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この夏のこともどうせ忘れる の商品レビュー

4.1

37件のお客様レビュー

  1. 5つ

    13

  2. 4つ

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  3. 3つ

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2019/09/10

「夏休みの高校生」をテーマにした短編集。 全体の印象は一言で言うと「思春期の二人だけの秘め事」。 面白くて読みやすく、一気に読みました。 眩しく輝く太陽が作り出す「影」のようなお話たち。 5つのお話の中でも、ドキドキさせられたのは『昆虫標本』、ゾクゾクとして不思議な世界に引き込ま...

「夏休みの高校生」をテーマにした短編集。 全体の印象は一言で言うと「思春期の二人だけの秘め事」。 面白くて読みやすく、一気に読みました。 眩しく輝く太陽が作り出す「影」のようなお話たち。 5つのお話の中でも、ドキドキさせられたのは『昆虫標本』、ゾクゾクとして不思議な世界に引き込まれたのは『夏の直線』でした。

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2019/08/28

やはり夏の間に読みたくて、山のように続く積読の列を横入りさせた 乗り込む列車にはもちろん青春18切符で… なんてめんどくさい滑り出しをしたくなるくらい なんだか感傷的に 高校生のひとなつのエピソードが語られた短編集 どれも本当に余韻が重く、そしてその余韻にかぶさるように どの...

やはり夏の間に読みたくて、山のように続く積読の列を横入りさせた 乗り込む列車にはもちろん青春18切符で… なんてめんどくさい滑り出しをしたくなるくらい なんだか感傷的に 高校生のひとなつのエピソードが語られた短編集 どれも本当に余韻が重く、そしてその余韻にかぶさるように どの話の文末にも「……まあ、この夏のこともどうせ忘れるよね」なんて続くんだろうなと思うと 寂しいような悔しいような、でも 口ではそんなヒネたこと言っているけど、どうせ忘れらないんでしょう?と意地悪く思って楽しくなったりもして 高校生を過ぎると新陳代謝も落ちるし この細胞含めた激しい生まれ変わりの最後を生きる彼らならではの、 生きるスピードというか、切り替わりの刹那さというか そういうものを感じられたように思う 自分が一番気になるのは『生き残り』のその後 設定なんかは昨今よく見聞きする類のものではあるけど 現実味がある分ちゃんと目指すところに一緒に到達できたのかが とても心配

Posted byブクログ

2019/08/17

一夏の経験を経て形を変えていく関係性にある高校生たちのお話。どことなくなまめかしいのが思春期ならではというところでしょうか。 最後のふたりのお話の息苦しさが好きでした。

Posted byブクログ

2019/08/15

高校生の夏休み、ほんのひとときのふたりの関係。ふたり、は顔見知り程度のクラスメイトだったり恋人だったり旅先で出逢う名前も知らない誰かだったりする。冷房の効いた室内から窓の向こうの夏を眺めているような非現実感と、切ないような苦しいような眩しいような青春がある。

Posted byブクログ

2019/08/15

夏休みの高校生たちを描いた5つの短編集。 ▼収録作品 「空と窒息」 「昆虫標本」 「宵闇の山」 「生き残り」 「夏の直線」 深沢さんの小説は中毒性がある。そしてタイトルもいい。一巡だけでは物足りず、もう三度は読んでしまった。 永遠のように思える夏休みも、いつか必ず終わりが来...

夏休みの高校生たちを描いた5つの短編集。 ▼収録作品 「空と窒息」 「昆虫標本」 「宵闇の山」 「生き残り」 「夏の直線」 深沢さんの小説は中毒性がある。そしてタイトルもいい。一巡だけでは物足りず、もう三度は読んでしまった。 永遠のように思える夏休みも、いつか必ず終わりが来てしまう。だからこそ、特別に感じるのかな。 「生き残り」と「夏の直線」が特に好きだった。

Posted byブクログ

2019/07/28

夏休みって永遠に続くかと思う、のに気がついたら終わってるんだよなぁ。 それぞれの話を読み終えて、タイトルを思い出して、どうせ忘れるの?こんな夏のことを君たちは忘れられるの?と問い質したい。 きっと彼らは折に触れて思い出し、この夏を忘れないまま大人になるんじゃないだろうか。

Posted byブクログ

2019/06/24

どうせ忘れる、と思わないではいられないほど、深く刺さった傷の物語。 かつて自分がそんなふうに傷を抱えたこともあったはずなのに、ずっと生きているうちに、絶対にそれだけはするまいと思っていたことを幾つも、幾つも、してしまっています。 自分が傷つける側に立ってしまったこと、そのとりかえ...

どうせ忘れる、と思わないではいられないほど、深く刺さった傷の物語。 かつて自分がそんなふうに傷を抱えたこともあったはずなのに、ずっと生きているうちに、絶対にそれだけはするまいと思っていたことを幾つも、幾つも、してしまっています。 自分が傷つける側に立ってしまったこと、そのとりかえしのつかなさ、ごめんねと謝ってもそんなの欺瞞でしかないことくらいは流石にまだ自覚があって、自分がしてきてしまったことにたじろぐばかりです。 この本を読むと、視点を傷ついた側にもう一度わずかばかりでも置くことができるように思えます。とりかえしのつかないことをしてしまった今、何ができるか、ではなく、何をしてほしかったか、をもう一度感じなおすための心の足場の一つに、なってくれるかもしれません。 だから、 登場人物と同じくらいの中高生だけでなく、中高生がそばにいる大人も、読むと響く本ではないかと思います

Posted byブクログ