対するエネルギーは少ないが女性はすごく大きいから(出すだけと約一年お腹の中で育てる) 人類は協力することで知能が発達し繁栄してきたと述べられている。(狩猟農耕など) 以前読んだ他の本でも人類が進化してきたのは、依存し合う(得意な人に任せる)ことで、脳にキャパができ、クリエイティブな発想が出来たからと書いてあった。つまり、何でも自分でやっちゃう人(できちゃう人)は進化が遅れている。

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2022/11/05

『サピエンス全史』や『銃・病原菌・鉄』のような人類学系の本。そういうジャンルの好きな人は面白く読めると思う。 表紙や帯に書かれているような内容だが、今回面白いと思ったのは「赤道に近づくほど宗教、言語が増え、自民族中心主義になる」理由。熱帯地方ほど病原体の密度が高く、病原体への脅威...

『サピエンス全史』や『銃・病原菌・鉄』のような人類学系の本。そういうジャンルの好きな人は面白く読めると思う。 表紙や帯に書かれているような内容だが、今回面白いと思ったのは「赤道に近づくほど宗教、言語が増え、自民族中心主義になる」理由。熱帯地方ほど病原体の密度が高く、病原体への脅威こそが象徴的偏見の根本となるという。確かにそれはそうだと納得した。簡単にいうと、小さな集団を作り、他の部族との交流を最小化することで病気をもらわず生存確率を上げることができ、自然と言語や宗教も局所化する。 日本は島国であった上に温帯だが湿気も多く病原菌が繁殖しやすいので村社会を形成しやすい民族を進化させたのだろう。 他にもこんな話がたくさんあって楽しいですよ。しかし、『サピエンス全史』もまだ読んでない人はそっちも読んでくださいね!

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2022/05/24

進化心理学に基づく知見をわかりやすく説明している。 性淘汰により進化した私たちが無意識に縛られている思考方法、行動原理は、知っておくべき基礎的な素養であると受け止めました。 第3部は特におすすめ。 進化心理学の知見から、永続的的な幸福感を得にくいように人間はできていること、幸福や...

進化心理学に基づく知見をわかりやすく説明している。 性淘汰により進化した私たちが無意識に縛られている思考方法、行動原理は、知っておくべき基礎的な素養であると受け止めました。 第3部は特におすすめ。 進化心理学の知見から、永続的的な幸福感を得にくいように人間はできていること、幸福や真の満足感を得るための生きた方が説かれている。 乱暴に要約すると、性淘汰の観点から有利な立場にあること、有利な結果を得ていることが、真の満足感を得やすい状態ということ、と理解しました。

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2022/02/13

1部4章を中心に読んだ。ニンゲンの進化を遺伝子学の観点から考察。中でも性淘汰の話は、興味深い。より強い遺伝子を残すためにメスは「質を伝える正直な信号」を見極めるようになる。たとえばそれは、孔雀にとっての派手な柄である。生存のリスクが下がるはずの派手な柄を備えた孔雀のオスはそうでな...

1部4章を中心に読んだ。ニンゲンの進化を遺伝子学の観点から考察。中でも性淘汰の話は、興味深い。より強い遺伝子を残すためにメスは「質を伝える正直な信号」を見極めるようになる。たとえばそれは、孔雀にとっての派手な柄である。生存のリスクが下がるはずの派手な柄を備えた孔雀のオスはそうでないオスより強く逞しくなければ、ここまで生き抜くことができない。かくして一般的に生存リスクを下げるはずの見た目が逆説的によりメスを惹きつける。 これをヒトに置き換えると、対称性・強さ・身長・ユーモアだそう。また性淘汰の観点からこれらは相対的に優れているかが大切であり、その限りにおいて人は周囲と比べるという事から逃れられない。

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2021/09/26

2021-09-26 なんだろ、面白くはあったんだけど、当たり前のことばかりに思えてしまい、驚きはなかったかなあ。

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2021/09/14
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

我々の脳が進化の賜物であるならば、我々の心理もまた進化の結果である。 我々が嫉妬しやすく、心配性で悩みが多く、承認欲求を満たしたがる(いいね、が欲しい!)のは、進化の過程で種の維持に有利に働く形質だったからだろう。 という進化心理学者の書いた本。 重要なのが、「種の保存に有利である事と、個人の幸不幸は別物」という事。 進化の過程で残った我々の心理状態を受け入れるだけでは個人としては幸せになれない。いや、むしろ不幸になるだろう。 我々が幸せになるには、種としての心理傾向を理解しつつ、発達した脳で意図的に幸福を得られるように考え方や行動を改善する努力をする事が肝要だ。 そんな考え方に根拠を与えてくれる本書。 僕は好きです。 (というわけで、いいね、下さい!)

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