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潤みと翳り の商品レビュー

3.4

13件のお客様レビュー

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2023/06/25

イギリス出身でオーストラリア在住の作家「ジェイン・ハーパー」の長篇ミステリ作品『潤みと翳り(原題:Force of Nature)』を読みました。 イギリスの作家の作品が続いていますね。 -----story------------- CWA賞受賞『渇きと偽り』続篇! 企業の研...

イギリス出身でオーストラリア在住の作家「ジェイン・ハーパー」の長篇ミステリ作品『潤みと翳り(原題:Force of Nature)』を読みました。 イギリスの作家の作品が続いていますね。 -----story------------- CWA賞受賞『渇きと偽り』続篇! 企業の研修キャンプで森に入った同僚女性5人が遭難。 4日後にやっと森から出てきたとき、5人の中の一人、「アリス」が忽然と消えていた。 手がかりは、連邦警察官「アーロン・フォーク」の携帯電話に残された、「アリス」からの「あの子を苦しめて……」というボイスメッセージ。 遭難か、事件か。電波の届かない森の中で、何が起こったのか。 オーストラリアの豊かな森を舞台に繰り広げられる、衝撃のサスペンス。 解説/「若林踏」 ----------------------- 2017年(平成29年)に発表された、メルボルンで財務捜査を担当する連邦警察官である「アーロン・フォーク」を主人公とするシリーズの第2作です。 企業の合宿研修でジララン山脈の森に入ったベイリーテナンツに勤める5人の女性… ベイリーテナンツ会長の「ジル・ベイリー」、その社員「アリス・ラッセル」、「ローレン・ショー」、「ブリー(ブリアナ)・マッケンジー」、「ベス(ベサニー)・マッケンジー」は慣れないながらもテントを張り、食事を取り、なんとか初日を終えるが、翌日のキャンプ地への移動中道に迷ってしまう、、、 携帯電話も通じず、地図も役に立たず、雨と寒さが体力を奪い、焦りと不安が精神を蝕んでいくなか、徐々に亀裂の入り始めた5人のメンバーのうち一人「アリス」が忽然と消えていた… 道に迷った末の遭難なのか? あるいは何かの事件に巻き込まれたのか? 残りのメンバーはやがて救助さるが、「アリス」がいつ消えてしまったのか、どこへ行ったのかは誰も知らないと言う。 ある事件の捜査過程で、行方不明になった「アリス」と関わりのあった連邦警察官「アーロン・フォーク」は、「アリス」が行方不明になったと思われる時間帯に電話の着信を受けていた… 彼女に何が起こったのかを確認するため、「フォーク」と、パートナーの「カーメン・クーパー」はメルボルンからジララン山脈へと向かう、、、 手がかりは、「アリス」が「フォーク」の携帯電話に残した「あの子を苦しめて……」というボイスメッセージ… 遭難か、事件か!?  外界から隔絶された大自然は、女たちの虚飾を容赦なく剥ぎ取っていく… 連邦警察官「フォーク」が辿り着く真相とは……。 5人の女性たちがキャンプに入り、やがて遭難し、そのうち一人が姿を消してしまうまでの経緯が描かれるパートと、遭難から4人が救助され、「フォーク」たちが「アリス」を捜査する現在進行形のパート… 物話は二つの場面を交互に描くことで進んでいき、場面の転換を細かく繰り返しつつ、「アリス」の身に何が起こったのかが徐々に明らかになる展開、、、 遭難パートでは、女性たちの次第に蝕まれていく精神状態が、5人それぞれの視点から描かれ、一方現在のパートでは、キャンプ地近辺で25年前に起こった連続殺人事件のエピソードをちょっとずつ織り込み、サスペンス感を徐々に煽っていきつつ、「フォーク」たちの捜査の様子を描いていくのですが、あるきっかけを境に物語がサスペンスから謎解きへとシフトしていくところに読者を惹きつける魅力を感じましたね。 なかなか面白かったです… 前篇にあたる『渇きと偽り』も読んでみたいですね。 以下、主な登場人物です。 「アーロン・フォーク」  連邦警察官 「カーメン・クーパー」  連邦警察官。アーロンのパートナー 「ジル・ベイリー」  ベイリーテナンツ会長 「ダニエル」  ジルの弟。ベイリーテナンツ最高経営責任者 「ジョエル」  ダニエルの息子 「リーオ」  ジルとダニエルの父 「アリス・ラッセル」  ベイリーテナンツ社員 「ローレン・ショー」  ベイリーテナンツ社員 「ブリー(ブリアナ)・マッケンジー」  ベイリーテナンツ社員 「ベス(ベサニー)」  ブリーの双子の妹。ベイリーテナンツ社員 「イアン・チェイス」  エグゼクティブ・アドベンチャーズの企画運営者 「マーゴ」  アリスの妹 「レベッカ」  ローレンの娘 「マーティン・コヴァック」  連続殺人犯。故人 「サム(サミュエル)」  マーティンの息子 「キング」  上級巡査部長 「エリック」  アーロンの父。故人

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2023/02/05

前作より面白かった 前作とのつながりを感じる部分が散りばめられていたのと、結末が前作よりすとんと落ちた 各登場人物の背景なんかも前作より練られていたように思った

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2022/11/07
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

アーロン・フォークの第二弾。 最後に何かどんでん返し的なことがあるかと思ったが、そうでもなかった。 現在と、キャンプの話が交互に出てきて、最終的に謎がとける。 母と子の関係、SNSでのトラブル、そっちの方が気になってしまった。 レベッカ立ち直って!

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2022/07/29

前作「渇きと偽り」は主人公アーロン・フォークのパーソナルな物語だったが、今作では一歩引いた立ち位置から事件に介入する。山中での合宿研修に参加した女性グループのメンバーが行方不明になるというシンプルな筋書きながら、彼女達の一色触発な人間模様は中々サスペンスフルだし、フォークと亡き父...

前作「渇きと偽り」は主人公アーロン・フォークのパーソナルな物語だったが、今作では一歩引いた立ち位置から事件に介入する。山中での合宿研修に参加した女性グループのメンバーが行方不明になるというシンプルな筋書きながら、彼女達の一色触発な人間模様は中々サスペンスフルだし、フォークと亡き父の確執に決着がつくのも見所だが、前作と比較するとかなり見劣りする。マーティンの逸話は物語に然程必要なかったし、カーメンのズケズケした物言いも些か唐突的な気がした。前作の傷心からフォークが立ち直る晴れやかなラストは中々良かったのに。

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2022/04/30

企業の合宿研修で森に入った五人の女性。道に迷い、やっとの思いで脱出したとき、そのうちの一人が忽然と消えていた。手がかりは消えた女性が連邦警察官フォークの携帯電話に残したボイスメッセージ。遭難か、事件か。外界から隔絶された大自然は、女たちの虚飾を容赦なく剥ぎ取っていく。オーストラリ...

企業の合宿研修で森に入った五人の女性。道に迷い、やっとの思いで脱出したとき、そのうちの一人が忽然と消えていた。手がかりは消えた女性が連邦警察官フォークの携帯電話に残したボイスメッセージ。遭難か、事件か。外界から隔絶された大自然は、女たちの虚飾を容赦なく剥ぎ取っていく。オーストラリアの豊かな森を舞台に繰り広げられる、衝撃のサスペンス。 渦中の女性たちの葛藤がやや長く感じられた。前作の方が好み。

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2022/04/10

森林の密室感作りとそれを反映した陰湿な人間関係、現在と過去を交互に展開させる展開の方法は非常に面白かった。主軸の密室に囚われた人間関係に加えて、連続殺人犯の存在と経済犯罪捜査を入れることでミステリーとしての展開の可能性を読者に提供し、ミステリーとしての完成度が非常に高く、また殺人...

森林の密室感作りとそれを反映した陰湿な人間関係、現在と過去を交互に展開させる展開の方法は非常に面白かった。主軸の密室に囚われた人間関係に加えて、連続殺人犯の存在と経済犯罪捜査を入れることでミステリーとしての展開の可能性を読者に提供し、ミステリーとしての完成度が非常に高く、また殺人事件捜査ではなく森林での行方不明で終盤まで捜査が展開されるのは良かった。 捜査官の身の上に関する描写が不十分に感じた。

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2020/05/20

どこの国の母親同士の嫉妬、いがみ合いは同じなんだと感じた。海外のミステリーを読んでの感想にしては意外な展開。 前作よりこなれていて読みやすかった。次回作にも期待。

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2020/02/04

オーストラリアの連邦警察官フォークが主人公のシリーズ第二作。 前作「渇きと偽り」は、オーストラリア特有の干魃の季節の中で土地も心も渇ききったヒリヒリするようなサスペンスを描いてあったが、今回は逆に雨が降り注ぐ森の中をさまよう女たちに何があったのかを描く。 前作ではフォークの警...

オーストラリアの連邦警察官フォークが主人公のシリーズ第二作。 前作「渇きと偽り」は、オーストラリア特有の干魃の季節の中で土地も心も渇ききったヒリヒリするようなサスペンスを描いてあったが、今回は逆に雨が降り注ぐ森の中をさまよう女たちに何があったのかを描く。 前作ではフォークの警察官としてというよりは自分自身のプライベートな問題と向き合う話だったので忘れていたが、元々フォークは経済犯罪、資金洗浄とか企業の不正取引とかそういう犯罪を担当しているらしい。 今回、企業の合宿研修中に森で行方不明となった女性アリスはフォークが捜査をしている企業の内部協力者として、企業の様々な極秘文書やデータを渡してくれるように頼んでいたらしい。 ということは、それが会社にバレて消されてしまったのか。 だがここで別の説も。この森では過去に何人もの女性が殺されたり行方不明になった事件が起こったらしい。犯人とされる男は随分前に逮捕され刑務所内で獄死。しかし彼が本当に犯人なのかどうかは分からない。 ということは、真犯人が別にいてその犯人に連れ去られる、あるいは殺されてしまったのか。 だがさらにフォークが調べて行くと別のトラブルも見えてくる。 アリスは自ら行方を断ったのか、それとも誰かに連れ去られたのか、それとも遭難しているだけなのか、事故が起きたのか、それとも…。 フォークと彼の同僚カーメンとの捜査の合間合間に挟まれる合宿研修の様子は、まさに女同士のマウント争いという感じでドロドロしたドラマ。 面白いような、見たくないような。 行方不明のアリスは典型的な自己主張の激しい女性で、積極的には付き合いたくないタイプ。だが他の四人の女性もそれぞれクセがあってあまり好きにはなれない。 アリスが結局どうなったのか、何が起こったのかは、正直言っていろんなパターンの結末が考えられるし、どうとでも持って行けるので、そこに謎解きの余地は少ない。なのでミステリーではなくサスペンスなのだろう。 そもそも女性たちの森の中でのドラマが描かれている時点で殆どネタバレしている感もあるが、最後までどう来るかは分からないと思いつつ読んだ。 ちなみに女たちの醜い争いで終始するわけではないのでご安心を。 作中で他の仲間が言うように、アリスがどうなろうがあまり同情できないタイプなのでそこはどうでも良い。 ただ、都会の開かれた世界なら何とかやり過ごせることでも、こんな閉鎖された空間では普段ならやり過ごせることがやり過ごせなくなる、小さな引っかかりがたまらなく許せなくなることもあるのだろうと思うと興味深かった。 今回もフォークのプライベートな部分、亡き父が自分に寄せる思いを感じ取られるところが描かれていた。 しかしフォークの本来の仕事、経済犯罪の捜査についてはほとんど脇に置かれていたのが残念。といってもフォークはその点に置いても一番下っ端らしく、上司からの命令にしたがって動くだけということらしいが。 次こそフォークの警察官としての活躍が見られるのかどうか。 それとフォークの男性としての魅力がそこまであるのか疑問。よほど見た目が良いのだろうか。

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2020/02/04

企業の研修キャンプで女性5人のグループが遭難し、4人だけが帰還する。キャンプで何があり行方不明の女性はどうなったのか、連邦警察官フォークのシリーズ第2作。 森のなかで遭難し食料もなく寒さに凍えるうちに、女性たちの本性があらわになっていくさまと、捜索にあたる警察の様子とが交互に語...

企業の研修キャンプで女性5人のグループが遭難し、4人だけが帰還する。キャンプで何があり行方不明の女性はどうなったのか、連邦警察官フォークのシリーズ第2作。 森のなかで遭難し食料もなく寒さに凍えるうちに、女性たちの本性があらわになっていくさまと、捜索にあたる警察の様子とが交互に語られる手法が、うまく緊張感を高めている。 前作では、干ばつの熱波とともに主人公の過去にまつわる苦悩が濃厚に描かれていて重い読後感だったが、今回そのあたりは添え物程度で事件の謎解きに重きが置かれている。 タイトルは第1作でも感じたのだが、原題の『Force of Nature』のほうが深みがあっていいと思う。 物語としては独立しているが、やはりシリーズ1作目から読むことをおすすめしたい。

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2019/10/18
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

オーストラリア発のミステリーは、数が少ない割に面白いものが多いと思っています。 自然の容赦の無さも独特ですが、オーストラリアものは人間関係のドロドロ具合が濃い印象。 謎解きのある『ピクニック・アット・ハンギングロック』…といった感じかな。

Posted byブクログ