ロヒンギャ難民100万人の衝撃 の商品レビュー
ロヒンギャ難民がこんなにも多くの人数がいること自体驚きだが、なぜ未だに解決できずにいるのか。これはもはや国際問題である。 日本や他の先進国も協力して解決していきたい。
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いったい何が起きている? ノーベル平和賞までもらったアウンサンスーチーはなんで止めないんだ? 分厚い本だが一気に読んだ。筆者はNPOのスタッフとしてロヒンギャ難民キャンプに入って支援を行った人。視線は低く、学者には書けない迫力がある。キャンプで出会った人たちを、「ロヒンギ...
いったい何が起きている? ノーベル平和賞までもらったアウンサンスーチーはなんで止めないんだ? 分厚い本だが一気に読んだ。筆者はNPOのスタッフとしてロヒンギャ難民キャンプに入って支援を行った人。視線は低く、学者には書けない迫力がある。キャンプで出会った人たちを、「ロヒンギャ難民」として一般化するのではなく、一人ひとりの「人」として書き出す。そのため、彼らの受けた理不尽な暴力や差別の痛みが伝わってくる。 その一方で、ロヒンギャの差別の背景や歴史を鳥瞰することも忘れない。とても素人のレポとは思えない、と思っていたら、本職は新聞記者だった。さすが。 ジャーナリストらしい冷めたバランス感覚が絶妙だ。ロヒンギャかわいそう、ではなく、ミャンマーの人々の心情や、ロヒンギャを受け入れざるをえなかった隣国バングラディッシュの本音、難民キャンプでタフに生きるロヒンギャの実情、NPOの問題点まで、さながらロヒンギャ難民問題百科という感じ。 それにしても、人間ってちっとも進歩しない。黒人差別、ロマ、ナチスドイツ、ルワンダ、ロヒンギャ、ヘイトスピーチ。構図はいつも同じだ。「普通の人々」一人ひとりに巣食う「自分と違うひと」に対する倦厭と憎悪。誰か悪役が一人(たとえばヒトラー)歴史に登場しなければそれは起きなかった、のではない。日本人はやるけど中国人はやらない、のではない。キリスト教徒も仏教徒もやらかす。 主犯は、ぼくら一人ひとりだ。 これはぼくの深読みだが、アウンサンスーチーが弱腰なのも、ロヒンギャ迫害をミャンマーの「普通の人々」が支持、または黙認しているから、なのではないだろうか。普通の人々を敵に回せば、苦労の末に手に入れた「事実上のアウンサンスーチー政権」が崩壊してしまう。それを恐れているのではないだろうか。 なんとかなんねえのか、人間ってのは。
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石井光太さんの著書の中で 始めて「ロヒンギャ」という存在を知った。 それ以来、その固有名詞を目にするたびに 耳にするたびに、意識してしまう。 そして、本書 著者が実際に難民キャンプに入り込んでの まさに身を挺しての取材の成果がこの一冊に 文章もさることながら 聞き取りをされたその...
石井光太さんの著書の中で 始めて「ロヒンギャ」という存在を知った。 それ以来、その固有名詞を目にするたびに 耳にするたびに、意識してしまう。 そして、本書 著者が実際に難民キャンプに入り込んでの まさに身を挺しての取材の成果がこの一冊に 文章もさることながら 聞き取りをされたそのご当人の写真が さまざまなことを物語っている このような労作に接する度に 「いったいぜんたい 世界ぜんたいが幸福にならなければ 個人の幸福はありえない」 という 宮沢賢治さんの言葉を 思い起こしてしまいます。
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※このレビューにはネタバレを含みます
ロヒンギャ問題の根っこから実情まで一気に書き上げている大作だ。筆者は実際に難民キャンプを支援している立場ゆえ、臨場感が伝わって来る。 「ロヒンギャ問題と何か」でも感じたが、根っこが深く出口が見えない問題である。 民主化を達成したというが、アウンサウンスーチー国家顧問とミンアウンフライン国軍最高司令官が同じ方向を向いているような対応には、国家顧問への期待が高かっただけに、非常に残念だ。
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