開高健のパリ の商品レビュー
たまたま入った武蔵小杉の無印良品の店で購入した。たまたま開高健のエッセイを久方ぶりに読み直していたのと、自分の好きな作家である角田さんが紹介文を書いていたので、衝動買いした形になる。
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角田光代の解説が面白かった。 戦後そう時を経ていない60年代に、貧困ど真ん中の日本から脱出すべく海外を夢見た著者。 現代人の自分たちが訪れるパリと、当時の日本人が見たパリとでは印象が全く違うだろう…。 そう考えると今は海外のどこに行っても少し味気ない。 クロワッサンと思われるパン...
角田光代の解説が面白かった。 戦後そう時を経ていない60年代に、貧困ど真ん中の日本から脱出すべく海外を夢見た著者。 現代人の自分たちが訪れるパリと、当時の日本人が見たパリとでは印象が全く違うだろう…。 そう考えると今は海外のどこに行っても少し味気ない。 クロワッサンと思われるパンを著者は「三日月パン!」と好んだ。今となっては、さして珍しくもないクロワッサンも当時の日本人からしてみたら摩訶不思議な食べ物だったに違いない。 肝心のユトリロの絵については、自分に知識・関心がなさすぎて、さらりと流してしまった。 読み手によっては、また全然違う印象を与える1冊だろうと思う。 開高健、うん、彼の小説をぜひとも読んでみたい。
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ユトリロの絵を通して知ったパリに、作家は1960年と61年に訪問している。 パリは、アルジェリア独立を巡っての大混乱の中にあった。 「自由、平等、友愛」の最高級のの文化を世界に輸出し、国内では最低の野蛮さを作り出している。
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昭和36年出版の「現代美術15 ユトリロ」を 再編集して発行したもの。 開高氏の文章力についていくのが精いっぱいの読書でした。 「開高健とパリ――解説にかえて 角田光代」から 始まり、開高氏のパリに関するエッセイとユトリロ の絵の解説、という濃密な一冊…じっくり読みましたが、 なかなか頭に内容が定着しなかったです。 アルジェリア独立闘争については開高氏自身が パーフェクトに理解できていないところが文章に されているので、さらに難解…なため雰囲気を味わって さらっと読了しました(^^;)
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若きの日に旅をせずば、老いての日に何をか語る。 旅をするということへの猛烈な憧憬を感じた。実際のパリを正確に描くというよりは開高さんの目を通じたパリを知ることができ、そうだ、旅というのはそういうことかと思った。情報を知ることはいくらでもできるけど、主観を通じたたった一つの世界を...
若きの日に旅をせずば、老いての日に何をか語る。 旅をするということへの猛烈な憧憬を感じた。実際のパリを正確に描くというよりは開高さんの目を通じたパリを知ることができ、そうだ、旅というのはそういうことかと思った。情報を知ることはいくらでもできるけど、主観を通じたたった一つの世界を得るのが旅。歳をとって振り返る思い出はきっといろんな思いが重ね塗られて事実とは違うかもしれないけど、それこそが本当のことになるって素敵だと思った。
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自分の文章体とは全く真逆と思われるユトリロの絵に魅せられて何度もパリを訪れた作家・開高健。彼のパリに関係したエッセイを抜き出して本にまとめたもの。そのエッセイを引き立てるように絵が散りばめられている。
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