ふしぎの国のバード(6) の商品レビュー
秋田へ向かう、バードさんの旅。 この巻では、バードさんは、より深く日本を知ることができたようです。 珍しい物や事、風習といった目に見える事がらだけでなく、日本人の精神性に触れる出来事があったのです。 火事で焼け出されたのに、何故泣くわけでもなく平然としていられるのか? 自...
秋田へ向かう、バードさんの旅。 この巻では、バードさんは、より深く日本を知ることができたようです。 珍しい物や事、風習といった目に見える事がらだけでなく、日本人の精神性に触れる出来事があったのです。 火事で焼け出されたのに、何故泣くわけでもなく平然としていられるのか? 自分の夫の葬式なのに、何故笑っているのか? また、今回とくに、女性の生き方のようなものにも、目が向けられます。 手に職を持って、歳をとっても働き、自分の仕事に誇りをもつ女性。 親にきめられたのではない相手と結婚し、家や親族の中で肩身の狭い思いをしながらも一生懸命な女性。 バードさんは、イトの通訳をすべては介さずに、それらの女性たちと触れあっていきます。 イトにとっても、気持ちのうえで今回は大きな進展があったのではないでしょうか。 彼を認めることばを聴き、バードさんの旅に同行することの大きな意味を摑むことができたのではないかと思います。
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秋田を目指す途中、火事に遭うが、それをも克明に記録するバード。 それ以外にも、紙漉きを体験したり、葬式に出くわしたり。それらが、克明に記録されているなら、大変貴重な民俗学的資料だと思う。
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西洋の模倣を超えてはじめて_真の近代化か成せると_自分は考えます 被災してない者にとって_火事は一種の娯楽ですから 屋根に上がった纏持ちは_火が消えるまで死んでも降りて来ないので_仲間をそれを守る為_必死に消火するんです 職人にとって火事は_最高の稼ぎ時ですから 秋田で仕入れた舶...
西洋の模倣を超えてはじめて_真の近代化か成せると_自分は考えます 被災してない者にとって_火事は一種の娯楽ですから 屋根に上がった纏持ちは_火が消えるまで死んでも降りて来ないので_仲間をそれを守る為_必死に消火するんです 職人にとって火事は_最高の稼ぎ時ですから 秋田で仕入れた舶来物で
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良かった〜。 バードさんは伊藤とマリーズの話を 秋田までは棚上げ!と宣言してくれた。 旅を続ける一行は院内という町で 脚気に苦しむ患者たちを診察するため 秋田から来ていた若い医師と出会う。 彼は漢方を学んだが西洋医学の良いところも 取り入れたいと考えていて バードさんからも知識...
良かった〜。 バードさんは伊藤とマリーズの話を 秋田までは棚上げ!と宣言してくれた。 旅を続ける一行は院内という町で 脚気に苦しむ患者たちを診察するため 秋田から来ていた若い医師と出会う。 彼は漢方を学んだが西洋医学の良いところも 取り入れたいと考えていて バードさんからも知識を得ようと積極的。 再会を口にして別れたけど、また登場するのかな〜。 十文字で紙すき、六郷で葬式と 他にも道中いろいろ経験を積むのですが なんとまぁ! ラストにまた衝撃の展開が。 たぶん史実なんだろうけど… どうなってしまうのか気になる!
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I・バード(後にビショップへ改名)、通訳の伊藤の提案を根性であれして、珍道中を続ける。 原典は平凡社版を一回通読したのに、KOYABASHIさんそのものを忘れてゐる。そんで彼は、手探りでKAKKEと呼ばれる謎の奇病を何とかせんと頑張る。そんでもって、この方は、バードさんの旅行に...
I・バード(後にビショップへ改名)、通訳の伊藤の提案を根性であれして、珍道中を続ける。 原典は平凡社版を一回通読したのに、KOYABASHIさんそのものを忘れてゐる。そんで彼は、手探りでKAKKEと呼ばれる謎の奇病を何とかせんと頑張る。そんでもって、この方は、バードさんの旅行に対し、医者の癖にアレ。変人系の医師と、野生のリテレートである通訳の伊藤さんを介して、当時の医学がその病気に関してどうみてたか、が描かれる。てふかお医者さんていざり車の実演もするんか(補助具を使って見せてみる医師とかそんな感じなんだけど へー) 土人の、火事への反応その他に対するI・バードさんの感想は、原作準拠で良いと思った。 一巻から本巻まで目を通してゐるが、通訳の伊藤さんが甘い者へかぶりつく表現が、アレ。通訳の伊藤さんは表情がないし。 通訳の伊藤さんがバードさんへ「権威」を使って何とかこなし、それを現地の人へ解説するバードさんの翻訳をすると言ふのはなかなか面白い。
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この時代の火消し文化は、建物を壊すことで延焼を防ぐということは知っていたが、「野次馬」という言葉あるように、「火事は一種の娯楽」、すぐ家を建てはじめるなど、庶民のしたたかさ、前向きさみたいなものが興味深かった。外国人目線のバードさんでなくても、まさに「ふしぎの国」だなあ~と思った...
この時代の火消し文化は、建物を壊すことで延焼を防ぐということは知っていたが、「野次馬」という言葉あるように、「火事は一種の娯楽」、すぐ家を建てはじめるなど、庶民のしたたかさ、前向きさみたいなものが興味深かった。外国人目線のバードさんでなくても、まさに「ふしぎの国」だなあ~と思った。葬式文化は、言うまでもなく、深い。
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※このレビューにはネタバレを含みます
秋田を目指す新章・東北異聞編スタートとなる6巻である。 浴衣姿のバードさんが麗しい表紙の今巻であるが、シリーズでも随一といっていい濃い内容で描かれた一冊である。 この巻はとにかく濃い。 イトとの別離の可能性を秘めながらの物語のはずが、明治日本に残った江戸の残照を描く内容が実に充実しているのだ。 脚気の治療を研究する西洋医のカヨバシさんとの邂逅から始まり、火事場における人々の振る舞いを見て、その後川に流れている大福帳に関心を持って紙漉きを学びにも行っている。 何より圧巻なのは、後半「六郷①」「六郷②」で描かれたこの頃の葬式の模様だろう。 描写の一つ一つにまでこだわった跡が見える儀式の風景と、人の死を前に人が人を思いやる姿。その両者が丹念に描かれた内容は、本当に圧巻である。 文句なしに星五つ。シリーズの中でも特筆すべき一巻だろう。 もとよりハイレベルな風物の描写が見られる作品だが、特に今回は感じ入った。 ゆっくりペースで構わないので、この質の高いコミカライズを一歩一歩進めていってもらいたいところである。
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