ごめん。 の商品レビュー
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*あなたは“その言葉"を一日に何度、口にしますか? 様々なシーンのごめんで登場人物たちが少しずつ繋がってゆく、心温まる連作短編集* やられました。 普段何気なく、時には空気のように使っている「ごめん」。こんなにも奥深く、切なく、滑稽で、愛おしいものだったとは! ただ、あまりにも面白くて一気に読んでしまったのが悔やまれる…時を置いて、次回こそは一行一行じっくり堪能しながら読み返そう。いつまでもあたたかで切ない余韻が残る秀作。
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吉本佑理32歳。学生服専門の洋品店で働く。本を読むのが好きで人間は少し苦手。ひとりでいるのが一番落ち着ける。そんな佑理から連なる佑理の上司、同僚、恋人、親友など10人の人間達それぞれの想いを描き、最後に佑理で終わる11話からなる連作短編集。 人と違う価値観を持つものを”変人”と排斥しようとする世のなかで、多勢の価値観を押し付け決めつけられる窮屈さ。それに「ごめん。」としか返せず、私なんで謝っているんだろう?と違和感を覚える者がいる。 浮気をしたと謝罪会見をし、宴会に出たからと頭を下げる。どうしてこれほど他人を糾弾し、人に謝罪を求める世の中になったのか。誰が、何の権利で謝罪を要求するのか。ナニサマなのだ。 こんな気持ち悪い社会に、カトゲンがいつものユーモラスでいながらチクリとイタイ刺し傷を与える物語たち。 「形式だけの謝罪など欲しがる気持ちがわからない」 「謝罪って、受ける側も居心地が悪くなるものなんだよ。それがまともな人間であれば、だけどね」 そのとおりだと思う。 あるある~と頷き、クスリと笑って、ジワリと泣ける、カトゲン作品5作目も面白かった~。まだまだ読みます。
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ごめん、ごめんなさい、すみません。私たちは生きている間に何度この言葉を言うんだろう。心から謝罪して口にするばかりではなく、誰でも深い意味のない「ごめん」や形だけの「すみません」も口にしたことがあると思う。この本に出てくる「ごめん」にも色々な形がある。そんな謝罪ならいらないよと思う...
ごめん、ごめんなさい、すみません。私たちは生きている間に何度この言葉を言うんだろう。心から謝罪して口にするばかりではなく、誰でも深い意味のない「ごめん」や形だけの「すみません」も口にしたことがあると思う。この本に出てくる「ごめん」にも色々な形がある。そんな謝罪ならいらないよと思うものもあれば、謝る必要なんてないんだよと思うものも。 表紙の絵になっている黒電話のストーリーにはホロリとさせられました。
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色んな『ごめん』とそのごめんにまつわるエピソード。あーありある、こういう奴いるよなあーと読みながら同感した。
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一話完結だけど全体に繋がりがある話。 イライラさせるような人が出てくる話しは、最後にスカッとさせてくれた。課長とか大家とかコーセーの客とか。 なかでも杉原は最悪だったな。あんな考えの人、無理だわ。でもあそこまでではないにしてもたくさんいそう。 一番印象に残ったのが大森さん。 大森さんの話を最初読んだ時は、うわぁイタイわー、と思ったけど、でも自分も同じ様な事考えているな、と思った。 いくつになってもそういう気持ちは持っていてもいいよね。表に出さなければさ。
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もう、共感の嵐。謝罪をテーマに、とある社内の人間模様を描く連作短編集。全11話、どの話もこれは私のこと!?私の家族のこと!?そうそう、こういう無神経な奴いるいる~と、身に覚えが多すぎる。読書中は、うんうんと終始赤べこのように頷きまくり。昔は「ごめんで済んだら警察いらん」とよく親に...
もう、共感の嵐。謝罪をテーマに、とある社内の人間模様を描く連作短編集。全11話、どの話もこれは私のこと!?私の家族のこと!?そうそう、こういう無神経な奴いるいる~と、身に覚えが多すぎる。読書中は、うんうんと終始赤べこのように頷きまくり。昔は「ごめんで済んだら警察いらん」とよく親に怒られていたが、心からの謝罪かそうでないかは相手にすぐにわかるもの。薄っぺらく謝るのではなく、肝心要の時にきちんと誠意を伝える「ごめん」が言える人になりたい。難しいが。かなり女性目線な物語だが、それが描写に生きている。良かった。
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加藤元(かとうげん)さん、初読みです。最初に裏表紙を見てびっくり。女性なんだ。 会社員時代、女性の部下もかなりいたし、嫌われて無かったと思う。いや、一人陰口を言った人が居たようですが、それを伝えてくれた別の女性部下は「xxさん(私)の悪口なんて・・」と如何にも心外そうだったので...
加藤元(かとうげん)さん、初読みです。最初に裏表紙を見てびっくり。女性なんだ。 会社員時代、女性の部下もかなりいたし、嫌われて無かったと思う。いや、一人陰口を言った人が居たようですが、それを伝えてくれた別の女性部下は「xxさん(私)の悪口なんて・・」と如何にも心外そうだったので大丈夫だと思うのだが。。。 この本を読んでいると、ついついそんな思いが湧きます。 確かにこの本に出て来る多くの男性は不謹慎だったり、男性中心的だったり、いささか無神経。それは判ります。ただね、それに対する女性の内面的リアクションが私には少々怖い。ええ、そのレベルでそこまで否定する? そう感じるという事は、逆に言えば私もそんな風に女性に思われていたのか? そんな風に思いっきり女性的(と言うか男性がなかなか入り込めない領域)で書かれた物語です。 11編の短編集。各短編で様々な「ごめん」が出てきます。 序盤は苦戦。心の入った謝罪の「ごめん」では無く、言わされる「ごめん」やり過ごすための「ごめん」単なる口癖の「ごめん」そんな話が多いのです。善人ばかりの甘ったるいだけの良い話には飽食気味だけど、だからと言ってこういう寛容度の低い話が続くと少々ささくれてしまいます。終盤になって、後に繋がる「ごめん」の話が増えて良くなって行きましたが。 個人的には第7話の「ナニサマ」が良かったな。女性店長さんと元恋敵の女性の気風の良さにホッとします(笑)。
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「ごめん」という意味を考えさせてくれる短編11作 第一話 ひとり道 第二話 いつも俺から 第三話 甘いママ 第四話 いけない奥さん 第五話 かすがい 第六話 電話家族 第七話 ナニサマ 第八話 ウサギが転んだ 第九話 小言幸兵衛 第十話 ハッピーエンド 第十一話 しゃぼん玉 ...
「ごめん」という意味を考えさせてくれる短編11作 第一話 ひとり道 第二話 いつも俺から 第三話 甘いママ 第四話 いけない奥さん 第五話 かすがい 第六話 電話家族 第七話 ナニサマ 第八話 ウサギが転んだ 第九話 小言幸兵衛 第十話 ハッピーエンド 第十一話 しゃぼん玉 学生服を取り扱うメーカーの従業員たち周囲のエピソード。 謝るのも勇気がいるが、謝罪を受け入れるのも相手次第。 謝ればいいってもんじゃない、お互いの受け入れが大事なこと、それをみんな忘れて神経を擦り切らせていることを気づかせてくれた作品。
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制服メーカーで働く吉本佑里は新しく変わった上司からセクハラまがいなことを言われ続けていた。独り身で彼氏もおらず休日は家で家事や読書をしているほうが好きという佑里に「きみ、吉本さんを誘ってあげたら?」と出入りの業者である里村くんに言う始末。しかし、里村くんは顔色を変えずに「無礼です...
制服メーカーで働く吉本佑里は新しく変わった上司からセクハラまがいなことを言われ続けていた。独り身で彼氏もおらず休日は家で家事や読書をしているほうが好きという佑里に「きみ、吉本さんを誘ってあげたら?」と出入りの業者である里村くんに言う始末。しかし、里村くんは顔色を変えずに「無礼ですよ。失礼を通り越して無礼です」と言い放つ。そこから2人の距離は近づいていき… さまざまな「ごめん」のお話。そして、出て来る人たちがどこかしらで繋がっているのが面白かった!最初、楓子ちゃんは誰と繋がっているのか分からなかったけど読んでいくうちに「そこと繋がっていたのか!」ってなった。 そして、杉田課長は本当にダメな人だなぁと思った。このご時世によくそんなことが言えるよなぁと。よく佑里と大森さんと井上さんは我慢したよ。もっと早くに言えば良かったのにね。まぁ、仕方なかったのか。堪忍の尾が切れたということか。 1つ1つの話はそんなに長いものではなかったし、いろんな角度から見た「ごめん」で本当に面白かった。佑里と里村くんが幸せになって欲しいなぁ。 2020.2.14 読了
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いろんなごめん。がありました 素直に納得しながら読めた本です 昭和な電話機の表紙に惹かれ、カバーの言葉、1日に何度言葉にしますか?立ち止まって考えても見ました
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