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11番目の取引 の商品レビュー

4.6

20件のお客様レビュー

  1. 5つ

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2024/03/14
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

素晴らしい作品でした。 アフガニスタン難民のサミーが、盗人に奪われたじじのリバーブを取り戻すために奮闘するお話です。 戦争、テロ、PTSD、イスラム信仰等々…小学生が読むにはなかなかヘビーかもですが&iPodとかもう知らない世代かもですが、いつか読んでもらいたい作品です。 ⭐︎ダンが「ルバーブって野菜?」と尋ねるシーンがあり、どういうことかと思っていたのですが、本当にそういう野菜があるんですね。 ルバーブの音色、生で聞いてみたい!

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2023/03/19

2020年読書感想文、中学生の部の課題図書とのことで気になって手に取った作品です。児童書なので気軽に手に取りましたがなかなか奥深い……もちろん児童書として文章も柔らかくとても読みやすい翻訳なのですが軽いわけではない、とても考えさせられる重みのある作品でした。

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2022/11/13
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

アフガニスタン、1818年以来平和だったのは1933年から1973年までの40年とか。 トラウマの話、根本的に変わってしまう、人生にいつまでも色濃く影響を与える。 アフガニスタンの話は厳しい話が多い。 シリアの話に続いて難民の話。 世界にはこんなに平和じゃない国がたくさんあるのに・・・ ウクライナは日本でもたくさん報道されて注目されてるけど戦争は今に始まったことではないと、今だからこの本を読むわけではない。 世界が平和でありますように。 困難な状況で生きていても戒律を守り、客人をもてなすアフガニスタンの人々の実直さが伝わってくる。

Posted byブクログ

2022/04/14

故郷アフガニスタンでの辛い体験によるトラウマに悩みながら、新天地アメリカで新たな生活を始める少年。 盗まれたものを取り返す過程で友だちとの関係を築き、やがてそれが希望であることに気がつく。

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2021/09/18

2020年 第66回青少年読書感想文全国コンクール 中学生の部の課題図書でもある本書を、ようやく読み終えました。 本書の初版発行は2020年6月。当時のアメリカ合衆国大統領はまだバイデン氏ではなく、アメリカ軍がアフガニスタンを軍事統括していました。時を経て2021年9月、ニュー...

2020年 第66回青少年読書感想文全国コンクール 中学生の部の課題図書でもある本書を、ようやく読み終えました。 本書の初版発行は2020年6月。当時のアメリカ合衆国大統領はまだバイデン氏ではなく、アメリカ軍がアフガニスタンを軍事統括していました。時を経て2021年9月、ニュースでも報道されているように、アフガニスタンの状況は悪い方向へ大きく変化してしまいました。 本書の主人公は、アフガニスタンのパシュトゥーン族として生まれ育ちましたが、治安悪化により、祖父とともに密輸業者を通じて過酷な逃避行の末、アメリカ・ボストンのアパートで暮らしています。 2人にとって最も大切な故郷の形見でもある、"ルバーブ" というアフガニ伝統の楽器が、突如盗人に奪われてしまいます。この楽器を取り戻すために主人公はたくさんの"取引" を重ねていき、11番目の取引に臨むこととなります。 児童文学とは思えないほど、アフガニスタンの情勢や生活の様子などが鮮明に描かれています。また、主人公の少年に降りかかる様々な悲しい出来事は、現実世界で実際に起きていることであり、これからのアフガニスタンの情勢悪化が非常に懸念されます。 本書を通じてアフガニスタンに関心を持つ若い世代の方が、増えるきっかけになればと思います。

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2021/08/15

テロの場面の生々しさ、いろんな人の感情の機微、ルバーブの音色まで聞こえてくるような描写。 ものすごくいろんな事を知れた。 わずか、12歳でこんな事を経験している子が同じ世界に居てると言うことがとても辛い。 どうしたらいいのかわからないことも辛い。 もっと、知っていかないといけない...

テロの場面の生々しさ、いろんな人の感情の機微、ルバーブの音色まで聞こえてくるような描写。 ものすごくいろんな事を知れた。 わずか、12歳でこんな事を経験している子が同じ世界に居てると言うことがとても辛い。 どうしたらいいのかわからないことも辛い。 もっと、知っていかないといけない。もっと学んで、どうしたらいいのかみんなで考えないといけない。 各々が信じたいものを信じて、安心して、理不尽に『明日』や『家族』や『尊厳』が奪われてはいけない。 しかし、ルバーブが盗られたからこそ繋がれた繋がりもあって…この本は救いがたくさんあって…よかった。

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2021/05/27

アフガニスタンからの難民で、祖父とともに命からがらボストンにたどりつき、ようやく安定した暮らしをはじめたばかりのサミ。ところが祖父の心のよりどころで、収入源でもあった民族楽器ルバーブをサミが街角で抱えていたとき、ひったくりにあってうばわれてしまう。 ほどなくして、それが中古楽器...

アフガニスタンからの難民で、祖父とともに命からがらボストンにたどりつき、ようやく安定した暮らしをはじめたばかりのサミ。ところが祖父の心のよりどころで、収入源でもあった民族楽器ルバーブをサミが街角で抱えていたとき、ひったくりにあってうばわれてしまう。 ほどなくして、それが中古楽器店で高値でうられていることを知ったサミは、なんとしてもお金をためて買いもどそうと決意し、学校やモスクの友人達の知恵を借りて、わらしべ長者方式の物々交換で、少しずつ目標の金額に近づいていく……。 2020年の感想文課題図書だけど、それに関係なく、ぜひ多くの人に読んでほしい傑作。サミは、本国でテロに遭って両親を亡くしており、そのPTSDをかかえている。ボストンでも祖父の大切なルバーブを盗まれるという苦難に遭った。けれども、その事件をきっかけに新しい友だちができ、ちがう文化の、共通点の少ない友人とも、少しずつわかりあっていくことなどが、生き生きとした場面の積み重ねで描かれていて、あちらこちらで胸を打たれた。 大きなテーマをかかげた作品だと、ともすれば頭でっかちになりがちなのだけど、どの登場人物にもリアリティがあって、ことのなりゆきも自然で、すべてがよく練られた傑作。

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2020/10/08

課題図書です 子供にも大人にも読んで欲しい1冊でした アフガニスタンからアメリカへやってきたサムとじじ(祖父) 彼らは難民だった ルバーブ奏者だったじじが駅でルバーブを演奏する。 じじが席を外し、サムがルバーブを弾いていたその時、ルバーブが盗まれた! ルバーブを取り戻すためサム...

課題図書です 子供にも大人にも読んで欲しい1冊でした アフガニスタンからアメリカへやってきたサムとじじ(祖父) 彼らは難民だった ルバーブ奏者だったじじが駅でルバーブを演奏する。 じじが席を外し、サムがルバーブを弾いていたその時、ルバーブが盗まれた! ルバーブを取り戻すためサムは質屋を回るが,,, アメリカでの暮らし、新しい友達、アフガニスタンでの出来事 日本にいると戦争や命の危機なんてピンと来ないけれど、世界には色々な国があることを知るべきだと思う

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2020/09/24
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

2020年度(第66回)課題図書の中学生向け。 9月になったし図書館で借りた。 サミは12歳、じじと一緒にアフガニスタンからアメリカのボストンにやってきた。 ある日、地下鉄の構内で、サミは、じじの大切にしているアフガニスタンの伝統楽器のルバーブを盗られてしまった。 落ち込むサミとじじだったが、サミは同じ学校のダンの計らいで、ルバーブがインターネットで売りに出されているのを知る。 なんとかして、4週間で700ドルかせいで、ルバーブを取り返すのだ。 人が辛い過去を忘れられないのはなぜなのでしょうか。 大なり小なり傷となって、みんなそれぞれが抱えています。 それが昇華されたり解決されたりするかはわからないということを、登場人物のじじも口にしています。 軽々しくきれいごとを言わない、けれども「神は慈悲深い」ことを信じてこれからへの希望を失わずにいる、その点で信用できる物語です。 学生の頃、平和学習の講義で、内戦や難民ついて調べて発表するという課題がありました。 表面的に調べ、とある難民支援の事務所に、難民の方にインタビューをしたいと電話したことがあります。 そのとき、電話口で「みな複雑な事情を抱えているので、簡単にインタビューを受けられるものではない。もっと勉強してください」ということを言われ、電話を切られたことがありました。 その言葉をきいて、耳から顔が熱くなるのを感じ、講義の発表でも自分の白々しさを感じたことを思い出しました。 物語のなかで、章ごとに断片的に差し込まれるサミの記憶や独立記念日の花火の場面で、想像すらできないサミの苦しみに触れて、どうしようもない気分になります。 サミとじじは確かに生き残って、新しい土地で新しい出会いを得ています。 こういう個々の物語が、これからを生きていく読み手を照らしていくはずです。 最後のマリハさんの登場はご都合主義っぽい感じもしましたが、それまでにそんなにうまくいくわけないよ、という展開は何度かあったので、物語としてハッピーエンドにするためには、まあいいかという気持ちになりました。 サミがじじに最後まで秘密にしておくのが、大人になった読者の私には心配でしたが、それが思春期の読者には合うのでしょう。 取引の過程にはどきどきもあり、現代っ子の目に留まるサミの携帯メモの【取引日誌】がまめに挿入されています。 とびらにぶどうの絵が配されているあたりも、いいなと思いました。

Posted byブクログ

2020/09/21

児童書だけど、大人にも。  アフガニスタンの難民の男の子サミ。サミは祖父と一緒にアフガンスタンからアメリカにやって来た。  ある日地下鉄の駅で祖父が大事にしていたルバーブを盗まれてしまう。  それはサミにとっても、祖父にとっても、とても悲しい出来事。でも、そこからサミは色んな人...

児童書だけど、大人にも。  アフガニスタンの難民の男の子サミ。サミは祖父と一緒にアフガンスタンからアメリカにやって来た。  ある日地下鉄の駅で祖父が大事にしていたルバーブを盗まれてしまう。  それはサミにとっても、祖父にとっても、とても悲しい出来事。でも、そこからサミは色んな人と繋がっていく。そして、悲しい思いをしたアフガンスタンの女性と出会い、最後はサミを取り巻く誰もが微笑んで終わる。  生きていると色んな事を経験する。悲しみも苦しみも。そして、あまりにも理不尽な理由で愛する人の命を奪われたとしたら、その悲しみはあまりにも深い。  それでも、「神様は慈悲深い」と祖父はことある毎に口にする。  そして、その言葉通りに、味わった苦しい思い、悲しい思いが、人との出逢いへと繋がっていき、その人との関わりの中で、癒されていく。  祖父の言葉が、神様への信仰が心に沁みる。

Posted byブクログ