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ノモンハン 責任なき戦い の商品レビュー

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17件のお客様レビュー

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2019/12/19

読み進めていくと、呆れちゃうし絶望的な気持ちしか起こらない。誰も責任を取ろうとせず、必死に戦った現場の人間だけが詰め腹を切らされていく。上は我関せずだし、逃げ出す人間までいる。これが巨大組織ってものなんだろうか。現在の政治状況もまるで同じだ。教育改革の頓挫も「誰のせいでもない」と...

読み進めていくと、呆れちゃうし絶望的な気持ちしか起こらない。誰も責任を取ろうとせず、必死に戦った現場の人間だけが詰め腹を切らされていく。上は我関せずだし、逃げ出す人間までいる。これが巨大組織ってものなんだろうか。現在の政治状況もまるで同じだ。教育改革の頓挫も「誰のせいでもない」ときたもんだ。 軍事的には、近代戦というものが理解できていなかったわけで、これは第一次大戦に参加しなかったのが原因なんだろうね。近代戦は装備の質と物量がモノを言う。信念では大砲は防げないんだ。

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2019/11/26

父はノモンハンの生き残りだった。一気に読んだ。特に始めの現地取材やロシアのアーカイブの部分は興味深く読んだ。未だに言い訳がましい主張や本が出る。父も含め兵士は一銭五厘で集められた。替えはいくらでもいると頻繁に鉄拳制裁を受けるなど酷い軍隊生活を語っていた。辻政信など家族に取材したの...

父はノモンハンの生き残りだった。一気に読んだ。特に始めの現地取材やロシアのアーカイブの部分は興味深く読んだ。未だに言い訳がましい主張や本が出る。父も含め兵士は一銭五厘で集められた。替えはいくらでもいると頻繁に鉄拳制裁を受けるなど酷い軍隊生活を語っていた。辻政信など家族に取材したのはいいが、敗戦後逃げまわり、国会議員にまでなったのはどうにも納得できない。

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2019/11/07

序章 陸の孤島 第1章 関東軍VS.スターリン 第2章 参謀・辻政信 第3章 悲劇の戦場 第4章 責任なき戦い 第5章 失敗の本質 第6章 遺された者たち 著者:田中雄一(1979-、大阪府、テレビディレクター)

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2019/11/03

太平洋戦争開戦の直前、満州とソ連との国境で発生したのがノモンハン事件です。”事件”という名称になっていますが、わずか4か月で日本側約2万人、ソ連側約2万5千人の戦死者を出すほどの”戦争”だったのです。 太平洋戦争では日本軍が情報軽視、補給軽視、精神主義などの悪弊によって特攻や玉砕...

太平洋戦争開戦の直前、満州とソ連との国境で発生したのがノモンハン事件です。”事件”という名称になっていますが、わずか4か月で日本側約2万人、ソ連側約2万5千人の戦死者を出すほどの”戦争”だったのです。 太平洋戦争では日本軍が情報軽視、補給軽視、精神主義などの悪弊によって特攻や玉砕などの悲惨な戦いを繰り広げましたが、ノモンハン事件にもそのすべての要素がすでに見受けられています。 ソ連軍の物量に関する情報を軽視して安易に攻勢に出ようとする関東軍、それを明確に止めようとしなかった参謀本部、兵力の逐次投入(兵力を小出しに投入すること)などの行動原理で大きな被害を被る結果となりました。さらにこの”戦闘”を主導した軍幹部は軽い処罰で再び軍の要職に復帰しているにもかかわらず、現場指揮官の多くにその責任が転嫁去れると言う歪んだ人事も横行していました。 しかもノモンハン事件終息後の軍内部の研究会では、兵力の近代化の遅れや情報軽視などの要因を指摘する幹部が存在したにも関わらず、必勝を期する信念の不足が敗因であると結論付けられました。もしもこの時にきちんとした敗因分析が行われていれば、太平洋戦争の展開も違ったものになっていたかもしれません。 本書はノモンハン事件をテーマにしたNHKスペシャルの取材班が番組取材の過程についてまとめたものです。上述したようなノモンハン事件に関する詳細なデータや、関係者へのインタビューなどを交えて非常に読みやすく、昭和の転機となった歴史上の出来事について押さえるべき点を理解することができます。

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2019/11/01

ノモンハン事件というものをきちんと調べたことがなかったので勉強になった。日本が第二次世界大戦に至るまでの過ちの根源あるいはきっかけがここにあったのではと司馬遼太郎が書こうとして書くのをやめた事件。 自決を強いられた井置隊長の話とか組織として考えられない。そして昭和天皇の命と思って...

ノモンハン事件というものをきちんと調べたことがなかったので勉強になった。日本が第二次世界大戦に至るまでの過ちの根源あるいはきっかけがここにあったのではと司馬遼太郎が書こうとして書くのをやめた事件。 自決を強いられた井置隊長の話とか組織として考えられない。そして昭和天皇の命と思って兵たちは戦い死んでいったのに、実は一参謀の功名のためだったのではって柳楽さんの疑義もよく伝わってくる。そしてそれは陸軍だけではなかったのかもなとも思うし、もしかしたら今も?とも思う。それは日本型の巨大組織の病理なのか、それとも人間のつくる巨大組織には一般に当てはまるものなのだろうか。

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2019/10/08

「数千の英霊を犠牲にした場所を放棄することはできない」 本来、これまでの犠牲と今後の作戦とは関係無い話である。にも関わらず、撤退とはつまりこれまでの犠牲を無駄にするということか、とまるで「撤退=犠牲は無駄」と言わんばかりに否定し得ないものと関連付けさせて訴える。これに類することは...

「数千の英霊を犠牲にした場所を放棄することはできない」 本来、これまでの犠牲と今後の作戦とは関係無い話である。にも関わらず、撤退とはつまりこれまでの犠牲を無駄にするということか、とまるで「撤退=犠牲は無駄」と言わんばかりに否定し得ないものと関連付けさせて訴える。これに類することは現代でもみられる習性と感じる。

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2019/09/14

NHKスペシャルで放映したチームの一人田中さんによる新書化である。ノモンハンについてはある程度知っているつもりだったが、この番組ではロシアへ行き、一時資料を発掘しながら真相に迫っている。本書を読むと日本はロシアの動きをちゃんとつかんでいなかったことがわかる。あるいは、ロシア大使館...

NHKスペシャルで放映したチームの一人田中さんによる新書化である。ノモンハンについてはある程度知っているつもりだったが、この番組ではロシアへ行き、一時資料を発掘しながら真相に迫っている。本書を読むと日本はロシアの動きをちゃんとつかんでいなかったことがわかる。あるいは、ロシア大使館から情報がきていたのにそれを軽視した。また、日本の参謀本部ともちゃんと連携がとれず、こんなことでいちいち日本に許可を得ていては戦争などできないという思い上がった気持ちが,多くの将兵を殺すことになった。しかも、捕虜になった将兵のうち隊長級の人々には自決を命じ、この戦争を指揮した服部卓四郎、辻政信らは左遷されただけだった。その後の日本の責任なき戦いを象徴する戦争であった。また、その反省も一応はなされたが、それがきちんと上の共通の認識にならなかった。この番組では辻の家族にも取材していて、家族思いの姿、責任感のある辻の姿が紹介されているが、田中さんはそれでも、辻の責任をなかったことにはできないという。ぼくもそう思う。

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