新・リーダーのための教養講義 の商品レビュー
同志社大学での集中講義の議事録本。各学部から選ばれた20名の学生への4日間の集中講義。 元外交官の佐藤優氏、東郷和彦氏による対ロシアとの北方領土返還交渉をテーマとした授業が特に興味深かった。
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同志社大学での集中講義を収録したもの。 ゲノムのとこも数学のとこも完全にお手上げなので、勉強せねば…と思いました… 北方領土の問題はさすがに結構頭に入ったかもしれない。逮捕時のこともっと詳しく読んでみたい。
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久しぶりに佐藤優本を読んだが、これは題名より中身が良かった。特に、主にロシアとの激しい外交戦について東郷和彦氏を交えた生々しいやり取りを大学生向けに講義しているところ。北方四島についての交渉は、まだ決着してない、現在進行形の課題であるが、ソ連(ロシア)との交渉の生々しさ、落とし所...
久しぶりに佐藤優本を読んだが、これは題名より中身が良かった。特に、主にロシアとの激しい外交戦について東郷和彦氏を交えた生々しいやり取りを大学生向けに講義しているところ。北方四島についての交渉は、まだ決着してない、現在進行形の課題であるが、ソ連(ロシア)との交渉の生々しさ、落とし所を探しながら国益を取りに行く姿勢など、最近ではテレビやニュースではほぼフォーカスの当たらない所の裏側だけに、刺激的。経済的な視点だけで、四島を得るメリットがないと言い切る経済学者に対して、それはそう言う立場の人はそう言うだろうとして、これは国として必要な闘いなのだと言う立ち位置など、自身の視点が経済的な観点かつ、本当に経済的な理由としての裏付け無く、ただ感じていただけなのかもとか、考えるきっかけになる。『交渉の達人』を並行で読んでいたのだが、ビジネスにおける交渉より、国の在り方すら変える可能性のあるこちらの方が重みが違うなと。 さらにプーチンが、四島について歩み寄りを見せていた事も、クリミア半島併合から、ウクライナへの侵攻も含めて考えると、空恐ろしい人だなと感じてしまった。今の日本で、この複雑系の国際関係のパワーバランスって取れてるのかな?とか無用な心配をしてしまった。 ゲノム編集とAIについての講義もあったが、ロシア外交戦の分量と内容の濃さが際立つ。 世界と戦うための頭脳は、若い人たちだけではなく、おじさんもおじいさんになっても、鍛えておかないといけないですね。
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同志社大の3泊4日の合宿。日露外交、ゲノム編集、AIをテーマに繰り広げられるディベート。専門性を越えた知を身につけた、将来のリーダーを育てるために、佐藤優、東郷和彦らが講義する。特に日露交渉に関しては手厚い。
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教養をもつことで個別の問題を全体的な視野から考えられるようになって、いまの複雑な問題にも立ち向かえるのではと思った。教育で必要なこととか、外交の舞台裏についても詳しく書かれていて面白かった。自分まで講義に参加できてるみたいだった。
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本書では、佐藤優さんが伝授するインプットとアウトプットの技法を知ることができます。本に書いてある内容を実践すれば、しぶとい脳をつくることができます。 本書には、知識が役立つ理由やディベートの効果的なやり方、教育の技法など、幅広くのっています。 本書の内容はやや堅いですが、考え...
本書では、佐藤優さんが伝授するインプットとアウトプットの技法を知ることができます。本に書いてある内容を実践すれば、しぶとい脳をつくることができます。 本書には、知識が役立つ理由やディベートの効果的なやり方、教育の技法など、幅広くのっています。 本書の内容はやや堅いですが、考え方や論理的思考を身につけるのにもってこいの1冊です。
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署名や副題から、佐藤氏によるビジネスや勉強に 対するテクニックの伝授のようなに感じますが、 全く違います。 同志社大学で実施された実践的特別講義の内容が そのまま書き起こされただけですが、これが非常 にハイレベルです。 インプットとアウトプットの技法などという、あ りきたりな...
署名や副題から、佐藤氏によるビジネスや勉強に 対するテクニックの伝授のようなに感じますが、 全く違います。 同志社大学で実施された実践的特別講義の内容が そのまま書き起こされただけですが、これが非常 にハイレベルです。 インプットとアウトプットの技法などという、あ りきたりなビジネス書で取り上げられているよう な内容とは全く異なります。 本当にエリートを育てるための講義なのです。 主に佐藤氏のライフワークでもあった北方領土 問題を中心に、学生たちがもし自分が外交官であ ったらどのように振る舞うか、というような対話 型の授業が続きます。 その他にも、歴史、AI、ゲノムまで多岐にわたり それについていく学生達も本当にしっかりと勉強 していて感心してしまいます。 まだまだ日本の若者も捨てたものではないな、と 感じる一冊です。
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同志社大学から選抜された「新島塾」の学生に対して、理系文系を超えた「統合知」としての教養の意義を伝える講義。 まず、外交官として不足している基礎学力は、「数学」「論理学」「哲学史」だと佐藤優氏はいう。つまり外交官に必須のディベートには、膨大な知識量と論理的な思考力と思考の鋳型形成、つまり個別の問題を束ねて総合的に見て考え、適切な判断が下せる力―「統合知」―が必要だという。 ドイツ語で広い意味での「科学」(Science)を「ヴィッセンシャフト(Wissenschaft)」と言う。ヴィッセン」は「知識」、「シャフト」は「体系を持っている全体性」。中世では、「博識」と対立する「体系知」を意味した。断片的な細かい知識をたくさん持っていても、「体系知」につながっていなければ意味がない。哲学はいっさいの断片的な知識を一つの「体系知」に組織するWissenschaftであるべきだと考えられた。 つまり、重要なのは断片的な知識ではなく、「体系的」「統合的」に組立、考えられるかどうかということ。 この教養講義の核となる、日ソ外交については、歴史的な事実と交渉の経過、今後の展望を講義。こちらは実務を担当してきた方々だけあって、生々しいリアルな論調の展開が進む。それを受けての学生のディベートもレベルが高い。 北方領土問題の発端は、「日ソ中立条約」有効期間中にソ連に一方的に破棄・参戦(1945年8月8日)されたこと、「サンフランシスコ平和条約」の締結(1951年9月8日。ソ連は署名せず)で「南樺太と千島列島の放棄」が書かれたこと。この条約締結当時、日本は「国後・択捉」を「南千島(千島列島の一部)」と考え、両島を放棄したと考えたことにある。一方「歯舞(無人島)・色丹」は、北海道の一部と考えられていた(1956年に「日ソ共同宣言」が出されて国交を回復したが(平和条約締結後日本へ歯舞群島と色丹島を引き渡すと明記)、平和条約は締結されていない)。 この「教養講義」は、「北方領土問題」から、ゲノム解析を題材とした生物学、AIを題材とした数学の講義の様子が伝えられている。 今後のプログラムはどのようになるのだろうか。 大物の登壇を期待したい。
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https://publications.asahi.com/ecs/detail/?item_id=21332
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『リーダーとは、それぞれの分野で活躍する場面の中で、先を見据え、何が大切なのかを読み取り、状況に応じて適切な判断が下せ、それに向かって努力を続けられる人物』。社会情勢を読み解く力をつけるために、教養は必要。
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