なかなか暮れない夏の夕暮れ の商品レビュー
資産家で本ばかり読んでいる50歳の稔と、彼をとりまく人たちのこまごまとした日常が淡々と進んでいく。 それと並行して、稔の読んでいる北欧のミステリーが、何の違和感もなく紛れ込んでいる。 他愛ない日常に、本を読むという行為が含まれていて、面白い構成になっていた。自分も稔と一緒に読書を...
資産家で本ばかり読んでいる50歳の稔と、彼をとりまく人たちのこまごまとした日常が淡々と進んでいく。 それと並行して、稔の読んでいる北欧のミステリーが、何の違和感もなく紛れ込んでいる。 他愛ない日常に、本を読むという行為が含まれていて、面白い構成になっていた。自分も稔と一緒に読書を楽しんでいた。 登場人物が多いけれど、描写が細やかで、文章がすうっと体に入ってくる感じが心地よく、現実の世界をほったらかして、本の世界に浸るのは最高の贅沢だと思った。
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主人公稔に起こる日常のあれこれと、読書家である稔が読んでいる本の物語が入り混じって描かれていて混乱。稔の日常もたくさんの登場人物が、いろんな所で繋がっていて、それにも混乱。 それでもどんどん読み進めたくなる本だった。
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かなり戸惑った。 ん?ん?ん? 本の中の現実の話と 本の中の本の中の(笑)話とが 交差してることにしばらくしてやっと気づいた。 本の中の現実の話も 本の中の本の話も いろんな登場人物がいて とてもややこしかったけど なぜか最後まで飽きずに読めた。 フワフワした感覚 これが江...
かなり戸惑った。 ん?ん?ん? 本の中の現実の話と 本の中の本の中の(笑)話とが 交差してることにしばらくしてやっと気づいた。 本の中の現実の話も 本の中の本の話も いろんな登場人物がいて とてもややこしかったけど なぜか最後まで飽きずに読めた。 フワフワした感覚 これが江國香織なのねーと、思った。 やはり、読書は面白い。
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浮遊感。 読んでもいるつもりがいつの間にか。 オセロ、ベルリン、ストックホルム、カリブ海、シチリア、イビサ島 東京はどこだろう 松涛か、東山か いろいろな織り糸が交錯する。 推理小説が好きなあまり溶け込んしまった。
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資産家の壮年男性の日常が描かれています。特に山場のようなものはないので単調になりそうなのですが、なぜか江國香織さんの小説は読み進めてしまいます。人物や関係の設定がユニークなためでしょうか。また、日常の中に潜む美しさを描くのが上手いなと感じます。久しぶりに江國香織さんの小説を読みま...
資産家の壮年男性の日常が描かれています。特に山場のようなものはないので単調になりそうなのですが、なぜか江國香織さんの小説は読み進めてしまいます。人物や関係の設定がユニークなためでしょうか。また、日常の中に潜む美しさを描くのが上手いなと感じます。久しぶりに江國香織さんの小説を読みましたが、おもしろかったです。
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本書、男性の稔が主だってストーリーが進んでいく。 どこかで、実際に生活していそうな、江國さん作品であり、いつもどおり安心して江國さんワールドにハマる。 稔が読んでいる本の内容と、本書の内容と、現実の自分と 3つの世界を行ったり来たり。 年頃になった波十の目線のストーリーが、読みた...
本書、男性の稔が主だってストーリーが進んでいく。 どこかで、実際に生活していそうな、江國さん作品であり、いつもどおり安心して江國さんワールドにハマる。 稔が読んでいる本の内容と、本書の内容と、現実の自分と 3つの世界を行ったり来たり。 年頃になった波十の目線のストーリーが、読みたくなった。
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・ ひらがなのバランスとか 使う名詞の選び方とか 独特の季節感の表現とか すごく好きで、高校生の頃から 惹きこまれている江國香織の世界観。 ・ 息子が生まれる前日の夜中にも、 夜更かしで「東京タワー」を読了して、 そのまま破水して病院に行きました。 実は、それ以来というタイムラグ...
・ ひらがなのバランスとか 使う名詞の選び方とか 独特の季節感の表現とか すごく好きで、高校生の頃から 惹きこまれている江國香織の世界観。 ・ 息子が生まれる前日の夜中にも、 夜更かしで「東京タワー」を読了して、 そのまま破水して病院に行きました。 実は、それ以来というタイムラグ。 ・ こういう手法なのね!という斬新なストーリーテリングに、はじめはペースがつかめず、どぎまぎしながら読み進め、なんとなく全体像を理解できたのが1/3くらい読んだのちでした。遅っ! ひたすら読書するオトコが主人公です。 ・ 江國香織さんほどの書き手さんでも、チャレンジを続けていらっしゃることに勇気をもらいました。
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年齢が上の人がたくさん出てきたので、今まで読んだ江國さんの話とちょっと違う感じ。本の虫の様子が描かれていて、賛美されてない感じがよかった。本だけではなく、なにかの虫のひとに、優しい気持ちになれる。 誠意と薄情の問題、稔さんはあれはあれでよいとおもう。はとちゃんと雀さんすてき、仲良...
年齢が上の人がたくさん出てきたので、今まで読んだ江國さんの話とちょっと違う感じ。本の虫の様子が描かれていて、賛美されてない感じがよかった。本だけではなく、なにかの虫のひとに、優しい気持ちになれる。 誠意と薄情の問題、稔さんはあれはあれでよいとおもう。はとちゃんと雀さんすてき、仲良くなりたい。渚さんが、1人の部屋とかで考えることはとても分かると思った、それでもそういう選択をしたということなのね。
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山崎ナオコーラさんの解説で謎が解けた。 今日わたしは一日、家計のことをすごく細かく考えていて、不慣れなことを考えたせいで頭がパンクしている状態だった。お金のことっていかにも現実!って感じで、出来ることなら考えたくなくて、それに対して読書ってなんて無責任なんだろう! 学生の頃、自分...
山崎ナオコーラさんの解説で謎が解けた。 今日わたしは一日、家計のことをすごく細かく考えていて、不慣れなことを考えたせいで頭がパンクしている状態だった。お金のことっていかにも現実!って感じで、出来ることなら考えたくなくて、それに対して読書ってなんて無責任なんだろう! 学生の頃、自分の読書という行為が現実からの逃避であることを認識したのだけれど、社会人になっても変わっていなかった。なにも考えず、ありのままでただページを捲ればいいだけの行為。 恵まれた環境でただ読書をしているだけの稔。 家賃の支払いを度々滞らせているのに、別荘を買うことに想いを馳せる(経済環境は不明だが、別荘の購入を手が届く範囲の話だと言っている)チカとさやか。 お金を回すことを仕事にしている大竹は「でもそれ、本だろ?」と言う。 わたしも読書をしていればいいだけの生活がしたいものだ。切実に。
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主人公、稔と周りの人々の日常に、本好きな稔が読んでいる小説が同時進行で書かれていて、面白い手法だなとは思いましたが、どちらの物語とも何の繋がりもなく、一緒に書く意味あるのかな、と思いました。稔と周りの人々の日常も特に大事件が起きるわけでもなく、一度読んだらあっさりと直ぐに忘れてし...
主人公、稔と周りの人々の日常に、本好きな稔が読んでいる小説が同時進行で書かれていて、面白い手法だなとは思いましたが、どちらの物語とも何の繋がりもなく、一緒に書く意味あるのかな、と思いました。稔と周りの人々の日常も特に大事件が起きるわけでもなく、一度読んだらあっさりと直ぐに忘れてしまいそうな内容。なんだか昔のトレンディドラマみたいな感じがしました。雷留っていう赤ん坊のキラキラネームにもびっくり。
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