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ひりつく夜の音 の商品レビュー

3.5

19件のお客様レビュー

  1. 5つ

    1

  2. 4つ

    8

  3. 3つ

    5

  4. 2つ

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2023/12/24

多少、名の知れたクラリネット演奏家だったが、46才になり仕事が無くなってきた。男やもめの侘しい生活が延々と書かれて行く。節約のために豆腐が入っているパッケージの汁を飲み、週1回のモーニングを食べにファミレスに通う。スーパーでも安い物だけ購入。それでいて、クラリネットを上手く吹ける...

多少、名の知れたクラリネット演奏家だったが、46才になり仕事が無くなってきた。男やもめの侘しい生活が延々と書かれて行く。節約のために豆腐が入っているパッケージの汁を飲み、週1回のモーニングを食べにファミレスに通う。スーパーでも安い物だけ購入。それでいて、クラリネットを上手く吹けるようにという気力も無く、淡々と日常を過ごすだけ。このような記述が続き、読む気を削いで行く。 そんな中、昔付き合っていた女性の息子が突然現れる。ギタリストの息子を切っ掛けに音楽の道が再度開く。高校時代に親しかった女性との交流も復活して、後半からは希望を感じさせる展開となって行く。 前半のあの停滞感は何だったのだろう。最後まで読んで良かった。

Posted byブクログ

2023/10/03
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

下田保幸 クラリネット奏者。解散した『井村勝とロンサム・ハーツ』の元メンバー。四十六歳。 草木精二 カフェ『ジャンブル』のマスター。 佐久間音矢 警察に捕まり、身元引受人に下田を指名。二十二歳。ギタリスト。 佐久間留美 二十五年前に下田が大学生の頃に付き合ってた。十二年前に脳腫瘍で死んでいる。 野沢 男性警官。 小川栄 ロンサム・ハーツで下田の前にクラリネットを吹いていた。いわば下田の師匠。 鈴森朋子 下田の高校の同級生。ブラスバンド部。 薮内 下田の生徒。四十歳独身男性。 高倉乃々 フリーライター。下田が通う朝食バイキングの常連。 岸忠義 弁護士。 松江省吾 スカイマップ・アソシエイツのベース。 吉野叙安 スカイマップ・アソシエイツのドラムス。 須藤英春 トロンボーン。 竹岡文目 ジャズピアニスト。

Posted byブクログ

2023/09/14

ゆったりしたジャズを聴いているみたいにストーリーもゆったりと進む。節約の食生活がこと細かに語られ、やけにリアル。一方、演奏している時に気持ちが昇り詰めていく描写もリアル。どちらも一人の人の中にあるリアルで共感できました。 全体の雰囲気が心地よく、居心地のいいライブハウス(行ったこ...

ゆったりしたジャズを聴いているみたいにストーリーもゆったりと進む。節約の食生活がこと細かに語られ、やけにリアル。一方、演奏している時に気持ちが昇り詰めていく描写もリアル。どちらも一人の人の中にあるリアルで共感できました。 全体の雰囲気が心地よく、居心地のいいライブハウス(行ったことないけど)で、たゆたっている感覚で読みました。

Posted byブクログ

2023/03/30

本屋さんで、ジャズクラリネット奏者が主人公というのを見て、買ってみた。 クラリネットでジャズ?と言えばデキシーランドジャズ。 私はほとんど聞いたことが無いジャンル。 内容も、ミュージシャンであるけど、なかなか食えないという現実的な話で設定には共感できた。 少しでも音楽をやって...

本屋さんで、ジャズクラリネット奏者が主人公というのを見て、買ってみた。 クラリネットでジャズ?と言えばデキシーランドジャズ。 私はほとんど聞いたことが無いジャンル。 内容も、ミュージシャンであるけど、なかなか食えないという現実的な話で設定には共感できた。 少しでも音楽をやっている方にはお勧めです。 なかなか大人なミュージシャンの世界が覗けます。 デキシーランドジャズってこういうのですよね。 まあ、今時 日本では流行らないでしょうが、なんかのイベントでは今でも需要があるんでしょうね。 あ、実はわたし ニューオリンズ に行った事があります。 仕事ですが、某 OS メーカーの発表会があったので。 バーボンストリートなんか、まさにこんな感じでした。 https://www.youtube.com/watch?v=_ZdMxFiUf9Q&t=1s

Posted byブクログ

2022/11/29

なぜ、このタイミングで同級生のことを好きになるのかと前後読み直ししたがよく分からない。 出会う人達とのゆるいつながりが、この物語の醍醐味???今回は理解できない点が多い。

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2022/07/02

慎ましく生活している47歳の独身クラリネット奏者の男性。突如、元恋人の息子である音也と出会い少しずつ音楽への情熱が再燃し生活の変化が現れる。大きな展開はなく淡々と話は進むが温かみのある優しさに包まれている。暗い夜道を仄かな灯りが照らし導くような心が和むお話。 #読了 #寝読部

Posted byブクログ

2022/02/05

クラリネット吹きの話といふので読んでみた。 楽器のことは全然詳しく出てこない。 一度銀座の山野楽器にリードを買ひに行くシーンがあるのみ。 すごく面白くは…なかつた(*^_^*)。

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2021/08/31
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

小野寺さんが描く中年が主人公の作品を始めて読んだ。 でもほかの作品の青年と同じように、内側に熱を秘めた静かに自分と周りを観察している人物で心地よい。きちんと自分の手の届く範囲を見て、自分の生活を「生きて」いる感じがして、不思議と安心する。 さて本作。 ジャズマンでクラリネット奏者の下田保幸のところへ警察からの連絡。身元引受を依頼してきたのは25年前の元彼女の息子・音矢だった。そこから始まる保幸と音矢の生活。繋いでいるのは音楽。 自分が一番大切にしているもの(=音楽)がはっきりしていて、それ以外(収入の低さ、不安定さなど)の不安は淡々と受け入れて生きる。食はシンプル、ファミレス朝食海賊は週に一度の贅沢。 その淡々とした生活と、ディキシーランド・ジャズへの強い熱い想いの対比がいい。 大切なものを大切にすることってかっこいいと思わせてくれる。 ―――― ディキシーランド・ジャズというジャンルを初めて知った。 調べてみたら聴いてみたことはあったが、ディキシーと認識していなかった。 せっかくなので本作で紹介されている曲を流しながら読んでみた。これがよかった。 読み始め最初の数ページは30代の青年を想像し、その後、内容から40代だと認識を修正したが、曲を流し始めたら理屈抜きにその年代を生きてきた中年のおじさま像がはっきりと浮かんできた。 ノリがよく、明るく、でも懐かしいディキシーランド・ジャズ。ここから離れられないおじさまたち、新たに魅せられる若者たち。ジャズバー「ジャンブル」に流れる空気が少し想像できた。

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2021/08/25

片見里の出身者が出てくると知り、読み始めました。 ほんのちょこっとで、そこはがっかりでしたが、 それを上回る魅力がありました。 詳しくは→「小野寺史宜『ひりつく夜の音』もイイ♫」 https://blog.goo.ne.jp/mkdiechi/e/c149706fa93f9d03...

片見里の出身者が出てくると知り、読み始めました。 ほんのちょこっとで、そこはがっかりでしたが、 それを上回る魅力がありました。 詳しくは→「小野寺史宜『ひりつく夜の音』もイイ♫」 https://blog.goo.ne.jp/mkdiechi/e/c149706fa93f9d03ae450bf2bf1d50f1

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2021/06/17

46歳の下田はプロのクラリネット奏者。現在は音楽教室の講師のみで節約生活をしている。過去にあったものと、今にあるもの。失ったのか、見ようとしなくなったのか。そういうものが色々な出会いからまた動き始める。ジャズの演奏シーンは楽しくて本当に聴こえてくるような感覚。ジャズは全然聴いたこ...

46歳の下田はプロのクラリネット奏者。現在は音楽教室の講師のみで節約生活をしている。過去にあったものと、今にあるもの。失ったのか、見ようとしなくなったのか。そういうものが色々な出会いからまた動き始める。ジャズの演奏シーンは楽しくて本当に聴こえてくるような感覚。ジャズは全然聴いたことないのに。過去には確かにあった情熱のようなものが46歳になった今どうなるのか。やり直しはきくのか。新たに始めるには遅くはないのか。日常のなかで感じるたくさんの思いがあって誰にでも当てはまるものがあるような作品。

Posted byブクログ