アンジュと頭獅王 の商品レビュー
時代劇かと思って読んでたら、時間跳躍モノのSFだった。古代と近代がゴッチャになって、正直、よく分からなかった。原典も似た感じなんだろうか?
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この姉弟ダメダメだ(︶^︶)母もだけど、高貴だからなんて理由にならないくらい、なんにも出来ない。出来ないのはしょうがないけど、芝刈りだの汐汲だのって、見様見真似でなんとかなるだろうよ。自分でやりもしないで助けてくれってそればっか。なんでこれで救われるのか不思議だわ。
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個人的にはダメでした。 ですから気に入らない方はこの先は読まないで下さい。 物語の前半は原作(森鴎外)に沿った形で進みます。変更点も有るのでしょうが、少なくとも粗筋や雰囲気はそのままです。ところが後半に入ると一気に「語り」が走り始めます。舞台も時空を飛び越えて、とはいえ勧善懲悪...
個人的にはダメでした。 ですから気に入らない方はこの先は読まないで下さい。 物語の前半は原作(森鴎外)に沿った形で進みます。変更点も有るのでしょうが、少なくとも粗筋や雰囲気はそのままです。ところが後半に入ると一気に「語り」が走り始めます。舞台も時空を飛び越えて、とはいえ勧善懲悪的な大筋は変更なく。 この「語り」をどう評価するか。「疾走感」「名調子」と肯定評価する人が多いのですが、私はついて行けず。そうなると「空回り」。走ってる感じは判りますが、刹那に走り去って残らないのです。もっとも文章そのものは流石で、ちゃんと読ませてはくれるのですが。 ま、私の好みの問題でもあるのでしょう、森見登美彦さんの『走れメロス』もダメだったし。 元々は神仏の縁起などを語った民衆芸能である説経節の『さんせう太夫』で金焼地蔵の縁起を語ったもの。それが浄瑠璃になり童話『安寿と厨子王丸』になり、さらに森鴎外によって『山椒大夫』として小説化される。 なんで「頭獅王」と思ってたら、そうか後半に大獅子に乗ってパレードするシーンがあるからなのか。 疑問に思ったのは、どういういきさつでこの本が書かれたのか? 調べたら開業25周年を迎えたパーク ハイアット 東京から執筆を依頼されたものなのですね。条件は「テーマは何でも良いのでうちのホテルで書いてくれ」というもの。このホテルのコンセプトが「タイムレス」で、それが古い物語を現代に繋ぐストーリーにつながったのでしょうね。
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「人の幸せに隔てがあってはならぬ。慈悲の心を失っては人ではないぞ」 古典の名作「山椒太夫」をベースに、安寿と厨子王が時空を超えて繰り広げる大冒険。誰かのために生きる時代を模索する今、慈悲の心の尊さを問う。 森鴎外の「山椒大夫」は読んだ記憶がない。「安寿と厨子王」の話はむかし童話...
「人の幸せに隔てがあってはならぬ。慈悲の心を失っては人ではないぞ」 古典の名作「山椒太夫」をベースに、安寿と厨子王が時空を超えて繰り広げる大冒険。誰かのために生きる時代を模索する今、慈悲の心の尊さを問う。 森鴎外の「山椒大夫」は読んだ記憶がない。「安寿と厨子王」の話はむかし童話で読んはずなのだけれどすっかり忘れていた。だから本作の前半を読んで「こんな話だったか」と思った。ところが中盤以降は……!! …吉田修一の才気煥発に圧倒された感じだった。 (B)
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吉田修一の新境地ともいえる本書は、誰かのために生きる時代を模索する今だからこそ蘇る、二十一世紀版山椒太夫。古典の名作『山椒太夫』をベースに、上古も今も末代も、慈悲の心の尊さとはいかに、を現代に問う問題作だ。あの安寿と厨子王が千年の時空を超えて繰り広げる、善の執着と悪の執着を描く大...
吉田修一の新境地ともいえる本書は、誰かのために生きる時代を模索する今だからこそ蘇る、二十一世紀版山椒太夫。古典の名作『山椒太夫』をベースに、上古も今も末代も、慈悲の心の尊さとはいかに、を現代に問う問題作だ。あの安寿と厨子王が千年の時空を超えて繰り広げる、善の執着と悪の執着を描く大冒険は、文字を追うごとに、思わず声に出して読みたくなる圧巻の言葉とリズムにあふれている。 うーん、原作をあんまり覚えていないせいもあるかもしれないが、せっかくの古典をアレンジしたのに何が言いたいのかあまり伝わってこない。一応ハッピーエンドなんだけど、これを現代にうつす必要ってあったんだろうか?テンポはよくて確かに声に出したくなるような言い回しだけれど。前世で死んだ人アンジュが出てくるのなら、乳母も生き返って再会しても良かったのでは・・・。太郎と二郎の行く末は頭獅王の慈悲深さが出て良かった。
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吉田修一さん『アンジュと頭獅王』 鴎外『山椒大夫』を原作とし、オリジナルストーリーを加えた 時空を超える大冒険の始まりです。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
うーむ、吉田修一の引き出しにはまだ新しい世界があったんだな、いや、びっくりしましたよ。 まさかの古典!しかも誰もが知っている『山椒大夫』、あるいは『安寿と厨子王』のお話がベースになるとは! いや、知ってはいるけれど、『山椒大夫』をきちんと読んだことってあったっけ?子ども向け絵本としては何度も読んでいるけれど、本当の物語ってどんなんだっけ…と不安になり、思わず調べちゃいました。 そして、吉田版「安寿と厨子王」の広さと細やかさ!800年の時を経て令和の新宿にたどり着いた頭獅王。令和の世に現れた平安の者。なのに、なんの違和感もなくそこに存在するこの不思議。 テンポよく進む物語と歯切れのいい展開、そして何より言葉の美しさ!まさに声に出して読みたいファンタジ古典ですな。
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