老父よ、帰れ の商品レビュー
老人ホームにいる父が不憫だと、自宅で介護しようとする息子。しかし本人の楽観的な見通しに反して、認知症の老人の介護は簡単なものではなく・・・ おー。リアリティがありすぎるホラーのような小説だった。 しかもこのような家庭が日本中にあるのだろうと思うと、何とも言えない気持ちになる。...
老人ホームにいる父が不憫だと、自宅で介護しようとする息子。しかし本人の楽観的な見通しに反して、認知症の老人の介護は簡単なものではなく・・・ おー。リアリティがありすぎるホラーのような小説だった。 しかもこのような家庭が日本中にあるのだろうと思うと、何とも言えない気持ちになる。介護の現実を知りたい人必読。
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久坂部羊 著「老父よ、帰れ」、2019.8発行。施設に入っていた認知症の父、矢部茂一75歳を、自宅で介護するよう決め、頑張る息子、矢部好太郎45歳とその家族の物語です。デビュー作「廃用身」で、介護のため両手両足を切断するという医療を提示した著者、今回、介護で最も過酷な排便の介護に...
久坂部羊 著「老父よ、帰れ」、2019.8発行。施設に入っていた認知症の父、矢部茂一75歳を、自宅で介護するよう決め、頑張る息子、矢部好太郎45歳とその家族の物語です。デビュー作「廃用身」で、介護のため両手両足を切断するという医療を提示した著者、今回、介護で最も過酷な排便の介護に、人工肛門と導尿カテーテルに向かうと思いきや、最後まで、(不十分とは思いますが)感謝と敬意の介護が続きました。読後、認知症患者に限らず、介護がいかに大変であるかがよくわかりました。
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久坂部作品としては珍しく、あまり毒のない実話に基づいて書いてみました的な小説。介護の実態を浮き彫りにしたいがためなのだろうが、主人公の好太郎があまりに分かりやすい直情径行に描かれていて深みが足りない。
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本屋でたまたま見かけて買って、電車で読みはじめたら、止まらなくなって読み切ってしまいました。 45歳の主人公(長男)が、認知症になって施設に入れていた父親を自宅に引き取って介護する、というお話。 主人公は医者の話を聞いて、認知症の患者に”無理に”いろいろさせてはいけない(自分...
本屋でたまたま見かけて買って、電車で読みはじめたら、止まらなくなって読み切ってしまいました。 45歳の主人公(長男)が、認知症になって施設に入れていた父親を自宅に引き取って介護する、というお話。 主人公は医者の話を聞いて、認知症の患者に”無理に”いろいろさせてはいけない(自分の名前を言わせる、病院に連れて行く、など)ということを聞いて、過去の行動を後悔し、父親の気持ちを優先して介護したい、と思い、自宅で介護することにする。 妻は当初反対するものの、説得して、父親を家にひきとり、介護休暇をとって介護を始める。しかし、排泄をはじめ、食事補助や徘徊などいろいろな問題が生じ、マンションの近隣住民とのトラブルも起こり、対応していく。父親の感情と主人公自身の感情、家族やまわりの人々の感情と現実、安全と人権の折り合いをどのようにつけていくのか、ということがテーマかな、と。
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