数の女王 の商品レビュー
数学と物語の融合。ユニーク。 中世っぽい雰囲気の世界で、権力に魅せられた王妃と、それを阻止する人間と妖精の攻防。「数字」のふしぎな振る舞いに興味津々。特に「コラッツ予想」は、ついつい色々な数字で計算してみて納得。 「数字」の面白さ以外にも、人間の心の弱さ、教訓もしっかり描かれてい...
数学と物語の融合。ユニーク。 中世っぽい雰囲気の世界で、権力に魅せられた王妃と、それを阻止する人間と妖精の攻防。「数字」のふしぎな振る舞いに興味津々。特に「コラッツ予想」は、ついつい色々な数字で計算してみて納得。 「数字」の面白さ以外にも、人間の心の弱さ、教訓もしっかり描かれていて良書。 得難い読書体験。
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数論を元に、個々人に与えられた「運命数」が、能力や戦闘力に影響するという発想は面白いが、どうしてもまず数学ありきの世界観だと思ってしまい、特に序盤はかったるく感じてしまった。 後半からは登場人物に感情移入できるようになり、物語としてのメッセージ性や主人公の成長といった王道要素もし...
数論を元に、個々人に与えられた「運命数」が、能力や戦闘力に影響するという発想は面白いが、どうしてもまず数学ありきの世界観だと思ってしまい、特に序盤はかったるく感じてしまった。 後半からは登場人物に感情移入できるようになり、物語としてのメッセージ性や主人公の成長といった王道要素もしっかりしていたのは良かった。
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数学ファンタジーって珍しいなって思って読みはじめたら、横書き!読みなれないな~って最初は感じたけど、なるほど横書きじゃないと数字並べるの大変よね。
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人間一人ひとりが、固有の運命数を持って生まれ、その運命数の特徴に応じた性質、能力を秘めているという、他に類を見ない独特な着想に基づくファンタジー小説。中世ヨーロッパ風の世界観で、とある王国を支配する女王に養子として育てられた少女が主人公というと、ファンタジーの舞台設定としてはあり...
人間一人ひとりが、固有の運命数を持って生まれ、その運命数の特徴に応じた性質、能力を秘めているという、他に類を見ない独特な着想に基づくファンタジー小説。中世ヨーロッパ風の世界観で、とある王国を支配する女王に養子として育てられた少女が主人公というと、ファンタジーの舞台設定としてはありきたりにも思えるが、そこに運命数にまつわる多様なエピソードを違和感なく見事に取り入れていて、飽きることなく先へ先へと読み進めることができた。 フィボナッチ数列や友愛数、素因数分解の困難性などは数学を学んだ人であれば知っている人も少なくないと思うが、こんな特徴を持つものがあったのかと驚くような数字もいくつも登場し、数学方面の知的好奇心も満足させてくれる。 とはいえ、出て来る数学的要素はそこまで高度な知識を要求するものではない。作中でも必要な説明は自然な形でなされている。近所の書店では、本書は一般の本好きの目には触れそうにない数学の専門書コーナーに置かれていたが、もっと注目される場所に移してもいいのではないかと思った。
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白雪姫の物語に,整数論における特別な整数を盛り込んだ創作。整数論の学習に疲れた頭を休ませるために読んだ。
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一人ひとりが運命数と呼ぶ固有の数字を持って生まれる世界。その数字を素因数分解(割り算的な)することで相手を呪い殺す力を得た悪の女王が、世界を意のままに操ろうとしている。 それに抗うのは13歳の赤毛の少女。算術に長けた妖精や森の長と協力して、女王が持つという運命数【ひび割れのない...
一人ひとりが運命数と呼ぶ固有の数字を持って生まれる世界。その数字を素因数分解(割り算的な)することで相手を呪い殺す力を得た悪の女王が、世界を意のままに操ろうとしている。 それに抗うのは13歳の赤毛の少女。算術に長けた妖精や森の長と協力して、女王が持つという運命数【ひび割れのない数=素数】を打ち破り、世界に平和をもたらすことができるのか、的なファンタジー話。 物語において、不思議な性質を持つ様々な数字が困難を乗り切る鍵となります。読み進めることで、整数をかけると元の数字の列が一つずつズレていく巡回数や、植物など自然に多く見られる数字配列のフィボナッチ数といった話題に触れられます。 紹介される数字は桁数が多く、一見すると難しく見えるかもしれません。ただ、へー不思議だね、くらいの感覚で読んで全く問題ないと思います。 たまにはファンタジーものを読みたいけど、あまりに子供向けなのはちょっと、、という人にはおすすめできるのではないでしょうか。数字の面白さに出会える本でした。
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剣と魔法の世界を舞台にしたファンタジー。 ファンタジー世界では「魔法の存在は所与のもの」であるが、川添氏の著作では「魔法等と学術的問題」のリンクが試みられている。 本作で取り上げられているのはずばり「数」。 現実のことは全て忘れて物語を楽しみたい、という人には向かないが、様々な「...
剣と魔法の世界を舞台にしたファンタジー。 ファンタジー世界では「魔法の存在は所与のもの」であるが、川添氏の著作では「魔法等と学術的問題」のリンクが試みられている。 本作で取り上げられているのはずばり「数」。 現実のことは全て忘れて物語を楽しみたい、という人には向かないが、様々な「数」の性質を知り、感心したり、面白いと思ったりできる人にとっては、一冊で二度美味しい作品だ。 文庫化はされていないようだが、多くの人に読んでもらいたいと思った。
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一人一人が、与えられた「運命数」を持つという不思議な世界観に引き込まれるようにして読み終えました。 世界観はなんとも不思議だけど、自分の数値に傲り、人を持って生まれた数だけで判断しようとする姿勢は、なんだかよく知る世界のような、、、
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本書の著者である川添愛の別の本が面白かったこともあり、こちらも読んでみました。 『数学ガール』と『博士の愛した数式』のような要素を持つファンタジー、というのが自分の印象です。 何よりも、数字の使い方がとてもうまく、また、数字の意味付けや、キャラクター設定も絶妙だと思いましたし、...
本書の著者である川添愛の別の本が面白かったこともあり、こちらも読んでみました。 『数学ガール』と『博士の愛した数式』のような要素を持つファンタジー、というのが自分の印象です。 何よりも、数字の使い方がとてもうまく、また、数字の意味付けや、キャラクター設定も絶妙だと思いましたし、それらとこの本の世界観の設定がうまくマッチしていると思います。 ちなみに、ある程度、数学の素養がある自分は、楽しく読めたのですが、普通のファンタジーとして読めるのかどうかは疑問です。 また、この本に出てくるフィボナ草の設定についても疑問があります。 が、たとえ、それらの疑問があったとしても、それらを上回る面白さがありました。 基本的には、ファンタジーには興味がないのですが、自分の興味を惹く要素があれば、ファンタジーも楽しめることを実感した一冊です。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
数学の知識を物語の中で学べる作品となっています。私はこのような作品を今まで様々なものを読んできましたが、本書はその中で、最も「カッコいい」作品でした。設定は理解するまでに時間がかかりましたが、一度理解してしまえば手に汗握るストーリー展開や数学に詳しく無くても「なるほど」と言えるものばかりでした。 本書で私が最も感動したのは大学数学レベルの領域や、未解決問題も取り上げられているのにもかかわらず、そのほとんどが四則演算に知識で理解ができると言うことです。そしてこれらの説明が淡々と方られるのでは無く、方法や答えに物語としての意味が関連づけされていることで、より興味をそそられました。 例えば物語の最後に語られる「コラッツの予想」これは未解決問題です。内容としてはどんな数もたった2つの作業を繰り返すことで1になるというものです。ここまでは多くの数学書で語られていることですが、その1がただの数字では無く「最高神の数」であると語られています。こういった表現をされると数学的な美徳だけで無く物語としてのロマンも感じられ、様々な面から本作品を楽しむことができました。
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