人口減少社会のデザイン の商品レビュー
唯一予測できる未来として、人口減少が気になっています。 さまざまな視点から人口減少を考察されていて、分かっているようで分かっていないことも多かった。 ・ドイツも日本と同様に人口減少社会 ・女性の就業率が高い国のほうが概して出生率も高い。社会システムの対応が重要 ・これからの人...
唯一予測できる未来として、人口減少が気になっています。 さまざまな視点から人口減少を考察されていて、分かっているようで分かっていないことも多かった。 ・ドイツも日本と同様に人口減少社会 ・女性の就業率が高い国のほうが概して出生率も高い。社会システムの対応が重要 ・これからの人口減少時代は地域で過ごす時間の多い層が増えていく。こどもと高齢者は地域との関わりが強いから ・地方の人口流出はいまではなく高度成長時代に多かった。今は地方の高齢者が亡くなって人口が減少している。 ・年金マネーが首都圏に集中する ・今は高度成長時代に起こった大量の若年世代の首都圏流入が、数十年のタイムラグをへて別の形で顕在化している ・量的に拡大しないことは、変化がないことを意味するわけではない。量的拡大はモノ中心の経済にとらわれた旧来型の発想である ・超高齢社会では支出の最大の項目が社会保障となっており、税の累進性による再分配から社会保障給付による再分配へ構造変化が見られる ・寿命は食生活の影響が大きい ・長野県は高齢者の就業率が高く、野菜摂取量が多く、健康ボランティアが保健予防活動に取り組んでいる
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財政:債務残高 格差と人口:生活保護増加 社会的孤立:人と会わない 国策 工業化で地方から都市へ 郊外ショッピングモール型の都市像 2050年 日本は持続可能か? AIで推測 1.都市集中型: 2.地方分散型:中心部から車排除 歩いて楽しむ コミュニティ空間 欧州各都...
財政:債務残高 格差と人口:生活保護増加 社会的孤立:人と会わない 国策 工業化で地方から都市へ 郊外ショッピングモール型の都市像 2050年 日本は持続可能か? AIで推測 1.都市集中型: 2.地方分散型:中心部から車排除 歩いて楽しむ コミュニティ空間 欧州各都市 江戸時代まで1000万、江戸後半から3000万 明治から急増 2008年 1.28億ピーク 幸福度 1.コミュニティ 2.平等度 3.自然とのつながり 4.精神的よりどころ 成長という時間軸から 固有価値の空間軸へ 地域への着陸 コミュニケーションの外部化 遺伝情報→脳(文字)情報→デジタル情報 見知らぬ者同士のコミュニケーション(諸国)↔内側に向かって閉じた集団(日本) カイシャと核家族というムラ社会 → カイシャの流動化と一人暮らし世帯 集団を超えて個人と個人がつながる関係性? 居場所が少ない 自動車と道路が中心 →街を歩いて楽しめるコミュニティ空間に 鎮守の森と自然エネルギー コミュニティ 工業化は中央集権的な国レベルで 鉄道 道路 社会資本 が飽和 ローカルなコミュニティ 医療 サービス 環境 文化 まち 農業 非貨幣価値 経済 物質→エネルギー→情報 →充足的な時間の消費へ Life(生命/生活) 自然の搾取 狩猟採集社会 →農耕社会 →産業化社会/私利の追求 →ポスト資本主義 利他協調 社会保障費が政府予算の実質半分以上 カイシャと家族という社会保障が減少 日本のビジョン? ヨーロッパ型? アメリカ型? 人生前半の社会保障 先進国最下位 教育 住宅 フローよりストックの格差 土地は私的所有 財源=消費税 相続税 環境税 使う段階での再配分 家族や集団を超えた支えあい 医療費 42億円(2016年) 税金4割 高齢者医療費 約6割 アメリカ研究開発予算 軍事と医療 医療費に対して低い平均寿命 過剰による病 生涯医療費の半分は70歳以降 人生前半は精神的 社会的な医療 長野モデル 長寿=日常生活 1.高齢者の就業率 2.野菜摂取量 3.健康予防活動 山梨 健康寿命一位 地域コミュニティ、食事時間 図書館公民館数 進化医学 狩猟採集時代 血糖維持機能→糖尿病 止血機能→血栓、動脈硬化 病気の根本原因=社会や環境とのギャップ 診療報酬 開業医に多くの医療費配分 高次機能病院への配分少ない 死 2000年から年間100万人 2040年には170万人 70%病院で死亡 ホーム増加 直線としての人生 円環としての人生 意識の不死 グローバル化の終わりと その先 →ナショナリズム 米 自国中心主義 →持続可能な福祉社会 欧州 環境と福祉と経済 ローカルからグローバルへ 日本 高度成長時代の拡大成長発想から 持続可能性、経済と倫理の融合へ 自然= 集団を超える価値原理 公共性 神・仏・儒(自然・精神・社会)=伝統的価値 +個人 グローバル =ローカル(地域個別)とユニバーサル(普遍)の対立を総合化する理念
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タイトルだけで、淡白で薄っぺらい内容を想像したが全くそんな事はない示唆に富んだ本。データに基づき現象を正しく分析するだけではなく、守備範囲も広い。多々、学びがあった。 社交のための関係性を持たない「社会的孤立」の度合いが、日本は先進国の中では飛び抜けて高い。それ故に、出会いも少...
タイトルだけで、淡白で薄っぺらい内容を想像したが全くそんな事はない示唆に富んだ本。データに基づき現象を正しく分析するだけではなく、守備範囲も広い。多々、学びがあった。 社交のための関係性を持たない「社会的孤立」の度合いが、日本は先進国の中では飛び抜けて高い。それ故に、出会いも少なく、未婚率も増え、出生率は低下。引退後の無気力を招き、孤独死、あるいは死ぬ時は病院で。 日本人はいつから、他人に対してこんなにも線を引くようになったのだろう。同じ車輌に押し込まれた悲しい勤め人なのに、目も合わせない。空間を共にしても、会話をする事は稀。コミニティー空間や居場所がない。昔は、教会や神社がコミニティーの役割を果たしていたのだという。確かに、何かしらの儀式が地域交流を齎し、集団信仰が結束を導いたのは想像し易い。お醤油を隣近所に借りたなんて話もサザエさんなどの漫画で見た。今はコンビニやネットもある中で、自分で何とかできてしまう社会。多様性、個の尊重が裏表で自己責任社会を招いた。 イギリスに東インド会社が設立された。1600年とほぼ同時期、1601年にエリザベス救貧法と呼ばれる現在の生活保護に相当するような制度が作られた。社会主義から資本主義に接近した社会主義市場経済と、資本主義から社会主義に接近した福祉国家は、既に連続的な関係にある。「人生前半の社会保障」、ストックに関する社会保障が重要だと著者はいう。 人生前半に手厚くするという思想は重要だ。生涯の医療費の約半分は、70歳以降にかかる。先進国における15歳から44歳までの病気の原因は、精神関係の病気、あるいは社会的な要因(道路交通事故)が上位を占めている。つまり、「人生前半の医療」は精神的ないし、社会的なものが中心である。貴重な労働力を躓かせない、いや、転んでも立ち直れる社会が重要。教育投資の価値が高いのも、人生前半だ。老人達よ、若い人から搾取するならせめて富裕層の資金を若者の投資へ。
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これからの日本社会はどうあるべきか、多くの視点から問題提起、議論されており、頭の整理が進む。将来世代への借金の押し付けは、若者世代が日本を見限る原因になり、国の崩壊に繋がっていくというのが、さして遠くない未来に起こり得るのを考えると、子供達に自衛のためにどうするか、どう伝えるのが...
これからの日本社会はどうあるべきか、多くの視点から問題提起、議論されており、頭の整理が進む。将来世代への借金の押し付けは、若者世代が日本を見限る原因になり、国の崩壊に繋がっていくというのが、さして遠くない未来に起こり得るのを考えると、子供達に自衛のためにどうするか、どう伝えるのがよいか考えさせられる。
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人口減少社会は、感覚的に、ぼんやりと認識しているが、日常生活では具体的には把握しづらい。その感覚差を埋めるため手に取る。 本書では、様々なデータや論文を引いて、社会や制度、死生観など幅広く、状況の説明と施策の提示が行われている。 人口はある程度、減少しても良い、など、お!と思わせ...
人口減少社会は、感覚的に、ぼんやりと認識しているが、日常生活では具体的には把握しづらい。その感覚差を埋めるため手に取る。 本書では、様々なデータや論文を引いて、社会や制度、死生観など幅広く、状況の説明と施策の提示が行われている。 人口はある程度、減少しても良い、など、お!と思わせる話もあり、硬い書ですが、一気に読める。良書。
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日本の高齢化率が特に高くなっていくのは、長寿が原因だと思いがちだ。しかし、そうではなくて、少子化が大きな原因であることをデータで証明。 また、女性の就業率が高い国の方が概して出生率も高いことも他国との比較で明確にしている。 少子化の避けられない日本にとって「若い世代の生活や雇用...
日本の高齢化率が特に高くなっていくのは、長寿が原因だと思いがちだ。しかし、そうではなくて、少子化が大きな原因であることをデータで証明。 また、女性の就業率が高い国の方が概して出生率も高いことも他国との比較で明確にしている。 少子化の避けられない日本にとって「若い世代の生活や雇用の不安定ないし困窮が、少子化の一つとなり、若い世代への支援こそが『人口減少社会のデザイン』にとって非常に重要」だと筆者は言う。 しかし、やみくもに少子化を否定するのではなく、これも他の先進国の国土面積と人口の比較から、日本はある程度人口は減っても良いとするなど、非常に現実路線。 これならやれる、というラインを見つけ出そうとしているところが広井さんの良いところだと思う。
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前半は具体的な話、後半は根底のマインドやまとめの話。 具体的な話(多極集中、若者への分配、医療費本体から周辺分野へのシフトなど)は、納得いく話が多かったけれど、後半は理解が追いつかなかった。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
定常社会論なんだけど、まとめとしての読みやすさがキモ。新しい話はあまり多くないし、突っ込みどころはさらっと流しているけど、ともかくひとまとまりになっているのはありがたい。
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人口減少社会のデザイン 著:広井 良典 著者の研究グループでは、AIを活用した日本社会の未来シミュレーションを行い、①人口②財政・社会保障③都市・地域④環境・資源という4つの持続可能性に注目し、日本が2050年に向けてじぞく可能であるための条件やそのためにとれるべき政策を提言す...
人口減少社会のデザイン 著:広井 良典 著者の研究グループでは、AIを活用した日本社会の未来シミュレーションを行い、①人口②財政・社会保障③都市・地域④環境・資源という4つの持続可能性に注目し、日本が2050年に向けてじぞく可能であるための条件やそのためにとれるべき政策を提言する内容の成果をまとめている。 日本社会の持続可能性を実現していく上で、「都市集中型」か「地方分散型」かという分岐がもっとも本質的な選択肢であり、また人口や地域の持続可能性、そして健康、格差、幸福等の観点からは「地方分散型」が望ましいという結果が示された。 構成は以下の7章から成る。 ①人口減少社会の意味 ②コミュニティとまちづくり・地域再生 ③人類史の中の人口減少・ポスト成長社会 ④社会保障と資本主義の進化 ⑤医療への新たな視点 ⑥死生観の再構築 ⑦持続可能な福祉社会 シミュレーション能力の向上により、過去のデータから、困難とされる未来もぼんやりではあるものの見えてくる。明るい未来だけではなく、残酷な世界も見えてきてしまう。 「都市集中型」か「地方分散型」かその組み合わせか。それとも違った道があるのか。バラ色の未来が保証されているわけではない現状を受け止めながら、未来を思った現状の我慢と努力をどれだけの人が覚悟を持って出来るのか。 他人事ではなく、自分事として自身も捉え直して関わっていきたい。
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要点だけおさえるならあとがきだけ読めばOK 「2050年の日本は持続可能か?」 を大きな問いとして、近代化論、人口統計、コミュニティ、まちづくり、自然エネルギー、社会保障、死生観など多様な視点から今後の日本社会のあり方を考える本。 筆者の主張としては 高度経済成長期のころから...
要点だけおさえるならあとがきだけ読めばOK 「2050年の日本は持続可能か?」 を大きな問いとして、近代化論、人口統計、コミュニティ、まちづくり、自然エネルギー、社会保障、死生観など多様な視点から今後の日本社会のあり方を考える本。 筆者の主張としては 高度経済成長期のころから引きずっている成功体験「経済成長がすべての問題を解決してくれる」「集団で一本の道を登る」という思考から抜け出して、地方分散型・多極集中型のコミュニティ感覚を重視した地域づくり(たとえば歩いて楽しめる街)によって成熟社会へ向かおうという結論でした。 ヨーロッパの事例がちょこちょこ出てくるけど、そもそも都市の成り立ちがちがうから、日本の街で歩行者にやさしく、というのは今さら難しいかもしれない。でも、考え方として、高齢化をみすえた地域づくりは必要だと思う。バリアフリーな街ってないかな〜。 あとはマインドの問題だよね。成長思考は根深い。 集団で一本道を登る から 各々のペースで好きなルートで登っていく。もはや登らなくてもいいし。頂上には空しかないから、どうやって山登りを楽しむかだな。
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