ベーシックインカム の商品レビュー

井上真偽(著者)

2024/08/30

普通のミステリーかとおもって読んでいると、先端技術を活用した思わぬ展開でひっくり返される話を集めたSFミステリー短編集。
どの話も後半からガラッと感じが変わるので、意外性たっぷりです。

2024/07/22

図書館で見つけて借りてみた。短編集なのでサッと読めるのがよい。

AI、遺伝子操作、VR、人間強化、ベーシックインカムの5話で構成される。近未来の話をしているようで、すぐ近くに迫る現実の話のようにも聞こえる。
現実でも未来でも変わらない考え方、愛、偏見がある。新しい技術や価値観が生まれ、根付き、日常に当たり前の光景になっても、人間の本質は変わらないんだと気づく。

オチが分かる話も多く、どんでん返し感はない。ミステリーとも言い難いのでジャンルは何になるんだろう。ただ、オチが分かると”読者にこう思わせたいんだろうな”という作者の意図だったり、”この表現すごいな～！”と作者のすごさに気づくこともできた。
SF小説だがSFっぽくなく、普段あまりSF小説を読まない人にもお勧めできる。私は短編集が苦手なので、今後は短編集はもういいかな。

2024/05/23

この作家さんの本は初めて読んだ。
1つめでおもしろいと心を掴まれ、最後まで惹きつけられた。
最後の作品まで考えた上で書き始めたのなら相当な天才だな。
他の作品も読んでみたくなった。

2024/04/30

AIや遺伝子操作、視覚障害の人工視覚など、未来を舞台にしたミステリー。豊かになることが希望だけなのか、どんなに豊かになっても、人間の根本的な絶望感や偏見、愛情は変わらないものなのかもしれない。想像力あふれる設定、本だからこそ騙されるミステリーが面白い。

2024/04/29

ＳＦ×ミステリというよりは謎の先がメインなのかな、という印象を持っていると、がつんと殴られる。先へ進むにつれてどんどんギアが上がった気がする。

『もう一度、君と』が素晴らしく鳥肌が立った。現実パートと作中のVRゲームが交互に繰り返される構成が見事。まんまと嵌められてしまった。
『目に見えない愛情』も最後まで読み終わったあとに最初からパラパラ文を拾うと、なるほどと思った。何も見えていなかったのはわたしもまた同じ。

そして最後の『ベーシックインカム』。技術がどれほど進歩しても、我々人類の未来は明るいものであるという願いと希望がまぶしかった。

2024/04/17

※
AI、遺伝子組み換え、VR、人工視覚など、
今現在の感覚で想像するといつか訪れるかも
しれない夢の未来、それが当たり前にな状況で
暮らしている人たちの生活風景。

驚くほど便利に見える世の中でも、
人の心の揺れや頑なさが、人間の普遍と変容の
両方の側面を見せてくれてる。

未来の一場面を垣間見せてくれる物語でした。

2024/03/23

日々進歩する技術革新により人間は便利なものを多く生み出しているが、逆に失くなったことで生体環境が変化し、人間にとって悪作用になる可能性もある。本書では生成AI、遺伝子工学、VR（仮想世界）、強化技術（視覚）の近未来に起こるべき事件事故を未来予測小説として取り上げている。特に注目したいのは生成AIによる自立性ロボットが最終的に「人間排除」する可能性は多くなると予測する。生成AIロボットが求める完全完璧社会は人間的な感情や思想は要らない社会を築くことになる。今後人間社会がロボットの判断に委ねる社会に変わりつつあり気付いた時には人間はペットにような存在で恐怖感を持つだろう。

2024/03/17

何度も騙される見事な短編集だった。それぞれの短編でのどんでん返しもすごいが、表題作のベーシックインカムが1番のお気に入り。他とは違い、本格ミステリチックなところもあり、これまでの短編を利用した……ネタバレになるのがもったいない。最後の結末はきっと誰も想像つかないんじゃないかなと思います。ミステリ好きには本当に読んでもらいたい。

2024/02/11

かなり前に読んだ「探偵が早すぎる」と同じ作者さんだと知って読んだ。

変わった装丁でびっくり！
5つの近未来を舞台にした作品だった。
最後の一つで伏線が回収されてる（？）らしい。
私にはよくわからなかったけど(꒦ິ⌑꒦ີ)

2023/06/23

なんかタイトルと表紙で自己啓発ぽく見えるんだけどそれも織り込んでのあえての表紙なんかな。細かい事まで考えられてて凄いな。

それぞれに叙述的な要素があり良かったけど、なかでも「目に見えない愛情」は多重解決に涙した…親とは偉大だな…

タイトルの「ベーシックインカム」については、無理矢理くっつけたような感じではあったけど、そもそものベーシックインカムは賛成側なのでもっと深掘っても読んでいられたけど反対派の人には苦痛だろうなと思いながら読んでた。