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金ピカ時代の日本人 の商品レビュー

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2022/02/19

著者はカメラマン。写真週刊誌の草分け「フォーカス」に創刊当初からかかわり、数々のスクープ写真をものにした。 本書はそんな著者の、カメラマンになるまでの経緯と、フォーカス時代の撮影秘話を当時の写真とともに記している。 バブル景気前から、その全盛期と衰退までカバーされており、加え...

著者はカメラマン。写真週刊誌の草分け「フォーカス」に創刊当初からかかわり、数々のスクープ写真をものにした。 本書はそんな著者の、カメラマンになるまでの経緯と、フォーカス時代の撮影秘話を当時の写真とともに記している。 バブル景気前から、その全盛期と衰退までカバーされており、加えて欄外に各年の流行語、流行歌、主要な出来事等々が記されているので、一定年齢以上の人であれば、本書を読むことであの狂乱の時代を、簡単に思い出し振り返ることができるようになっている。 80年代の日本を、社会と文化面でわかりやすく把握できる良書だと思った。

Posted byブクログ

2021/09/23

直前に読んだ本が「『りぼん』のふろくと乙女ちっくの時代」。70年代の『りぼん』のふろくに来るべき80年代の消費文化の序章を見出す、という論考でした。80年代の消費文化のことを田中康夫が「金ピカの80年代」と呼んでいたことも書かれていました。無意識に次に開いたのが、本書「金ピカ時代...

直前に読んだ本が「『りぼん』のふろくと乙女ちっくの時代」。70年代の『りぼん』のふろくに来るべき80年代の消費文化の序章を見出す、という論考でした。80年代の消費文化のことを田中康夫が「金ピカの80年代」と呼んでいたことも書かれていました。無意識に次に開いたのが、本書「金ピカ時代の日本人」。ちょっと偶然に驚きました。こちらは写真週刊誌『FOCOUS』の1981年の創刊から専属として時代に向き合い続けてシャッターを切り続けてきたカメラマンの写真と証言です。時代に向き合う、というより社会の欲望と自分の欲望を重ね合わせた1957年生まれの著者の青春プレイバックでもあります。(あとがきには編集者から自分史を入れるように…という指示があったと打ち明けられています…)記憶から零れ落ちている事件や人物が次々蘇り、著者と近い世代の自分にとってもプレイバック、プレイバックでした。この時代は「知る」ことではなく「見る」ことの欲望が露になった結果、写真週刊誌というジャンルの急激な生成に繋がったのでしょう。あるいは「見られる」舞台が生まれたことで起きた事件もあるのかもしれません。そういう意味でこの本の表紙と最後(から1枚前の写真)を飾る人物が全裸監督村西とおる、というのも象徴的です。それにしても『FOCOUS』と『りぼん』というメディアの違いなのか、同じ欲望でもおっさんの欲望と少女の欲望の違いが興味深く、その後の時代から現在まで続くのは、おっさんの欲望の果てしない敗北の連続なのでは、と妄想しました。まあ、それにしては、おっさんの欲望、まだまだしぶといか…

Posted byブクログ