不安の書 増補版 の商品レビュー
実にメロウでメランコリックな本だ。ここに記されている事柄を事務的に綴れば、ある堅実な生活を過ごす(?)勤め人の内省と観察、あるいは省察を綴ったものとなるだろう。1人の人間の内側にここまで豊かな思念が詰まっていることに唸らされ、そして彼が見る外側の世界が一見すると退屈な日常であるよ...
実にメロウでメランコリックな本だ。ここに記されている事柄を事務的に綴れば、ある堅実な生活を過ごす(?)勤め人の内省と観察、あるいは省察を綴ったものとなるだろう。1人の人間の内側にここまで豊かな思念が詰まっていることに唸らされ、そして彼が見る外側の世界が一見すると退屈な日常であるようで、しかし同時に豊満なディテールを備えた(悪く言えばペソアの陰鬱な世界観をそのまま投影した)ものであることも痛ましく感じさせられる。いつも思うのだけれど、この「つぶやき」は今のブロガーの共感を誘うのではないか。読むことを薦めたい
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