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大英自然史博物館珍鳥標本盗難事件 の商品レビュー

4.3

34件のお客様レビュー

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2024/08/28

ブク友さんの本棚より紹介いただきました。 一目で惹かれるタイトルですが、これ実話ですって。 大きく分けて3つの構成(鳥類採取の時代・犯人の生涯と事件発生から裁判・その後)なんですが、その後がなかなかに熱い! 待ってました!!という感じでした。 ノンフィクションなんだけど、なかなか...

ブク友さんの本棚より紹介いただきました。 一目で惹かれるタイトルですが、これ実話ですって。 大きく分けて3つの構成(鳥類採取の時代・犯人の生涯と事件発生から裁判・その後)なんですが、その後がなかなかに熱い! 待ってました!!という感じでした。 ノンフィクションなんだけど、なかなかの小説感。 警察でもないのに、著者はよくぞここまで真に迫られました。すごい。 犯行を認めた時点で捜査が終わるなんて、信じられない…逆手に取られましたよね。 しかし、終始根底にある「自分本位」の視点に、驚くやら腹立たしいやら… 読了のみなさんから、「そんなこと、許されるかぁ(怒)」の声が聞こえてくる気がします。

Posted byブクログ

2024/08/08
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

近年あった博物館から鳥の剥製を盗難した事件のノンフィクション。 大傑作だと噂で聞いていたが本当にめちゃくちゃ面白い!!! 盗難したのは毛針製作者の若者で、物語は彼が盗みをこれから実行しようとしている所から始まる。 まず毛針制作なんて世界があるのも知らなかったし、材料は本物の鳥の羽。 現在ではほとんど手に入らないその羽をエドウィンという毛針制作者が大量に盗む。 その事件を聞いた著者が調べ始めるのかと思いきや、そこから盗まれた鳥がどれほど貴重なものかを物語形式で一から教えてくれる。 これによりエドウィンの行った盗難が、ただの万引きとは比べ物にならない歴史的重要文化財の破壊行為になるとわかる。 そこからエドウィン視点になるがこの本で彼の行為が著しく怪しく見えることへの配慮と後半の展開にもなっているのがすごい。 彼が逮捕され時勢が事件を知った著者の所に戻ってくるだけでワクワクする。この話の作りが上手い! ここからエドウィン本人にもインタビューし、片棒を担がされたロン、毛針制作コミュニティの奴らにも話を聞き、事件の真相と残された剥製の行方を追う。 がたどり着いた先は底なし沼のような人間の果てなき欲望。 こんなに虚しさが残る結末になるとは、脱力感が凄まじい。

Posted byブクログ

2024/06/02

珍かな鳥の標本盗難事件がテーマのノンフィクション。前半は鳥と鳥の標本の歴史、犯人のバックボーンなど。後半では著者が本事件を調査する。 貴重、稀少で美しい標本が青年を盗難に駆り立てる様子を追える。面白かったです。

Posted byブクログ

2024/05/20

釣りの疑似餌として使用する毛針に魅せられ、熱狂する大人たちがいる。エキゾチックな鳥類種による高価で非合法な羽を使用して毛針を作り、それを他人に自慢して悦に浸るのだ。驚いたのは、ほぼ入手困難となった鳥の羽を寄せ集めた耽美的なディスプレイをSNS上にアップし、見せびらかしを楽しむこと...

釣りの疑似餌として使用する毛針に魅せられ、熱狂する大人たちがいる。エキゾチックな鳥類種による高価で非合法な羽を使用して毛針を作り、それを他人に自慢して悦に浸るのだ。驚いたのは、ほぼ入手困難となった鳥の羽を寄せ集めた耽美的なディスプレイをSNS上にアップし、見せびらかしを楽しむことを「フェザー・ポルノ」と呼ぶそうだ!美しい羽根はそれほどに魅力的らしい。はるか昔に流行った芸術様式の毛針レシピに心酔するような毛針制作愛好家達は、製作はするものの、釣りの場面で実際にその毛針を使用することはないという。美しいものを所有したい、手に入らないものほど欲しくなる、ひとたび手にすると周りからの賞賛や喝采を浴びる…という具合に、簡単に中毒になってしまう環境が揃っている。そして伝説のレシピに沿った「本物」を自分の手で製作したいがために、博物館から盗み出すという犯罪まで犯してしまう者もいる。どの時代においても、「美しさ」とは人を狂わせてしまう罪な存在なのかもしれない。 本書は内容の面白さもさることながら、装丁も美しい。まるで鳥の羽のような少しざらりとする質感のカバーを取ると、マットなダークグレー地にシルバーで繊細な羽が描かれている。本を開いた見返しは鱗のような紙になっていおり、触れることで指先の感覚から読者を鳥の世界へと誘う。花切には鮮やかなターコイズブルーとオレンジが使用されており、本書に出てくる鳥の羽の色を連想させる。読むだけでなく、見ても触れても楽しめる、もっと多くの人に読まれてほしい良書。

Posted byブクログ

2024/05/06

鳥類標本の窃盗事件をテーマにした、長大ながらも引き込まれて読み込まされてしまうノンフィクション。読み心地はミステリに近く、社会問題にも切り込みながら、ひとつひとつ誠実に事件を追う作者の丁寧な筆致のおかげでとても読みやすかった。 誰がやったのかは明白ながら、犯人はあっけなく釈放さ...

鳥類標本の窃盗事件をテーマにした、長大ながらも引き込まれて読み込まされてしまうノンフィクション。読み心地はミステリに近く、社会問題にも切り込みながら、ひとつひとつ誠実に事件を追う作者の丁寧な筆致のおかげでとても読みやすかった。 誰がやったのかは明白ながら、犯人はあっけなく釈放されていた事件。この事件に興味を抱き、「なぜ簡単に釈放されたのか」「動機はなんだったのか」「なぜ簡単に盗まれてしまったのか」等々の放置されたままだった細かな事象にひとつひとつ取り組み、その追及の過程で知っていく、毛針愛好家たちの自己勝手な事情や博物館の保管事情、ワシントン保護条約を無視して取引できているイーベイなどいった諸問題の複雑さ、深さが真に迫って描かれていて、唸らされるばかりだった。 興味深い事件だった、と片付けるには、口絵写真にあった鳥たちの姿は無残に過ぎるし、あれで解決になった事件への歯がゆさは残る。ただ、鳥の標本に限らず博物館の「昔のもの」は、教育的な意味、科学的な期待などを込めて、いまではなく未来へと繋いでいくための財産であるのは確かなので、個人の欲で破壊されてしまうのはやはり、憤りを感じずにはいられなかった。最後の本文に無力感が漂ったものの、どうにかならないものかと、空を仰がずにいられなかった。

Posted byブクログ

2023/02/02
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

凄かった。 標本を盗んだ理由が毛針というのにそんなことに!?となったけど標本を手に入れるまでの命がけのの経緯、ファッションのために採集や密輸によって絶滅に追いやられる美しい羽根をもつ鳥達、善と悪、毛針愛好者達の熱狂、自然史博物館の意義、これは現実にあったことで他のあらゆる価値のあるものに言えることだ。 とても濃厚なドキュメンタリーだった。

Posted byブクログ

2022/09/29

https://elib.maruzen.co.jp/elib/html/BookDetail/Id/3000081771

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2022/07/13

インコを飼っているので、鳥の羽の美しさはとてもわかる。ただ、私は自然に落ちてきた羽を集めるだけで、わざわざむしり取ろうとは思えない。標本化されたものだとしても、むしれない。 そこが鳥を飼って愛したことがある人と、鳥の羽のみを愛する人の大きな違いなんだろなぁと思いながら読み進めた。...

インコを飼っているので、鳥の羽の美しさはとてもわかる。ただ、私は自然に落ちてきた羽を集めるだけで、わざわざむしり取ろうとは思えない。標本化されたものだとしても、むしれない。 そこが鳥を飼って愛したことがある人と、鳥の羽のみを愛する人の大きな違いなんだろなぁと思いながら読み進めた。 鳥の羽に限らず、魅入られすぎた人は善悪など考えずただ自分のためになにが最善かという考えに囚われて、知らず知らずに罪を犯すのかなと思った。 難しいけど、当事者になっているうちはわからないものなんだろうな…。

Posted byブクログ

2022/06/02

鳥標本の盗難という実際に起きた事件を巡るノンフィクション本。 実話だけあってスッキリしない部分もあるけど、人類と鳥の歴史や、現代にも続いている人間の醜い欲望など、地味な事件が複数の角度から切り込まれていて読み応え抜群。 タイトルの堅さが逆にワクワクするし、表紙もお洒落。期待通...

鳥標本の盗難という実際に起きた事件を巡るノンフィクション本。 実話だけあってスッキリしない部分もあるけど、人類と鳥の歴史や、現代にも続いている人間の醜い欲望など、地味な事件が複数の角度から切り込まれていて読み応え抜群。 タイトルの堅さが逆にワクワクするし、表紙もお洒落。期待通り面白かった。

Posted byブクログ

2022/04/19

死んだ鳥を大量に盗む?いったいぜんたい、だれがそんなことを?大英自然史博物館から忽然と姿を消した鳥標本。 色鮮やかな羽を持つ鳥はなぜ盗まれたのか

Posted byブクログ