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ストーリー・オブ・マイ・キャリア 「赤毛のアン」が生まれるまで の商品レビュー

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6件のお客様レビュー

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2023/05/29

1917年、モンゴメリが43歳の時にトロントの婦人雑誌に連載されたもの。依頼は「ストーリー・オブ・マイ・キャリア」ということで、自伝というより、これまでどのようにして物を書いてきたか、という内容。自身の日記を多く引用している。 8歳の頃、キャベンディッシュの砂浜に船が座礁したこ...

1917年、モンゴメリが43歳の時にトロントの婦人雑誌に連載されたもの。依頼は「ストーリー・オブ・マイ・キャリア」ということで、自伝というより、これまでどのようにして物を書いてきたか、という内容。自身の日記を多く引用している。 8歳の頃、キャベンディッシュの砂浜に船が座礁したこと、同時期同年代の二人の少年が学校に通うため祖父母の家に下宿していて3人でよく遊んだ、などという子供時代の想い出が印象に残る。 9歳頃に詩を書き、「赤毛のアン」にあるような物語作りごっこを自身でもやったとある。ダルハウジカレッジを終えベルモントとベディックで教師をしていた2年間は、物語を何本も書いたとある。 初めて原稿料をもらったのは、「重大な1週間」として、1895年(21歳)の冬、月曜日にフィラデルフィアの児童向け新聞「ゴールデン・デイズ」(週刊物語新聞でサタデイ・ナイト紙につけられて発行)への短編で5ドルを初めてもらう。さらに水曜にはハリファクスの「イヴニング・メイル」に『男性と女性どちらが忍耐強いか』で5ドル、さらに土曜には雑誌「若者の友」(ボストンで発行されていた児童向け雑誌)に詩を書き12ドルもらった、とある。 1904年の春、日曜学校の新聞に書く短編に使えそうなものを探して、持ち歩いているアイデア帳をめくっていると、「まちがって女の子が・・」というメモを見つけた。プロットが浮かび設定に虜になり、「本を書こう、書きたいものはある。あとは1冊の本に足る長さに広げるだけでいいんだわ」という風に、それは「起こった」のだった、とある。 日記からの引用で、スコットランドへの新婚旅行が結構詳しく載っている。フィンガルの洞窟に行っている。気に入った場所はインバネスとある。 ・・訳文のせいかどうかわからないが、文章が硬い感じでちょっと読みずらかった。 訳者の水谷氏によるモンゴメリの生涯の解説がけっこう詳しく載っているのはよかった。日記は9歳で書き始めたが14歳でそれまでのを焼き捨て書き直し、さらに45歳の時にそれまでの日記をすべて書き写し始め48歳の時に写し終わり、それ以後は日々のメモをもとに日記に書き写すようになった、日記は後世に残すつもりで書かれているので、日記自体がいわば彼女の作品だった、とある。 雑誌「婦人の世界」に1917.6月~11月、6回にわたり連載。編集長から「ストーリー・オブ・マイ・キャリア」という題で何か書くように依頼される。1974年出版。  ※「婦人の世界」はオンタリオ州トロントで1910年頃から1920年代まで発行されていた婦人向け雑誌。1921年までに1回の発行でおそらく初めて10万部を超え(106,167部)カナダで最多発行部数を誇る雑誌となった。 2019.7.10第1刷 図書館

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2021/08/23

モンゴメリが壮絶な一生を送っている中、赤毛のアンシリーズが出版されたのが訳者のあとがきで衝撃的でした。モンゴメリが書いた文章は母親を病気で亡くした子供時代から新婚旅行までですが、モンゴメリが息をするように執筆を支えにしていた事が分かります。

Posted byブクログ

2020/06/05
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

購入してから時間がたってしまったがようやく読了。なんでこんなに時間がかかったのか。内容は面白いのに読みにくかったからだ。 翻訳本を注釈付きで読むと、そのたびに内容が頭の中で中断されるので集中して読めないんだなあ。特にこの本のように、注釈の内容が本文と同じページに載っておらず後ろの方にまとめて載っている場合は、本文と注釈のページを行ったり来たり。まったく集中できない。 本の後半にはモンゴメリーの新婚旅行記が載っていて、これはなかなか興味深い…のだが前述のような状態ですこぶる読みにくい。特に訪問先の地名にはいちいち注釈が付いていてその場所の簡単な紹介が載っている。そこは地図を一枚載せて、そこに訪問したルートを書いてくれるとか、地名を入れるか番号などで示してくれるとイメージしやすいんだけど。 とは言え注釈があることで日本人にはわかりやすい文化的側面や書籍情報などが読めるのは捨てがたい。誰かページを行ったり来たりしなくても読みやすいように注釈をつける方法をご存じありませんか!

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2019/12/06

『赤毛のアン』の作者が、婦人雑誌に連載したエッセイをまとめたもの。少女時代の話から、投稿を繰り返した修行時代、新婚旅行の記録がまとめられている。小説の登場人物に通じる夢見がちな少女を通して、プリンスエドワード島の魅力が語られていて、アンシリーズの続きを読んでいるような気分になる。...

『赤毛のアン』の作者が、婦人雑誌に連載したエッセイをまとめたもの。少女時代の話から、投稿を繰り返した修行時代、新婚旅行の記録がまとめられている。小説の登場人物に通じる夢見がちな少女を通して、プリンスエドワード島の魅力が語られていて、アンシリーズの続きを読んでいるような気分になる。読み終えた後、訳者による丁寧な解説でモンゴメリの生涯が紹介されており、実生活での苦労を知って、作品世界との落差にびっくりした。

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2019/11/29
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

利発で常に前向き、大きく悲しみ大きく喜ぶアンの作者なのだから、ご本人もきっとそういう人柄でそういう人生なのかなとイメージする。実際、本文を読む限りではそんな作者像が浮かんでくる。 しかし訳者あとがきで、苦悩の人生であったことを知り、ちょっと衝撃を受ける。

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2019/07/30

『赤毛のアン』の著者が自身の「キャリア」について語ったもの。訳者もあとがきで書いているが、自伝として書かれたものではないので、もうちょっと知りたいなと思うことが書かれていなかったりといった消化不良感もあったが、「アン」の原点がモンゴメリの育った土地や自然にあったのだなぁということ...

『赤毛のアン』の著者が自身の「キャリア」について語ったもの。訳者もあとがきで書いているが、自伝として書かれたものではないので、もうちょっと知りたいなと思うことが書かれていなかったりといった消化不良感もあったが、「アン」の原点がモンゴメリの育った土地や自然にあったのだなぁということを再認識した。 個人的には、訳者あとがきのモンゴメリの方が興味深かった。また、伝記などを読んでみたいと思う。

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