平成怪奇小説傑作集(2) の商品レビュー
なんて幸せな読書。芳醇で美味な幻想小説のアンソロジー。もちろん中には肌の合わない作品もあるけれど、それは好みの問題。「傑作集」の名に恥じない名品揃い。飯田茂実の作風には驚嘆した。小川洋子や川上弘美の作品は「さすが」としか言いようがない。浅田次郎の大傑作には素晴らしさに涙。そして朱...
なんて幸せな読書。芳醇で美味な幻想小説のアンソロジー。もちろん中には肌の合わない作品もあるけれど、それは好みの問題。「傑作集」の名に恥じない名品揃い。飯田茂実の作風には驚嘆した。小川洋子や川上弘美の作品は「さすが」としか言いようがない。浅田次郎の大傑作には素晴らしさに涙。そして朱川湊人、光原百合、山白朝子の作品には文字通り泣かされた。東雅夫兄のおられる方角にはまこと足を向けて寝られぬ。え! まだ一冊あるの? なんて幸せな。
Posted by
ホラーアンソロジー2巻。今巻は初読みの作家さんが少ない…4人。「そうか、この作品はホラーカテゴリでも読めるんだ…」とおもったりしました。 既読の作品は6作品でしたが、聴いてるポッドキャスト『ハードボイルド読書探偵』で「シリーズもののうちの1つが多い」って指摘されててハッとしました...
ホラーアンソロジー2巻。今巻は初読みの作家さんが少ない…4人。「そうか、この作品はホラーカテゴリでも読めるんだ…」とおもったりしました。 既読の作品は6作品でしたが、聴いてるポッドキャスト『ハードボイルド読書探偵』で「シリーズもののうちの1つが多い」って指摘されててハッとしました。そうだ。。 津原泰水さんの「蘆屋家の崩壊」、しっかり読みたくなりました。綾辻行人さんの深泥丘シリーズは完走済。 今回の収録作が入ってる、小川洋子さん「まぶた」、川上弘美さん「龍宮」、森見登美彦さん「きつねのはなし」は蔵書にあるのでまんまと再読しました。好き。 気になったのは、飯田茂実さん「一文物語集」。収録作の奇妙な世界にもグッときて、編者解説でこの存在を教えてくれたのが二階堂奥歯さんだと書かれていて完全に撃たれました。舞踏家さんなのかな、すごいな。 3巻も楽しみです。
Posted by
18編の短編集ですから当然と言えば当然かもしれませんが、面白い物も面白く無いものも色々です。中では川上弘美さんの「海馬」がいいと思いました。朱川湊人さんの「トカビの夜」も好みです。
Posted by
平成三十年の間に発表されたホラー小説を、東雅夫氏が精選収録したアンソロジーの全三巻。第ニ巻の今巻は平成十年の小川洋子「匂いの収集」から平成十九年の山白朝子「鳥とファフロッキーズ現象について」までの十八作。 「匂いの収集」 静かに確実に這い寄る怖さがいい。猟奇的な未来を予想させる...
平成三十年の間に発表されたホラー小説を、東雅夫氏が精選収録したアンソロジーの全三巻。第ニ巻の今巻は平成十年の小川洋子「匂いの収集」から平成十九年の山白朝子「鳥とファフロッキーズ現象について」までの十八作。 「匂いの収集」 静かに確実に這い寄る怖さがいい。猟奇的な未来を予想させる結末。そして、その未来を知ってもなお、その場その関係から、逃げ出せない逃げ出さないと感じさせる、つながりがいい。最後の結末を知って、危うい関係にあると知るのだが、そこに逃れられない魅了させる何かを感じます。 「一文物語集」 語られてきた物語を、記録した趣。新耳袋の感覚。後半の『てのひら怪談』から収録の「歌舞伎」「軍馬の帰還」「芙蓉蟹」も掌編小説といったボリュームだが、その短い中で惹きつける力があるのは、怪奇・怪異の魅力だと思う。 怪奇・怪異だけが、そうではないのはもちろん。 ここに収録された「一文物語集」の中では、247、249、255がぞわりとさせる一文。 「グノーシス心中」 どうにも苦手な作品。サイコキラーは、読んでいて共感が得られない。おそらく、千秋とカグヤマに対峙する存在がいなかったからでないかな。一方的に殺人を繰り返し、やりたいことだけやって消えてゆく、開放感が千秋たちにはあったかもしれないが、自分には違和感。警察小説の中では、サイコキラーは嫌いでないのだけど。 「帰去来の井戸」 二巻収録作品の中で、一番好きな作品。ほっこり怪異は好き。怪異に対して、敬意を払いながら接しているという、人々のスタンスもいい。静かに、確実に引き継がれてゆく想い。二人が語り合うラストシーンが欲しかったけども、そこはこちらが想像を働かせる余韻というものか。 二巻が収録している平成年間は、ちょうど自分が怪談小説を読み始めた時期でもある。「蛇と虹」「お狐様の話」や『てのひら怪談』の作品は、馴染みがある。田辺青蛙との出会いはここから。
Posted by
怪奇小説なかでもホラージャパネスクが好き。 ただ怖いだけでなくこの世に残された情念までも感じられるような作品がいい。 でもあまりにも怖いのは夜には読まないことにしてる。
Posted by
平成の時代のホラーアンソロジー。やっぱり粒よりの内容に大満足。 既読だけれど綾辻行人「六山の夜」、恩田陸「蛇と虹」、朱川湊人「トカビの夜」、山白朝子「鳥とファフロッキーズ現象について」が秀逸としか言いようのない作品。何度読んでも素晴らしいです。 読んだことがないものの中で一番響い...
平成の時代のホラーアンソロジー。やっぱり粒よりの内容に大満足。 既読だけれど綾辻行人「六山の夜」、恩田陸「蛇と虹」、朱川湊人「トカビの夜」、山白朝子「鳥とファフロッキーズ現象について」が秀逸としか言いようのない作品。何度読んでも素晴らしいです。 読んだことがないものの中で一番響いたのは飯田茂実「一文物語集」。このたった一文から想像がとことん広がります。これ、もっと読みたいなあ。
Posted by
『匂いの収集』 『一文物語集』 『グノーシス心中』 『厠牡丹』 『トカビの夜』 が、好きだった。
Posted by
平成怪奇小説傑作選2巻。平成10年~19年までの作品を収録。 1巻の作品は全部未読だったけど、2巻では読んだことのある作品がちらほら出て来ました。 思えばブクログを始めたころ(10年前!!)は朱川湊人さんの本にはまっていて良く読んでいたなぁと「トカビの夜」を読んで思い出した。最近...
平成怪奇小説傑作選2巻。平成10年~19年までの作品を収録。 1巻の作品は全部未読だったけど、2巻では読んだことのある作品がちらほら出て来ました。 思えばブクログを始めたころ(10年前!!)は朱川湊人さんの本にはまっていて良く読んでいたなぁと「トカビの夜」を読んで思い出した。最近読んでないから久々に読みたくなりました。 未読の作品では、岩井志麻子「乞食柱」光原百合「帰去来の井戸」が好きです。飯田茂美「一文物語集」も面白い。 3巻にも期待。
Posted by
【収録作品】「匂いの収集」小川洋子/「一文物語集」飯田茂実/「空に浮かぶ棺」鈴木光司/「グノーシス心中」牧野修/「水牛群」津原泰水/「廁牡丹」福澤徹三/「海馬」川上弘美/「乞食柱」岩井志麻子/「トカビの夜」朱川湊人/「蛇と虹」恩田陸/「お狐様の話」浅田次郎/「水神」森見登美彦/「...
【収録作品】「匂いの収集」小川洋子/「一文物語集」飯田茂実/「空に浮かぶ棺」鈴木光司/「グノーシス心中」牧野修/「水牛群」津原泰水/「廁牡丹」福澤徹三/「海馬」川上弘美/「乞食柱」岩井志麻子/「トカビの夜」朱川湊人/「蛇と虹」恩田陸/「お狐様の話」浅田次郎/「水神」森見登美彦/「帰去来の井戸」光原百合/「六山の夜」綾辻行人/「歌舞伎」我妻俊樹/「軍馬の帰還」勝山海百合/「芙蓉蟹」田辺青蛙/「鳥とファフロッキーズ現象について」山白朝子
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
こちらは、平成10年(1998年)から平成19年(2007年)までに発表された19編を収録。 読んだことのある話はなく、割と好きな感じの話が多かった(『水牛群』と『海馬』の、「名は体を表していない不思議な生き物の話2編とか、さすがに雰囲気がある『乞食柱』とか)。 その中から一番好きな話を選ぶと『お狐様の話』(浅田次郎)かな。実際に起きた出来事に基づいて書かれているというのがまた怖い、失敗した憑き物落としの顛末。
Posted by
- 1
- 2