地縛少年 花子くん(特装版)(11) の商品レビュー

あいだいろ(著者)

2019/09/01

"「…こっちのわたし ちょっと病気なんですよねぇ
だけどきっと元気になるから それまで わたしの代わりに
あなたが絵を描いていてくれません？ そうしたら頑張れると思うんです
なんて…変ですねぇ ひとりごとなんて」
『…いいですよ アナタの代わりに描いていてあげます
だから 大丈夫です』"[p.128]

花子くんの望みを、寧々ちゃんがずっと生き続けること、できればその隣であまねくんとして共にあることかと思ってたけど違った……。花子くん、寧々ちゃんの隣にいなくていいの……？いやいいとは思ってなさそうだけど……いや……。
「聞いてたんだね ヤシロ」の台詞の花子くんの表情……。そのあとの見開きのシーンめちゃ好き。
シジマさんがぐっと好きになる。
第54の怪、最初は違和感と共に読み進めるけれど、シジマさん=四島さんの絵だとして読み返すとなるほど確かに絵視点なんですよね……。
自分を生み出してくれた自分が守るべき相手が、自分のせいで歪められてしまうから、そうなる前に相手を殺そうと願った先で、それを受け入れてもらえなかったときの絶望したような表情と。「あなたがいるからわたしは今日も目を覚ます 生きていけるんです」と言われた時の憑き物が落ちたような表情……！自分が否定していた自分を肯定されたような、言ってもらえる存在でなくなってしまったと思っていたのに一番言って欲しかった言葉を言ってもらえたようなこの表情ほんと……ほんともう……

自分が1年経たずに死ぬことを知った寧々ちゃんの前で繰り広げられたのは、シジマさんに纏わる過去。自分と同じく"死ぬ"ことを周りに言われていた少女と怪異の関係を受けて、花子くんに何を伝えるのか気になる終わり。12巻が早く読みたい。

特別小冊子はコラボカフェ時のストーリーやキャラ設定など。色合いがほんと好き。
登場人物たちをゴーストホテルの設定に落とし込んでるんだけど本当設定が素敵で良いなぁ。
明確なテーマとそのテーマに沿ったキャラ設定をもってコラボカフェをしたり、そのコラボカフェに関して小冊子を出したりってのは他の作品でもあったりするんだろうか。

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