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AI時代の労働の哲学 の商品レビュー

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2024/01/07

「AIが…」と特殊に語られるけれども、基本を眺めなければ煽られるだけで理解ができないもの。AIに興奮したい人向けではないけれど、僕には必要な理解になった。 ただどううなのだろう。経済や社会、労働などのほかに、文化やそれを捉える人々のスロー回路の変化など。(風土性があるとは思う)...

「AIが…」と特殊に語られるけれども、基本を眺めなければ煽られるだけで理解ができないもの。AIに興奮したい人向けではないけれど、僕には必要な理解になった。 ただどううなのだろう。経済や社会、労働などのほかに、文化やそれを捉える人々のスロー回路の変化など。(風土性があるとは思う) 僕の興味の軸はおそらくこちらになるのだろうなと思った。しかし社会の本流は経済的なことなのだろうから、一度ゆっくりと読んでみたのはよかった。

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2023/06/28

人工知能の発達によって人間の仕事がうばわれるのではないかという問いかけがなされる現在において、あらためて労働をめぐる経済学や社会哲学における議論の蓄積のなかから、この問題について考えるための手がかりをとりあげなおし、人工知能がわれわれにもたらすインパクトの本質について考察をおこな...

人工知能の発達によって人間の仕事がうばわれるのではないかという問いかけがなされる現在において、あらためて労働をめぐる経済学や社会哲学における議論の蓄積のなかから、この問題について考えるための手がかりをとりあげなおし、人工知能がわれわれにもたらすインパクトの本質について考察をおこなっている本です。 著者は、ロックやスミス、ヘーゲル、マルクスなどの思想を渉猟し、資本主義における労働や疎外について彼らがいったいどのような思索を展開してきたのかということをたどっていきます。そうした枠組みを踏まえたとき、人工知能が人間の仕事をうばうという問題は、それが管理業務のようなものにまでおよぶことになるかもしれないとはいえ、従来の社会哲学において議論の対象となってきた枠組みのなかに収まるのではないかという見通しが示されます。 他方で、人工知能が道具以上の存在になって、人間の「内面」や「意識」にあたるものをそなえるようになったとすれば、現実には人びとに大きな葛藤をもたらすことになるとはいえ、それは人工知能を人間社会のメンバーに迎え入れることに対する抵抗感にもとづくものであり、本質的にあたらしい問題が生じるわけではないとされています。そのうえで、むしろ人間の「心」をもたないような人工知能にわれわれがかかわっていく場面において、人と物の二分法という枠組みそのものが問いなおされるという新たな問題が生じるのではないかという展望が示され、倫理学的な問題にまで踏み込んで考察がなされています。 人工知能についての問いを切り口にした、労働の思想史という印象です。

Posted byブクログ

2022/07/03

近代労働観:アダムスミス・ヘーゲル・マルクス・ジョンロック 労働と雇用:雇用/請負/委任・労働の二極・資本主義と雇用・労働と財産・産業社会論 機械、AIと雇用:AIと生産現場変化・経済学と機械・労働市場の不完全性・物的資本と人的資本・技術変化/機械化の経済学・機械化/AI化と雇用...

近代労働観:アダムスミス・ヘーゲル・マルクス・ジョンロック 労働と雇用:雇用/請負/委任・労働の二極・資本主義と雇用・労働と財産・産業社会論 機械、AIと雇用:AIと生産現場変化・経済学と機械・労働市場の不完全性・物的資本と人的資本・技術変化/機械化の経済学・機械化/AI化と雇用・技能偏向型技術変化 機械、AIと疎外:資本主義と官僚制・物神性・人工知能の人間化 では何が問題か:人/物2分法の解体・徳と身分・人と動物/動物としての人・AIと身分制・第二自然 AIと資本主義:グローバリゼーションと情報通信革命

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2021/07/25

昨年のコロナ禍の下で、取り組もうと思った「働くこと」についての本の読みつなぎ、こんな難しい本にまで届いてしまっています。題名に「AI時代〜」とは付いていますが、2014年のマイケル・A・オズボーン准教授らの論文『雇用の未来ーコンピューター化によって仕事は失われるのか』的な職業の浮...

昨年のコロナ禍の下で、取り組もうと思った「働くこと」についての本の読みつなぎ、こんな難しい本にまで届いてしまっています。題名に「AI時代〜」とは付いていますが、2014年のマイケル・A・オズボーン准教授らの論文『雇用の未来ーコンピューター化によって仕事は失われるのか』的な職業の浮き沈みの話ではなくて、そもそも「労働とはなにか?」という基礎の確認を行う、とても教科書として有効な本です。なので、アダム・スミス、ヘーゲル、ロック、マルクスまで遡っています。そこで、明らかにされるのは資本主義における「生産要素市場」の意味みたいなことになって、大きくピケティの『21世紀の資本』や斎藤幸平『人新世の「資本論」』という最近の読書も横糸として編み合わされてきます。一回読んで、理解出来ていないところ、多々ですが、自分が今、もやもや感じていることのアウトラインはこの薄い本に示されているような気がしています。もう一回。

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2019/11/30

アダム・スミス、ヘーゲル、マルクスから労働を説き起こし、AIが労働に与える影響を考える際の観点みたいなもの論じている。 現時点のAIの開発状況から予想される範囲内では、機械が人間の労働を完全に代替することはないが、機械の所有者とそうでない者との間に所得の格差が生まれる、とのこと...

アダム・スミス、ヘーゲル、マルクスから労働を説き起こし、AIが労働に与える影響を考える際の観点みたいなもの論じている。 現時点のAIの開発状況から予想される範囲内では、機械が人間の労働を完全に代替することはないが、機械の所有者とそうでない者との間に所得の格差が生まれる、とのこと。 またAI技術が発展して、機械が自律的に活動できるようになった場合(だいぶ先のこと?)は、法人格のように機械にも人格を与えることになり、それは人間vs機械ではなく、人間vs人間の話になるとのこと。 難しかった。。。

Posted byブクログ