世襲の日本史 の商品レビュー
個人的には、まえがきと終章の内容をもっと敷衍して徹底的に論じてほしかった。 現代は明治維新に匹敵する世襲否定が必要な局面だと思う。 が、残念ながら、著者の立場は曖昧模糊としている。
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世襲の成り立ち、要因を日本史を通して述べた本書。 大きな要因を自然環境・外部環境(異民族など)の穏やかさに立脚している。 確かに、世界史的に見れば大量虐殺などは相対的に少ないく、それだけ穏やかと言える(無いわけではない)。 しかし、穏やかな分、有能なリーダーを強く求...
世襲の成り立ち、要因を日本史を通して述べた本書。 大きな要因を自然環境・外部環境(異民族など)の穏やかさに立脚している。 確かに、世界史的に見れば大量虐殺などは相対的に少ないく、それだけ穏やかと言える(無いわけではない)。 しかし、穏やかな分、有能なリーダーを強く求めるというインセンティブが働きづらい。 長らくその状態が定着した結果、がっしりとした下部構造が出来上がっている。 多分、その状態が続く内は不幸ではないのだろうけど、危機的状況が起きた時には危ういのだろう。
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<目次> 序章 世襲から日本史を読み解く 第1章 古代日本ではなぜ科挙が採用されなかったか? 第2章 持統天皇はなぜ上皇になったのか? 第3章 鎌倉武士たちはなぜ養子を取ったか? 第4章 院家はいかに仏教界を牛耳ったか? 第5章 北条家はなぜ征夷大将軍にならなかった...
<目次> 序章 世襲から日本史を読み解く 第1章 古代日本ではなぜ科挙が採用されなかったか? 第2章 持統天皇はなぜ上皇になったのか? 第3章 鎌倉武士たちはなぜ養子を取ったか? 第4章 院家はいかに仏教界を牛耳ったか? 第5章 北条家はなぜ征夷大将軍にならなかったか? 第6章 後鳥羽上皇はなぜ承久の乱で敗れたか? 第7章 足利尊氏はなぜ北朝を擁立したか? 第8章 徳川家康はいつ江戸幕府を開いたか? <内容> 本の趣旨はタイトル通り。日本は古代から「世襲」の風習となり、無理に養子を取っても「家」の存続をさせたという。これが明治維新で、一時止まった(この辺の解説は薄いけど)。ところが大正期以降現代まで(戦後ちょっとだけ足踏みするが)この姿は残っている。政治はもちろん、芸能界、スポーツ界でも。その分析をした本である。 本郷先生は歴史に「動的な観察」がしたいという。なのでどの本もけっこう過激な物言いが多い。結果、やや雑駁な論理も見られる。この本も然り。でも、こうした本の方が読んでいて面白い。
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