忘却城 鬼帝女の涙 の商品レビュー

鈴森琴(著者)

2024/05/01

前作よりも書き方が、良くも悪くもこなれた感じがする。
前作はよくわからない言葉や概念が序盤からチョコチョコ出てきて、巻末の用語集に気付くまではフレーバーかと思って流すしかなかったが、今作では用語集とほぼ同じ内容が本文中でも出てくるため、用語集は必読では無くなった。
その代わり、用語が薄っぺらくなってしまった印象で、前作で用語集を読んではワクワクし「作品の外に深遠な設定・世界観がある」と感じた神秘的な感触は薄れている。

今作で24大鬼の1体を討伐してしまったことや、世界の他の地域の様子が明らかになったことで、物語を包み込んでいた奥行きのわからないモヤは晴れつつあるように感じる。
前作では、香りや喧噪まで感じられるような異国（異世界）での人の営みと、そこでの人々の悲喜こもごもが非常に上手く描写されており、現場で短期滞在しているように楽しんだが、今作ではその部分も薄く、領主の個人的な心理は詳細に描かれる一方、一般の人々の"生活"は感じることはできず、舞台の背景が張りぼてだとわかってしまったような少し白ける感覚で物語を薄っぺらく感じてしった。

前作ではこれだけで終わるのはもったいないと感じ、続編の刊行に喜んだが、今作を読んで三部作でこの物語を締めるのも悪くないように思った。
4点ながら酷評なのは、失速しているわけではないのだが、処女作がすばらしく、私の期待が大きすぎたということ。

2021/06/22

このシリーズ好きだなぁ！
ぜひともゆっくりでもいいから続いて欲しいところ。
個人的には読みにくさは無かったです。
世界観に慣れるかどうかだとは思うけど、色んな関係性萌えにはたまらないかな。

2021/01/22

曇龍、夢無鵡、御子たちが織りなす大鬼に対する退魔の動き。
赤い蝶の夢を見るのはだれ？
七帝大陸のテオドラの物語はどこに繋がるのか……

あぁ そうだったのか

2019/08/19

帯に惹かれて購入したら続き物だった。
そうか、最初の話のオチが頭にあるのか～と思いつつ読了。世界観が物凄い独特で映像を見ているみたいだなぁと思ったり。家族の情とか、一族の責任とか重いなぁ…。でもそのしがらみが歴史とか、血なんだろうなぁ。

個人的にエイシンさんが好きになれないけど、頭でっかちの閉じた世界に居る天才なんてあんなものかもしれない。とは言え彼にドラクレス？さんは勿体なさすぎるのでその辺の死者で手を打てば？と個人的には思う。このお話の主役はドラクレスさんなのかなぁ。最愛の姉にいつか会えるといいねぇ…

2019/07/20

デビュー作の続編。
前作を読んでいるのが前提なので、本書から先に買ってしまった人は（なかなかそういう人もいそうにないが）、まずは前作を買いに行くべきであるw
デビュー作は悪趣味一歩手前のグロテスクさが魅力の1つだったが、今作ではあまりそういう部分は出ておらず、比べてみると明るい作風で落ち着いていたように思う。
それにしても、あのラストからこういう続編が出るとは予想していなかった。寧ろ続編が出るとは思っていなかった、とも言うか……。

2019/07/16

二十四大鬼の一体、鬼帝女の退治をすることになった、病弱な死霊術士魘神と大罪人の曇龍。果たして鬼退治の成果は？　
別々に語られていく物語が、最後に集約されていくのは見事。
一読したら、再読がお勧め。最初に読んだときに気にならなかった台詞が、再読すると、「そういうことか！」という発見がある。なんなら、『忘却城』も、再読したい。
この話、ぜひシリーズ化して欲しい。
舞蒐のその後も気になるし。
金魚小僧や儒艮はどうしてるのかなあ。

そして今回一番思ったこと。
モフモフゆきちゃんにもふられたい……。