ヴァラエティ の商品レビュー
奥田英朗の様々な短編を集めた一冊。 著者があとがきで書いているように、単発で書いた短編をいろいろなところから集めているのでまさに「ヴァラエティ 」である。 著者の短編は日常のなんでもないこと、普通なら記憶の端にしか留まらない然もない事をとりあげ、描写する。読者は「私にもそんなこと...
奥田英朗の様々な短編を集めた一冊。 著者があとがきで書いているように、単発で書いた短編をいろいろなところから集めているのでまさに「ヴァラエティ 」である。 著者の短編は日常のなんでもないこと、普通なら記憶の端にしか留まらない然もない事をとりあげ、描写する。読者は「私にもそんなことがあったなあ」「このような気持ちになったなあ」と共感するのである。 繊細な心の動きを登場人物の行動で著したり、その裏側を感じさせたりする、表現の達人である。
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短編と対談を集めたもの。 『おれは社長だ!』『毎度おおきに』はシリーズ化しそうだったのにならなかったらしい。 面白いし、キャラも出来上がってるのにもったいないなぁ。 『セブンティーン』は親としては悩ましいー! 心配だよ。こういう話は親子でしにくいし。 でもきちんとしないと、女の子は深刻な問題に発展もしやすいからな… 『夏のアルバム』泣いた。気を付けてたのに、些細な会話から母親のことを思い出させてしまった。悪気はなかったから言った本人も一緒に泣いたんだね。
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とても読みやすくて、安心して読める短編集でした。 「おれは社長だ!」をシリーズ化したものを読んでみたかったです。
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短編集です。 ・おれは社長だ! ・毎度おおきに ・ドライブ・イン・サマー ・住み込み可 ・セブンティーン ・夏のアルバム 確かにどれも微妙な空気感が漂い読んでて楽しかった。 ただ、もう少しパンチが欲しいな。という作品もあり。 今度は長編も読んでみたいです。
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もともこもありませんが、 そもそも短編があまり好きではないので、 得意ではありませんでした。 目線が秀逸で、ある一部を切り取って短編には なっているのですが、どうしても心のどこかで、 もっとこってりと!と言いたくなります。
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奥田英朗短編集。伊良部シリーズや我が家シリーズのような、一貫したテーマ性はなく、まさにヴァラエティに富んだ一冊になってる。 それぞれ読みやすく、何てことない話も面白く引き連れられるのはさすがです。 読後感も想像を掻き立てられる終わりかたで、個人的には好きです。
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あとがきにあるように、どこにも入らなかった短編を集めた1冊。それぞれタイプの違う話が読めてお得感がある。 一番楽しく読めたのは初めの社長シリーズ。 住み込みとサッカーも好き。最後の話は不覚にも泣きそうになった。ヴァラエティに富んだ短編集でした。
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バラエティに富んだ短編集。作者らしいユーモアと温かみのある作品と、普通の人間が徐々に犯罪に巻き込まれていく作品の両方が楽しめる。 個人的には最後の2つがよかった。特に、最後の作品(作者の実体験をもとに書かれたものらしい)がよかった。作者の少年時代の出来事も散りばめながら、子どもに...
バラエティに富んだ短編集。作者らしいユーモアと温かみのある作品と、普通の人間が徐々に犯罪に巻き込まれていく作品の両方が楽しめる。 個人的には最後の2つがよかった。特に、最後の作品(作者の実体験をもとに書かれたものらしい)がよかった。作者の少年時代の出来事も散りばめながら、子どもには知らされない大人の世界と、子どもたちの妙な価値観みたいなものが描かれていた。懐かしくて、切なくなる、そんな少年の成長物語として素晴らしいと思う。
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あとがきで著者がまとまらなかった短編集だと。 短編集だけど読み応えがありどのお話も面白かったけど、特にセブンティーン、夏のアルバムが良かった!
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イッセー尾形氏、山田太一氏との対談が載っていて、とても読み応えのある内容だった。 短編は… 社長の話は、2作でおしまいとするのは勿体ない感じ。 住込みの話は、最後のネタばらしにびっくりした。 高速道路の話は、非常識さにイライラ。 女子高生の母の話は、娘と母親のどちらにも共感でき...
イッセー尾形氏、山田太一氏との対談が載っていて、とても読み応えのある内容だった。 短編は… 社長の話は、2作でおしまいとするのは勿体ない感じ。 住込みの話は、最後のネタばらしにびっくりした。 高速道路の話は、非常識さにイライラ。 女子高生の母の話は、娘と母親のどちらにも共感できず。 最後の自転車少年の話は、教科書に掲載されてもおかしくないのでは?と思うくらい良かった。平成生まれで女の私だけど、昭和時代、少年時代の二重のノスタルジーにすっかり惹き込まれた。冒頭から終わらせ方まで、とっても「短編小説」っぽい。読後、静かな余韻が残る。
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