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落日 の商品レビュー

3.8

267件のお客様レビュー

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    71

  4. 2つ

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2025/02/11
  • ネタバレ

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落日 湊かなえ ∞-———————∞ 映画監督として名前が売れ始めた香と、脚本家としてはまだ新人である真尋がメインで交互の視点で描かれる訳だけど、どとらかというと香が主人公っぽい。 過去に起きた殺人事件を追うために色々調べて行くんだけど、その事件の内容ももちろんのこと、2人の人生も壮絶で複雑。 香の家庭も大変だったろうけど、亡くなった姉がまだ生きてるかのように振る舞う真尋の家庭もなかなか。『お姉ちゃん、今日は○○○○○○でした』的な、語りかけるか手紙を書いてるような描写は、池田理代子の「おにいさまへ」を思い出した。 最終章は、殺人犯となってしまった力輝斗と関わっていたとされる真尋の姉、千穂の物語として書かれた脚本だったけど、そこまで読んできたらきっとこうだったと思わずにいられない内容だった。 この世はもううんざり、彼女もいない世に未来なんてない、どうか死刑にしてくれっていう、力輝斗の精神鑑定がこの映画で覆ることは無いだろうけど、彼には同情してしまう。 従兄の正隆くんはちょっと好きなキャラだったけど、絶対友達になれないであろう。 2025/02/11 読了

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2024/12/15

明確なストーリの輪郭 サイコパスに振り回された人生 その回復の予感 さらに 映像作品の描写としてメタ的な作品が埋め込まれている ての届くギリギリのところにもう一つの物語がある 作者の作品で最も心動かされた

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2024/11/13

今回は湊かなえ先生3冊続けて読破しました。先生のエッセイ上下を読んでもう一冊読んでみたいと積んであった本があった事を思い出し読み始める事二日、もう先が読みたくてたまら無いこんな事久しぶりだった。甲斐千尋も長谷部香も立石力輝斗も重い十字架を背負って生きている。なんと甲斐千尋の姉千穂...

今回は湊かなえ先生3冊続けて読破しました。先生のエッセイ上下を読んでもう一冊読んでみたいと積んであった本があった事を思い出し読み始める事二日、もう先が読みたくてたまら無いこんな事久しぶりだった。甲斐千尋も長谷部香も立石力輝斗も重い十字架を背負って生きている。なんと甲斐千尋の姉千穂の死因は立石力輝斗の妹沙良の嘘が原因だった。先生の仕掛けたイヤミスが至る所で千尋と香を翻弄し真実を探す事が出来た時二人はどんな脚本を書き上げるのか?どんな映画が出来るのか観てみたいです。

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2024/11/13

どうなることかと思ってたけど、読後感は嫌な気分にならなかった。綺麗に終わっててスッキリ。百聞は一見にしかず

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2024/08/23
  • ネタバレ

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ネタバレしない程度にざっくりあらすじを書くと、 映画監督である長谷部香が、事件で殺された幼馴染の真相に迫るため、今は燻ってる一発屋の脚本家、甲斐真尋に協力を請う、というお話です。 余計な言葉や情報が一切出てこないんだよね。さすが小説家。読んでいる時に小さな違和感を感じたのだけど、それも仕組まれたモノだった。

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2024/06/29

途中から気がついた。この作品、テレビドラマ化されていて、観たことがあることに。それでも、読み返しのように、新たな発見もあり、結構楽しめた。

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2024/06/12

15年前に起きた事件の真相やいかに。 脚本家の女性に焦点を当てており、ガチガチの推理モノというより人間ドラマに重きが置かれている。 一人一人の苦悩が、周囲の無理解が、胸に突き刺さる。読んでいて冷静でいられない箇所もいくつかあった。 人を殺すのは何かしらの凶器だが、それ以前に人の心...

15年前に起きた事件の真相やいかに。 脚本家の女性に焦点を当てており、ガチガチの推理モノというより人間ドラマに重きが置かれている。 一人一人の苦悩が、周囲の無理解が、胸に突き刺さる。読んでいて冷静でいられない箇所もいくつかあった。 人を殺すのは何かしらの凶器だが、それ以前に人の心を殺す毒を我々全員が持ち合わせている事、それを突きつけられた気がした。

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2024/05/20

映画監督と脚本家の話 2人は幼い頃に同じ地区に住んでいた過去があり監督は映画を撮りたいとコンタクトを取る 監督の幼い頃に隣の家に住んでいた防火壁の隣にいたと思っていた女の子沙良が兄によって一家殺しの被害者となっていた だけど情報を集めていくごとに自分が思っていた相手とは違っ...

映画監督と脚本家の話 2人は幼い頃に同じ地区に住んでいた過去があり監督は映画を撮りたいとコンタクトを取る 監督の幼い頃に隣の家に住んでいた防火壁の隣にいたと思っていた女の子沙良が兄によって一家殺しの被害者となっていた だけど情報を集めていくごとに自分が思っていた相手とは違ったのではないか 脚本家と監督そして他にも関わる人たちのいろんな思いや視点で描かれている

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2024/05/06

引きこもりだった兄が、妹と両親を殺害した『笹塚町一家殺害事件』この事件の映画を撮りたいと映画監督・香が、笹塚町出身の脚本家・真尋に相談する所から物語が始まる。なぜ今頃、15年前の事件の映画を撮ろうと思いたったのか。何を知りたいのか。ふたりが事件の真相に迫る話。 先入観からの決め...

引きこもりだった兄が、妹と両親を殺害した『笹塚町一家殺害事件』この事件の映画を撮りたいと映画監督・香が、笹塚町出身の脚本家・真尋に相談する所から物語が始まる。なぜ今頃、15年前の事件の映画を撮ろうと思いたったのか。何を知りたいのか。ふたりが事件の真相に迫る話。 先入観からの決めつけがよく無い事、見た目と本当の姿が違うこともありうることを痛感した。 『辛い過去』と向き合う事は勇気がいるけど、香も真尋も知ることにより『辛い過去』から救われたのは良かった。散りばめられた伏線を見事に回収し、最後は謎が解けてスッキリ。 何冊か湊かなえさんの作品を読了したが、イヤミスでは無い作品は初めてで新鮮。新たな一面が見えた作品。

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2024/05/07
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

湊かなえ著『落日』(角川春樹事務所) 2019.9発行 2024.4.15読了  本書は、映画監督視点の章と脚本家視点の章とが交互に展開する構成をとっている。映画監督視点の章は「エピソード○」、脚本家視点の章は「第○章」と銘打ち、それぞれ7章ある。まず、映画監督視点の「エピソード1」から始まり、次に脚本家視点の「第1章」が始まって、最後は映画監督視点の「エピソード7」で終わる。  「エピソード◯」はほとんど映画監督の回想で占められ、現在の視点での描写は終章の「エピソード7」のみである。  一方、脚本家視点の「第○章」はすべて現在の視点で描かれており、時系列順に物語が進行している。  映画監督視点の物語と脚本家視点の物語をどう交錯させて一つの物語に構築していくかが作家の腕の見せ所だと思うが(どの情報をどこで開示して、どの情報をどこまで隠しておくか、など)、さすがにベテラン作家なだけに物語をうまく一つにまとめ上げている。  しかし、あまりにも話が綺麗にまとまりすぎていて鼻白む部分があるのも否めない。本書は湊かなえの代表作にはなり得ないだろう。 https://ndlsearch.ndl.go.jp/books/R100000002-I029906205

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