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色彩 の商品レビュー

3.3

10件のお客様レビュー

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2024/02/13

塗装やで元ボクサーの主人公と美大卒の加賀くん。 経歴や題材には興味を持てないと思ったんだけどとてもいい読み心地だった

Posted byブクログ

2022/08/16

回りくどい難解な言い回しがなく、大衆小説として素直に読み進めた。展開が予測されがちなストーリーではあったが、読み物としては良かったかと。

Posted byブクログ

2021/11/20

主人公は親方含め三人という小さな塗装会社で働く千秋。妊娠中の亜佐美と所帯をもつ青年である。そんな千秋には、ボクシングで新人王に輝き日本ランキング一位にまで登りつめながら引退した過去があった。 平穏な日々を過ごす千秋が務める塗装会社は、競合する他社の廃業などによって受注が増えたこ...

主人公は親方含め三人という小さな塗装会社で働く千秋。妊娠中の亜佐美と所帯をもつ青年である。そんな千秋には、ボクシングで新人王に輝き日本ランキング一位にまで登りつめながら引退した過去があった。 平穏な日々を過ごす千秋が務める塗装会社は、競合する他社の廃業などによって受注が増えたことから新人を四月から雇い入れることを決める。そこに募集してきたのは芸術の専門学校を卒業したばかりの加賀という華奢な青年だった。久しぶりの新人加入に浮き立つ親方と同僚の高俊とは対照的に、千秋は当初から絵を諦めたという加賀くんに違和感をもつ。職場やプライベートをとおしてやや常識外れな加賀くんの言動を知るにつれ、さらに説明しがたい不快感を募らせていくのだった。 約220ページ。文字サイズと会話文・改行が多めのため実質的な文字数は少なく、ボリュームとしては短めの長編といったところ。物語を牽引するのはやはり塗装会社の新人として加入する加賀くんの存在で、千秋をとおしてみる彼の不快さ・不自然さが上手く描かれている。そのため、加賀くんがストーリーにどのような影響を与えるのか、加賀くんがどのような人物なのかに常に興味をそそられる。 読み終えて、千秋が加賀くんに感じていた違和感に納得させられる。市井にあって普通の日常を生きる多くの人々のために送られた小説といえるだろう。作中の演出でとくに印象的だったのは、加賀くんの描き方以外にも、千秋夫妻の不和の一場面や、親方の娘で中学生である彩香の一部の言動、不愉快な顧客など、端々に漂わせられた不穏なシーンの巧妙さだった。そのあたりの巧みさもあって、中盤頃までは実際の本作の結末とは全く違った結末も想像させられ、先の展開を楽しみに読むことができる作品だった。

Posted byブクログ

2020/07/29

元プロボクサーと絵を志して諦めた左官屋の物語。 終わり。 物語は特に深くはなく、また人物設定もそう深くなく、というか浅いw それでもなかなか心理描写はリアルでなかなか読んでいて共感があり、物語のありえない展開にもこの小説なら全然ありだなぁと違和感なく読めた。 難しくは考えず、こう...

元プロボクサーと絵を志して諦めた左官屋の物語。 終わり。 物語は特に深くはなく、また人物設定もそう深くなく、というか浅いw それでもなかなか心理描写はリアルでなかなか読んでいて共感があり、物語のありえない展開にもこの小説なら全然ありだなぁと違和感なく読めた。 難しくは考えず、こういうのもありと思わせてくれる小説だった。 もうすこし登場人物を煮詰めていればもっと面白くなっただろうと思う。 まぁ、あくまで主観。

Posted byブクログ

2020/04/20

第35回太宰治賞受賞作。 そもそも太宰治賞を意識して本を読んだことはなかったのですが、とても素晴らしい作品だったので過去の受賞作を検索してみました。「さよならオレンジ」だけ読んだことがありましたが、他は全然知らない作品ばかりでした。 第2作に恵まれない人たちが多いようで、この作家...

第35回太宰治賞受賞作。 そもそも太宰治賞を意識して本を読んだことはなかったのですが、とても素晴らしい作品だったので過去の受賞作を検索してみました。「さよならオレンジ」だけ読んだことがありましたが、他は全然知らない作品ばかりでした。 第2作に恵まれない人たちが多いようで、この作家さんも次が出ないのではないかと心配です。是非次回作も見てみたいと思います。 さて、作品としてはボクサーの夢破れた青年が、画家の夢破れて入社してきた後輩の鬱屈した姿を見て、忘れていた鬱屈がよみがえり歯車が軋むような感覚を覚えます。その違和感の原因はなんなのか・・・。 彼らの職場である、塗装会社の人々もとてもいい人たちで、自分もここで働きたいわと思うくらい居心地が良さそう。そんな中で夢破れ入ってきた彼らを見守りつつ、自分たちの仕事へのプライドも気高く持っている。どういう気持ちで彼らを見守っているんだろうと考えました。 誰も完全に望む仕事に就くことは難しいし、毎日ご飯食べなければならないし、家族や従業員を養わなければいけない。 人と競って頂点に立つことが夢だとしたら、その為の行為はただの道具という事になります。僕で言うならより沢山の人々の前で歌う事が夢で、それが叶わないから歌うのを止めるかと言われれば、一生歌っているんだろうなと思います。歌は道具ではないし、成功というのはその結果だと思います。 彼らの夢も、成功する以前の、「絵を描いているだけで」、「ボクシングをしているだけで」幸せだった時代を思い返せば、形を変えて彼らの前に現れます。 自分探しで苦しんでいる人たちにとてもお勧めです。人生はずっと続いていくのだから、望まない状況であっても、自分の好きなことを生活に盛り込んで忘れず生きていく事は、何も恥ずかしいことではない。

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2020/01/25

若い頃は、これから未来の時間が、永遠にあるように思われて、夢を追いかける事が、素晴らしい事に感じていた時があった。 でも、夢をあきらめるという選択も、人生で、難しい。 何でもが、可能と思って生きていても、大きな壁にぶち当たることもある。 又、二手に分かれた道を、どちらを歩むかと...

若い頃は、これから未来の時間が、永遠にあるように思われて、夢を追いかける事が、素晴らしい事に感じていた時があった。 でも、夢をあきらめるという選択も、人生で、難しい。 何でもが、可能と思って生きていても、大きな壁にぶち当たることもある。 又、二手に分かれた道を、どちらを歩むかと、選択しないといけない未来もある。 初めて読む作者 阿佐元明氏。 ボクシングのステップを踏むような面白い表現の仕方で、塗装の仕事の匂いを表している出だし。 ボクシングの夢をあきらめ、塗装の仕事に就いた千秋。 そして、そこへ絵を描くことをあきらめた新米の加賀君が、入って来る。 豆電球と、綽名される新米君に、千秋は、少し距離を置いていたのだが、、、、 しかし、部品工場の壁に、空の絵を描くことになった事で、皆、心ひとつになり、素敵な壁になったのだが、、、、、 そこの工場主は、居なくなり、ペンキの代金も貰えず、そして、グレーのペンキで、塗りつぶさなくては、いけない事になる。 何か、この壁のように、未来のような青空が、グレーに塗りつぶされて行くような、、、展開に、少し、残念な気になった。 でも、加賀君は、実家へ戻り、又、絵を描くと、、、そして、千秋は、又練習を始める・・・・ あのアパートの壁のように、ピンク色のような素敵な未来を見つめて・・・ 凄く読み易い本であり、若い人なら、読んで欲しい本だと思った1冊である。

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2020/01/19

ボクサーと画家、一度諦めた夢にもう一度挑戦する2人の男、行き詰まり姿を消した男、壁面に描いた空の絵が、それぞれの勇気と切なさを語りかけてくる。

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2020/01/12

夢を諦めるということについてどこまで考えたことがあるだろうか. 夢を見ることは良いことで,夢を諦めることは悪いことであるかのように語るオトナは本気で夢を見たこともなければ,諦めると言う言葉のほんとうの意味も知らないんです. そして諦めることの意味を知るものは優しくて強い.諦め...

夢を諦めるということについてどこまで考えたことがあるだろうか. 夢を見ることは良いことで,夢を諦めることは悪いことであるかのように語るオトナは本気で夢を見たこともなければ,諦めると言う言葉のほんとうの意味も知らないんです. そして諦めることの意味を知るものは優しくて強い.諦めることを通じて自分と世界の関係をよくみて理解を深め,アップデートしてひとまわり成長するのが諦めの本質だから. かつて夢をあきらめた男たちが仲間との衝突を通じて自己の観察を深め,自らをアップデートしていく人生の本質が色鮮やかに描かれていて,気持ちの良い読後感.

Posted byブクログ

2019/12/29

プロボクサーの道をあきらめた千秋は、懐の深い親方の下で塗装業の仕事に就き、日々はそれなりに充実している。 そこへ美術の専門学校を出た新人加賀君が入ってくる。 仕事の覚えは早く、酒には弱いが周囲に好意的に見守られる加賀君に違和感をぬぐえない千秋。 嫉妬とも違うその違和感の正体とは?...

プロボクサーの道をあきらめた千秋は、懐の深い親方の下で塗装業の仕事に就き、日々はそれなりに充実している。 そこへ美術の専門学校を出た新人加賀君が入ってくる。 仕事の覚えは早く、酒には弱いが周囲に好意的に見守られる加賀君に違和感をぬぐえない千秋。 嫉妬とも違うその違和感の正体とは? (アマゾンより引用) 何かよく分かんなかった。 あの壁画にみんなが感動するところが特に

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2019/10/27

太宰治賞受賞作ということで期待して読んだ。元ボクサーの塗装業の男が主人公で、そこに元画家志望の青年が入社してくる。何故か、彼は青年を嫌い。夢が破れた者同士という同族嫌悪の感情なのか、それとも夢を諦めきれずに不完全燃焼している飲み歩いて憂さ晴らししている青年に腹をたてているのかわか...

太宰治賞受賞作ということで期待して読んだ。元ボクサーの塗装業の男が主人公で、そこに元画家志望の青年が入社してくる。何故か、彼は青年を嫌い。夢が破れた者同士という同族嫌悪の感情なのか、それとも夢を諦めきれずに不完全燃焼している飲み歩いて憂さ晴らししている青年に腹をたてているのかわからんが、とにかく嫌う。ある工場に空の絵を描く共同作業を通して、何か1つみんなが前に進む。それぞれの夢破れた男たちに、この作業は色彩を与えてくれたということなのかな。

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